2003年7月前半の日記

by Tom Tanabe                                     マグパイへ戻る


2003年7月1日

とうとう今年も後半に突入、全く「歳月」の流れ行く速さに「恐ろしさ」を感じます。
気がついたらあっという間に「人生」は「終了」していたり。

さて本日は「物の値段」について書きます。
先週の日記に過激に安い「DVDプレーヤー」を購入したと書きました。
現在世界中で「価格破壊」を引き起こしている、中国製の製品の事も含めて書きたいことが沢山有ります。

少し時間をかけ整理して書けば良いのでしょうが、ここは「日記」、一日が終わる前に書かないと意味が無いので、即興(アドリブ)で書きます。
つまり例によって支離滅裂、大いに話が飛ぶかもしれませんが、ご了承ください。

と、書き始めたらなぜ自分がこのような「価格」について「こだわる」のかについても書かなければと、思い始めました。
ひょっとすると今日の日記のサブジェクトは今日中に終わらず、明日に続きになるかもしれません。

ロンドンに僕が住みに行ったのは「原宿」で始めたブティックで売るものを仕入れるのが主な目的でした。
もう少し正確に書くと、ロンドンに住みたいというのが最初に有って、住むには収入が必要。
しかし当時(いや今でも)すぐにワーキングヴィザなどもらえる可能性など無く、あるきっかけで日本で始めた小さなブティック(原宿交差点のそば今のGAPのあるところです)のためにロンドンで服飾品を仕入れ日本に送ってその店で販売すれば、そこからの収入で快適にロンドンで暮らせるというのが最初の発想でした。
(うわ〜、こんな事から書き始めたら絶対に本日中には終わらず明日だけでなく、、、って感じ始めました)

当時は英国ポンド対日本円のレートが1000円を切り始めた頃で、今のレートしか知らない人には信じられないかもしれませんが、ロンドンで仕入れた服飾品を日本で売るには「安く仕入れる」というのが非常に重要でした。
もっとも、薄利多売の店ではなく始めた当初はたった一軒だったので、日本に紹介されていない若手デザイナー・ブランドを扱っていたので、それほど必死に安いものばかり仕入れていたわけでは有りません。

高すぎると思うようなものでも、日本では見たことも無いようなデザインのものなら結構売れたものです。
その最も良い例が「ヴィヴィアン・ウエストウッド」の製品でした。
製品なんて書くには似合わないほど当時はパートナー(同棲相手というか)のマルカム・マクラーレンと二人で小さなアトリエを「シコシコ」やっていたのです。

ヴィヴィアンは自分でもミシンを踏んでいたので、デザインも含め製作するので精一杯、一時期は我が女房に消費税(当時英国も導入されて間もない。 VATといった)の申告の事等も含め事務系の仕事は頼んできた事も有ったほどです。(また話が飛んでしまった)

さて、当時は色々なデザイナーの服を仕入れていたのですが、彼らのアトリエで仕入れるにしても交渉の仕方によっては普通の卸値段よりも安く出来る場合もあり、良いデザインのものを仕入れる事と並んで、常に仕入れ価格には気を使っていました。

当時の服の流行はロンドンポップファッション(セブンティーズとも言う)が終わりに近づきBIBA等に代表されるアルーデコ系や、また1950’s系のファッションが台頭してきていました。
懐古主義とファッションの多様化の始まりでした。

当時のデザイナー達はその時代の古い服からインスピレーションを得て、色々デザインしていたのですが、面白い事に英国では法人税の特異性で売れ残った商品をそのまま在庫として置いておくと、法人税申告時にその在庫の分が免除されるような仕組みになっていたためか、何十年もそのまま倉庫に抱え込んでいる問屋が結構あったのです。

それらの商品を「デッドストック」と呼んでいたのですが、すごく良いデザインが沢山ありました。
30年も倉庫の棚に寝ていたので、物によっては変色したり、埃などで薄汚れている物もありましたが、しかし値段が「メチャクチャ」安かったのです。

持っているほうは30年も経ってしまって、捨てるには捨てられずしかし売れるなんて考えていなかったので、物によってはタダ同然だったのです。
最初このような商品をロンドンはキングスロードのブティックで見かけた時に(それほど安く売っていなかったのに)デザインの面白さに僕は即座に「これだ!!!」って思ったものです。

「これを仕入れる」って即座に決め、自分で探し始めたのですが、そう簡単には見つかりませんでした。
つまりどんなところ(倉庫)に行けばそのような「お宝」が眠っているのかすぐには検討もつかなかったのです。
色々英国人の友人に聞き回っているうちに、あるイギリス人の男性二人組と知り合います。
彼らの名前は「リックとロジャー」出身は「バーミンガム」でとても良いデッドストックをどこからか仕入れてきてはロンドンの店に卸していました。

僕は彼らに会って自分が日本で店を持っている事、そういう「デッド・ストック」を探している事、など等を説明し一緒に組んでビジネスしたいと申し入れました。
これが日本で最初に「デッドストック」を販売するきっかけになったのです。 その後デッドストックだけでなくいわゆる「古着」も扱うようになります。
もちろん当時の日本には古着を扱う店というのはたった一軒「ドレス亭」というがあって、しかしそこはヴィクトリア時代のドレスだとかアールヌーボーのドレス等を扱う、どちらかと言うとコレクター趣味の店でした。

ですから僕が若い人向けの古着、代表選手は「リーバイスの501」とか擦り切れ始めたような服を扱ったのは、日本で最初です。
これは余談ですが、全く日本にこの手の店は無かったために珍しいのか店を始めてすぐに結構多くのデザイナー達が僕の店を偵察に来ました。

その中に知人のデザイナー菊地武雄氏(タケオ・キクチ)がいて、もう擦り切れ始めたようなリーバイスの古い501のジーンズを(1973年当時)9800円の値札を付けて飾っておいたら、「タナベチャン、この古いジーパン9800円で売ってるの???」なんてビックリされましたっけ。
確か当時の最も高い新品のリーバイスのジーンズが2〜3000円の頃、有名メーカーのデザイナー物でも5〜6000円の頃です。
その後の日本での古着ファッションの流行は自分でも信じられないほどでした。

現代でもこのヴィンテージというのか古〜い501をコレクションしている人は多いようで、何十万円から何百万までするらしいです。
もっともこのような値段になると、その当時の僕がそれらの古着をファッションとして扱った意味からは大分離れてしまっていると思いますが。
(また話が飛んでしまった)

「リックとロジャー」と組む事になった僕は、彼らと一緒にイギリス中を回ったものです。 もっともそのようなデッドストックは田舎町には無く、最も多く有ったのが「ビートルズ」の出身地「リバプールでした」。
とにかくそのような倉庫を持ってデッドストックを抱えているような人達というのは「最新ファッション」等には無頓着で、その価値が判っていないのです。

つまり何でこんなに古い在庫品を買ってくれるのかと不思議な顔をしている年老いた経営者もいました。
ですから交渉次第ではとんでもないほどの価格で買えるのです。
もっともそういう場合はそこに眠っている在庫の内欲しいのだけを選んで買うよりも、「有るものを全部買う」という方法を取っていました。

今書きながら考えたのですが、これは日本で流行っている「100円ショップ」等のディスカウント屋の仕入れと似ていますな。
つまり現金で思いっきり買い叩いて仕入れる。
最大の違いは、100円ショップ系はそうやって安く仕入れても所詮100円でしか売れないが、僕の場合ファッションとして原宿で売るので、似たようなデザインの現代に作られた服と同程度の価格かまたはそれよりも高く売れたのです。

ですからすごく良いデザインのデッドストックを過激に安い値段で仕入れるというのがまさに「快感」になっていきました。
ある時などリバプールの倉庫街のそばですごいのを見つけた時には抱き合って喜び合ったものです。

つまり古着のかっこ良さが加味され、聞いた事も無いメーカーの服ですから、同じ服を着た人と街ですれ違う確立がうんと少ない。
ですから物によっては200円で仕入れた50年代のドレスを日本に送り「19800円」で売ったら、当時日本人のデザイナーもので1950年代のデザインを元に新しく製作した服よりも「面白い」と飛ぶように売れ、あっという間に売り切ってしまった事もありました。

こうなる仕入れが追いつかなくなります。 つまりロンドンのメーカーから新しい服を仕入れているわけではないから、追加注文が出来ない。
ある時期はこの「リックとロジャー」とともにイギリス中のデッドストックを買い占めているとまで言われたもので、一時期はロンドンのその手の店には僕が買ってみな日本に送ってしまっていたので入荷が途切れる事態も有ったくらいです。

僕がほとんど日本に送ってしまっているのですが、僕の店も当時5軒ほどに増えていて、品不足になっていったのです。

そこで「キャべチ(日本語のキャベツ」の登場になります。
そうこの辺の話から、今日最初にちょっと触れた「中国製の価格破壊」の話と繋がっているのですが、、、。

いかに安く仕入れるかは即「利益増大」に繋がるということもあって、半分楽しみ(中毒?)になっていった経過は多少理解していただけたでしょうか。

ここまで書いて疲れたので続きは明日に。(スミマセン)
あすは「キャベツ」の話から書きます。


2003年7月2日

昨日の日記の続きです。

最近中国から輸入されてくる恐ろしいまでに「激安」の物の中には、僕がロンドンで仕入れていた「キャベツ」と呼ばれる製品も含まれているようです。

昨日の日記にも書いたように、当時は英国通貨である「ポンド」は日本円に対して非常に高かったので、日本に送って売るにはなるべく安く仕入れる必要がありました。
で、ある時知り合いに「キャベツ」なら入るけどと言われたのですが、すぐにその意味がわかりませんでした。

それは、ファッション・メーカーが新しいデザインを作り生産する時には、ほとんど下請けの縫製工場を使います。
メーカーからそのデザインのための「型紙」と、「生地やボタン」などが工場に渡され、そこで納期までに何枚という約束で工場が生産を始めます。

で、メーカーから運び込まれた生地は多少の余裕を持って渡されているのですが、工場では自分たちの「腕というか技術」で100枚取れるはずの生地から(例えば)110枚や120枚分を裁断してしまうのです。
そしてメーカーには100枚を納品し縫製代をもらい、残りは自分の物としてしまうのです。

そのような商品が「キャベチ(日本語ではキャベツ)」と呼ばれていました。
よく見ると、渡された生地は使っているが、100枚のはずを110枚とかにしたためにボタンなどが足りなくなり、違うデザインのが使用されていることもありましたが、見かけは全く同じなのです。
あたりまえの事で、違う人が真似て作っているのではなく、同じところが製作しているからです。
ただし、(当然)レーベルは無かったり、違っていたりが多かったです。

僕にはこういう商品が出回っていてもメーカーは何の行動もとらないのが不思議でならなかったのですが、安い工賃で引き受けてる縫製工場を大目に見ているのか、長年の習慣で「キャベチ」はしょうがないものという風潮があったのか、その辺のところは良く分かりません。
ましてや日本に送られてしまうなら、現地のブティックやデパートと競争にならないので余計甘かったのかもしれません。

で、先日の日記に書いた電化製品の安売リ店「Strathfield」でこのキャベチを見つけたのです。
昨年の終わりにプラズマテレビを購入した時に一緒に購入したAVシステム(アンプ)を購入したと書きました。

で、今回この「Strathfield」のバーゲンでいろいろ見ていたら僕が購入したのと同じのが飾ってあるので、いくらで売っているのかチェックしようと近づいたら、何と僕の「パナソニック」とは全く違う名前がついているのです。
で、値段が半額以下なんです。
実はそのパナソニック、女房がすごくデザインを気に入って、僕はショップが薦めた他のブランドの物が気に入っていたのを止めてその「パナ」を購入したのです。
結構価格も高く、しかしデザインが良いし、その上今のオーストラリアには珍しく「Made in Japan 」と書いてあったのでそれにしたのです。

ところがこの聞いたことも無い名前がついたアンプは、デザインを真似して似て見えるというのではなく、外観は全く同じ物なのです。
しかし裏を見ると「中国製」とあります。
僕は何がなんだかよくわからなくなってしまった。
つまり日本のメーカーが自分のブランド名で売る以外に「OEM」として他のメーカーから注文をもらって外観は同じでも、商品名は別のを生産することは良くあります。

しかしこのアンプの場合パナソニックがそのメーカーのために「OEM」として作った可能性は無いと思います。 値段から言っても。
逆のことは考えられます。 つまり中国のメーカーがナショナル・パナソニックから「OEM」の注文を取って生産するということです。
デザインはパナソニックがやり、上で書いたファッションの縫製工場のように生産は中国でという事です。

で、僕の見たのがいわゆる電化製品の「キャベチ」で、オーストラリアで全く同じに見える物が半額以下で売られているのではと思い始めた。
しかしそう考えると、では僕の「パナソニック」製のは生産地を偽っているのではないかという疑問が湧いてきます。

これは中国で部品を作り、最終的な組み立ては日本でやっているから「日本製」だということなんでしょうか?
英語の表記では「Made in 〜」というのと「Assembled in 〜」というのがあります。
もし中国で部品を生産して日本で組み立てているなら「Made」ではなく「Assembled 」にすべきではないかと思うのです。

それにしても、もし中身も同じだったらあなたはどちらを選びますか?
方や有名ブランドの名前が付き、もうひとつは聞いた事の無い名前(この場合結構かっこ良い名前が付いていました)。
しかし値段は半額で性能は全く同じだったら。
僕は確実に半額の方を取ります。 他人に自分の持っている物のブランド名を見てもらうために買う人なら「倍」出せばよろしいが。

そうそうこれは余談ですが、一時期オーストラリアのマーケットにブランド名が「パルソニック」という電化商品(主にテレビやVTR)がありました。
友人(高齢の日本人)は、電化製品には無頓着な上に目も多少悪いから「パナソニック」のテレビをずいぶん安く売っていると大喜びで買ってしばらく使っていました。
買ってから数ヶ月して壊れて初めてそれが「パナソニック」ではなく「パルソニック」であることに気が付いたそうです。

このような場合はまるで詐欺で、名前は紛らわしいし性能もすごく悪かったらしいので、上で書いたのとはちょっと意味が違いますが。
そうそう紛らわしい名前といえば中国には「SONY」ではなく「SONV」というのがありましたな。(いまだにあるのか不明?)
僕も一瞬ソニーと書いてあると思ったのですが、「ソンヴ」なんだそうです。 アチャーでしょ。

しかしこのような中国製品の時代は終わろうとして、どんどん性能も追いついているんですよね。
僕は、「日本」いや「日本人」が世界で最も「ブランド志向」の強い国民だと思っています。
確かに「安かろう悪かろう」という時代を日本人自身が作り出していたという経験があるから、高価格品イコール性能が良く壊れず安心だという「信仰」も逆に強くなり、その上「ヴィトン」などのブランド品への「憧れ」という何とも不思議な風潮が蔓延しているから、日本はこの不景気にもかかわらず高級品が売れる。

一番良い例が車でしょう。
いまや韓国製の車がオーストラリアだけ無く、ヨーロッパやアメリカでもとっくに売れ始めているのですが、日本では韓国製の車を乗っている人なんてめったにいないと思います。
この理由は簡単、日本人に言わせると「安いけど良くないから」という事になるのでしょう。
この際、日本人にとっての「韓国」のイメージがどうのこうのという議論はしません。
しかし僕には「良くない」という理由が良く分からない。

作りが悪い? 何パーセントの日本人が車のアッセンブル(組み立て)の違いが分かるのでしょうか。
確かに日本車の「組み立て」は世界でダントツの1位です。
ベンツやBMWよりも上を行っているといっても過言ではありません。
欧州車(特にイタリア製やフランス製はたまたスエーデンのボルボやサーブ)と比較したら「月とスッポン」に日本車のほうが良い。
だから韓国製は買わず日本車を買うというのなら分かるが、それなら韓国製と同程度の組み立てレベルのイタリア、フランス、北欧車に日本車よりも高い値段を払うってのはよく分からなくなる。

今僕は韓国車を例にとって、わざとプロヴォカティブな事を書いています。
ですから組み立てレベルがどうのこうのと言うよりも、「イメージ」の問題で売れないという事なのは充分判っている上で書いているのです。
で、これに似た話を書きます。

僕の知り合いに僕と同年代のオーストラリア人の「建築設計士」がいます。 はっきり言って彼はあまり裕福ではありません。
まだ高額な教育費がかかる子供がいるしいつもピーピーしているようです。
で、その彼は「日本車」に関して「日本人にとっての韓国車」と全く同じイメージを持っているのです。

つまり彼が車に興味を持ち始めた10代には、日本車は「安かろう悪かろう」の代表選手だったのです。
で、彼は世の中が変わって行っているのにいまだに日本車に対するイメージを変えられないのです。
ですから彼も、また彼の女房も、もう本当にボロボロの15年落ちくらいのベンツにボルボを夫婦で乗っていて、しょっちゅう故障して修理費に莫大な金額を払わされて「ヒーヒー」言っている。

別に彼が車オタクで、特定な車種の(古い年式の)ファンだからそういうボロボロのを乗っているのではないのです。
同じ値段を出して日本車の新車を買った方がよっぽど楽チンだし壊れないし維持費も安いし性能も良いのに「日本車」だから買わないようなのです。

「日本車」のイメージが世の中「大変化」しているのに受け入れられないのです。
しかし何か彼を見てると「可哀想に」なってしまう。
妙な「偏見」というのか「柔軟性」が無いのか、世の中の動きが見えないのか。
しかし、日本では彼と同じような姿勢の人間が多いと僕は考えます。

今日は車という「サブジェクト」で書いてしまったので誤解が生まれるかもしれませんが、DVDプレーヤーなんて今や日本の有名ブランドもほとんど中国で作っているわけで、全く性能も外観も同じ(つまり早い話同じ物)だが貼ってあるネームが違う物が一番売れないのも日本であるということです。
たとえそれが半額であっても。

また明日に続きます。


2002年7月3日

いよいよウインブルドンテニスも大詰めに入って来ました。
女子の方は全仏と同じようにベルギー軍団対アメリカ軍団(姉妹)の戦いになってきています。
テニスについては書きたいことが一杯有るのですが昨日まで書いたのを終わらせなければならないのでテニスは別の機会に。

さて、昨日の続き「物価」について。
そもそも先週に「激安」のDVDプレーヤーを娘のために購入した事からこの話は始まりました。
その日の日記(6月27日)に書き忘れたのですが、バーゲンをやっているその店で2台目を買いに来たというオッサンの言った事が正しかったと、じつは僕も2台目をその日の夜にまた買って来てしまったのです。

最初のは娘のところへ行き、もう一台は母が使うテレビに接続するために購入しました。
両方とも好調に動いております。 まあ、こんなに安かったのだからすぐに壊れてもあまり文句は言えないかもしれませんが、しかしよく見ると2年間の保証がついているという。
これはショップの保証なのかメーカーである「S社」の保証かはわかりませんが、2年間も保証があれば何の文句も有りません。

で、2台目のDVDを購入した時に一緒にスピーカーもまた買ってしまったのです。 で、この5.1チャンネル用の5個のスピーカー(サブウーファー無し)の値段が何と29ドルなんです。 今のレートで日本円で2000円ちょっと。 この馬鹿馬鹿しいまでの安さにどこか壊れてるのかと思ったのですが、これがまた結構良い音を出すんです。
付いていた値札(定価)には190ドルとありました。

80歳を過ぎた母が使う(聴く)装置なら充分過ぎるくらい、だいたい5.1チャンネルでなくとも良いのですが、なにしろ29ドルです。
翌日の新聞の広告に偶然日本の有名ブランドの5.1チャンネルスピーカーの広告が出ていて見たら、499ドルの「バーゲンプライス!!???」で出ていました。
29ドルと499ドル、一応両方バーゲンプライス。 (もちろん同じ物では有りませんが)
考え込んでしまいました。

まあ昨日までの日記に書いたように、僕が商品の買い付けという仕事をしていたために、とにかく安く仕入れるというのが当たり前になってしまったのですが、ロンドン時代は仕事としてうまく仕入れれば一種の快感さえ感じていたものです。
我が女房は今、彼女が気に入っているファッション・デザイナーのアトリエで行われるセールにハマっております。
何しろ普段ブティックで100ドルで売っているものが10ドルだったりするのですから。

さて、僕が最近つくづく感じるのが、この中国製品の進出のために「物の値段」が異常なまでにアンバランスになってきているということです。

先週我が家のサイドゲート(通用門というかくぐり戸というか)の鍵の動きが「渋く」なってきて、とうとうロック(掛かった)状態で鍵が回らなくなってしまいました。
とにかく古〜い鉄のゲートなので中に入っている鍵の装置も30年は経っていると思います。
「何でも屋、もしくは我が家のハンディーマン」の僕もさすがにこれにはお手上げかなと色々ガチャガチャやっていたら偶然鍵が回ってロックが外れました。
一応そのゲートは開ける事が出来たのですぐにその錠前の部分を外し鍵屋に持っていきました。(ゲートが開いた状態でないと外す事すら出来なかったのです)

とにかく古く無骨な鉄製の弁当箱のような形、いやよりも薄く、ビィデオカセットのような形の箱がその錠前の部分なのですが、その中のどこかがおかしくなって鍵が回り難くなっているのは明白です。
しかしもう30年も経つので箱ごと変えてしまおうと持って行ったのです。
で、鍵屋のカウンターでこのタイプのはありますかと聞くと、「結構古いですね〜、これは取り寄せになります。」と言う。

良かったまだ作っていたんだと注文しようと値段を聞くと、「400ドルになります」と平然とした顔で言うのです。
「よよ、四百ドル???」僕はビックリ、一瞬ポカ〜ンとしてしまいました。
そのサイドゲートなんて鍵が無くても良いようなものなのですが、そんなところの鍵が400ドル。
当然ス−パー等に行けば最新型が3分の一以下の値段で売っているはず。
何しろ現代の複雑な鍵でもないのに。
しかしこれが残念ながら古いからスーパー等で売っているのとは多少サイズが違って装着できないのです。

つまりその鉄のゲートから総て変えない限り、もう少しリーズナブルな価格の新しくデザインされた鍵はつけられないのです。

う〜ん、どうしたものかと一瞬迷いましたが、とりあえず自分でその箱を開けてなぜ鍵が回りにくくなっているか見てから決めようと、いったん家に帰って開けてみました。
で、結論から言うと古くなったために(そして永年鍵を使っていたために)プロフィール(プロファイル)が磨り減って多少変わってしまってるんですな。
それならそのプロフィールの部分だけを変えるか、鍵のプロフィールを磨り減ったプロフィールに合わせるかで解決するはずだと、僕はその中に入っている板状のプロフィール(合計6枚。これの組み合わせで鍵のプロフィールが決まる)を自分で細工して変えてしまいました。

で、結果は絶好調全く問題なくスムーズに鍵が回るようになったのです。

このような場合メカに強くない人ならまず鍵が回らなくなった時点で鍵屋に電話をかけて、鍵屋に来てもらう。
で、鍵屋は絶対に「これはもう古いし磨り減っていますから新しいのと取り替えなければ」と言う。
で、出張代プラス新しい鍵に取り替えると400ドルプラス出張代で合計500ドル近くは行くのではないか。

この「鍵が400ドル」というのを考えていたら、娘のところのDVDプレーヤーや5.1チャンネルのスピーカー装置、それに母親のテレビ用の同じくDVDプレーヤーにスピーカー総て購入しても329ドルにしかならなかったというのを思い出した。

何度も書きますがこのDVDプレーヤー最新式のテクノロジーが満載で、それらのテクノロジーの開発費等を考えると、どうして僕が30分ほどの間にドライバーとヤスリで直せてしまうほど単純な構造の、無骨な鍵が400ドルと言う値段を取れるのか「本当に不思議に」感じてしまいます。

もちろん生産量が違うとかの色々な理由は承知の上で書いているわけですが、DVDプレーヤーなんてレーザーのテクノロジーから始まって、もう気の遠くなるような研究費と時間がかけられ、優秀な頭脳の人達によって開発されて来た物。
方や鍵の方は多分100年も前から全く基本構造の変わらない単純な機構のもの、僕でも作れるほと単純な構造。
だから僕は最初に買いに行った時に400ではなく40ドルくらいだろうと思って行ったのですが、まさにその10倍もしたので、考え込んでしまいました。

考え込んでしまう僕が「ヂヂイ」になってしまっている証拠なのか、それとも中国製品のお陰でこのような値段の異常なまでの格差が生まれている事を受け入れなければいけないのか。
このような格差はどんどん進んでいくでしょう。
そういう「現象」をうまく利用しないと同じ物を買っているのに自分の財布から消えていくお金の量にとんでもない差が生まれると思います。
この利用法、まあ「ミエ」を捨て去ると結構簡単だったりすると思います。



2003年7月4日

昨日まで書いてきた「物価」のお話、いい加減やめようと思ったのですが、今日の朝刊を見ていたらまた書きたいことが。

浦島太郎の僕には最近の日本の「車購入事情」には疎いので、今日の日記でオーストラリアについて書くことが、そのまま日本に当てはまるかどうかは確かでは有りません。

オーストラリアで車を購入する時には車両価格だけでなく取得税、登録料、強制保険 etc、諸々の支払いが生じます。
日本も同じだと思います。
で、この中に「デリバリーチャージ」と言うのがオーストラリアでは必ず含まれています。
ほとんどの人がその名称は知っているが実際に何を意味するのかは考えないようです。
じつはこの「デリバリーチャージ」と言うのは全くいい加減なもので、ちゃんと説明できる車の販売店は無いでしょう。

いや正確に書くと「ちゃんと説明」したら、お客とトラブルになるはずです。
新車をそのディーラーまで運んでくる料金なのでしょうか?
それなら港に近いところのディーラーと田舎では価格が違わなくてはいけないはずですが、すべて同じ。(オーストラリアの場合ひょっとするとノーザンテリトリーのワニがウロウロしているような僻地なら多少高いかもしれませんが)

またあるディーラーに言わせると、お客に渡す前に傷が無いか、オイルはちゃんと入っているか等のチェック代だと言います。

こんな馬鹿な事を平然と言う、というか当たり前で通っている事がまず「おかしい」。
皆さん電気屋にテレビを買いに行って、5万円と言う値札なので購入しようとすると、「ちゃんと映るか、また汚れてないか、チェックしますから、それは別料金で頂きます」っていきなり言い出すのと同じです。

で、もしお客が「いいよそんなチェック、どうせメーカーの保証が付いているのだから、ちゃんと映らなかったら換えてもらうだけだから」と言ったとすると「いえお客様、このチェック代を払って頂かないとテレビをお売りする事は出来ません」って言うのと同じ事が車の販売では当然のごとくまかり通っているのです。

で、今日の朝刊に出ていたのはその事ではなく、「メタリックペイント」についてです。
多分日本では車を購入する時に「どんな色」を選んでも値段が違うということは無くなったと思います。(昔はあった)
ところがオーストラリアではほとんどのメーカーの車はいまだに「メタリックペイント」が割増料金になっているのです。

どんな色でも値段は同じとして売っているのは「レキサス」だけで、他のメーカーでは車種によっては割増料金を取ったり取らなかったり。
またドイツ車のメーカーのよってはすべて割増料金が加算される。
で、オーストラリアで販売されている車の中で、割増料金の一番安いのはダイハツのYRVというタイプで$125ドルと書いてあります。
で、一番高いのはポルシェで$2590ドルだそうです。
このポルシェの場合、色をメタリック系にするというだけで日本円で18万円以上するのです。
この2590ドルと言うのは小型車の車両価格の四分の一に相当するのです。

ドイツの高級車たちは日本で販売されているドイツ車の価格と比較してもずっと高く、ビックリするほどの価格で売っているのに、メタリック色が「価格」の中に含まれていないのです。
それなら「黒」を選ぶと言っても、メタリックが多少入っているとか何とかいってやはり割増料金を払わせられる。

で、この記事が何を言いたいかというと、実は「白」以外メタリック色だろうが他の普通の色だろうが、塗料の値段は変わらないのです。
また塗装のやり方がメタリックだけ違うかというとこれもほとんどのメーカーでは全く同じ塗装行程を取ってるそうです。
メタリックカラーが車に初めて紹介された大昔ならいざ知らず、今や塗料代も塗装行程も同じなのに、なぜ(車種によっては)何千ドルも余分に払わなければならないのかと言う疑問から、この記事は色々調査して書いてあります。

メーカー側の説明の中にはメタリックペイントの場合は、アンダーコート(下塗り)のプロセスが違うからと説明しているところもあるそうですが、これも非常に「眉唾モノ」らしい。

つまり、これは完全な詐欺行為なのではないかと。
で、嫌ならメタリック色のを買わなければ良いとあるドイツ車のディーラーが言うので、「では割増料金の掛からない色は?」と聞いたら、「白色と赤
色」だけは割増無しだと言ったそうですが、その色なんてめったに在庫に無くて、買おうにも無いに等しい(僕はそのドイツ車(匿名)の白や赤今まで見たこと有りません)わけで、結局誰でも割増料金払わされるようになっているようです。

本当に不思議な事が「一杯」有ります。

それでは皆様良い週末を。


2003年7月5日

本日と明日(日曜日)の日記はお休みです。

良い週末をお過ごしください。



2003年7月7日

週末はウインブルドンの決勝はあるは、F−1のフランスGPも同時間帯に重なって、テレビにかじりついておりました。

結果は両方とも僕の期待通りには行かず、まことに残念。

昨年のウインブルドンで優勝したのがオーストラリアのレイトン・ヒューイットで、今年も同じオーストラリアのマーク・フィリプーシスが、と大いに期待したのですが、彼の欠点である精神面の脆さが出て、ストレートセットで負けてしまいました。
まあ決勝まで残っただけでも上出来だったとも言えますが、すでに彼はUSオープンで戦った経験があるだけに(ラフターに決勝で敗れた)もう少し落ち着いて戦えたのではないかとも思うのですが。
何しろコートにいよいよ出て行くという控え室でも、フェデラーは落ち着いているのに、マークはうろうろと落ち着き無く動き回って、完全にプレッシャーかかってるのがミエミエでした。
逆に優勝したスイスのロジャー・フェデラーなんてまだ21歳、初めてのグランドスラム決勝進出だったのに、実力を100%発揮していました。

このような大きな大会になると何度も言われているように結局は「精神面」の強さが全てと言っても過言ではないかもしれません。

テニスの話題と言えば、日本の杉山愛選手が全仏に続いてまたまた優勝、これは嬉しいニュース。
その上、僕の大好きな「オバサン」プレーヤー、マルティナ・ナブロチローワも混合で優勝して、グランドスラムタイトル獲得数の数を伸ばしました。
オメデトウ!! このオバサン50歳に近づいていますが、いったいいつまでこの強さを持続できるのか、恐ろしいほどではあります。
(もっとも、シングルスではまったく歯が立たないでしょうが)

さて、F−1の方は、僕のご贔屓「モントーヤ」選手が惜しくも2位。
チームが「オーダー」など出さなかったらすばらしいバトルが見えたのでしょうが、普段「オーダー」を出さないことで有名なフランク・ウイリアムスもモントーヤの過激な走りに恐れをなしたのでしょう。
何しろこの前のヨーロピアンGPでマイケル・シューマッハーを抜いたシーンを見ていると、両方が絡んで無得点なんてことになる可能性が有ると見たんでしょう。

このレース中のベストラップもモントーヤが獲得したくらいですから、他のチームのドライバー相手なら素晴らしいバトルが見えたこと請け合いでしたから。

さて先週の週末は久しぶりにダーリング・ハーバーにあるシドニー・カジノの前で行われている、「グローワーズ(生産者)マーケット」へ。
このマーケットは食料品の青空市で、主に生産者が自ら持ち寄って販売するものです。
毎月第一週目の土曜日に朝7時から昼頃までやっています。
特徴は「グルメ・フード」が沢山有ること。 決して安くはないのですが、野菜や果物は取れたてだし、「オーガニック」のも多く、僕が買った「りんご」はシドニーで買ったりんごの中で一番美味しいものでした。

じつはこのマーケットに行った目的は、オーストラリアの友人にこのマーケットで買った「WAGYU(和牛)」のステーキ用肉がメチャクチャ美味かったと言われたからでした。
何店かある肉の店の中に、「WAGYU」の看板を掲げているところが有ったので、早速サーロインステーキ用の肉を購入しました。
「霜降り」は日本の肉に近いようですが、まだ食べていないので味の方はどうだかわかりません。
オーストラリアでも日本風の「霜降り肉」が少しずつ広まり始めているようです。

これは高級レストランの有名シェフ達が素材として使い始めたのが人気を広げる理由のひとつになっているようです。
つまり今までのオーストラリア人の肉の食い方と言うのは、馬鹿みたいに「でかい」のをバーベキューで焼いて、塩コショウだけで食べるというもので、週に何度も食べるという人も結構います。
しかしそのような食べ方をしていると健康に良くない(コレステロールなど)と近年気がついて、消費量も減っています。

実際にこの「WAGYU」を今までのオーストラリア人が食べるように摂取していたら、この霜降りの脂のおかげで確実に命を縮めるでしょう。
日本では値段も高いこともあって、しょっちゅう食べるという事がないだけにあれだけ脂が混ざった「霜降り肉」でも良いわけです。

ところが最近の「有名レストラン」で肉の量はそれほど使わずにフレンチ風に美味しいソースなどと組み合わせて出すようになったので、オーストラリア人も量より質と気がつき始めているのかもしれません。

さてこの「グローワーズ・マーケット」他にも美味しいものを沢山見つけたのですが、またの機会に(マーケットの写真入で)詳しく報告いたします。


2003年7月8日

最近オーストラリアでは貧富の差が拡大し、その影響が「子供の体型」に出ているという。
IT革命という「大産業革命」の影響が出ているのか、いわゆる勝ち組みと負け組みの差がはっきりし始めて中間層が減っているのか。

ではどんな影響が子供の体型に出ているのかというと、「貧」の子供は「富」のよりも体重が多く、しかし身長は低いのだそうです。
貧と言ってもさすがオーストラリア、アフリカの貧と違って余計太ってしまうということなのですが、これはいわゆるファーストフードなど多くの脂肪分を含むジャンクフードの食べ過ぎの影響とか。

失業して国から失業保険(失業手当てか?)を支給されている人が、今の額ではとてもやっていけないとテレビのドキュメンタリー番組に出て、自宅まで撮影に来たカメラに向かって「文句」を言っているシーンがありました。
見ていたら、夫婦揃ってタバコは吸っているし、缶ビール片手に「愚痴」を言っている。 
横のテーブルには宅配のピザの食い残しがころがっていて、その夫婦共々しっかり太っている。

そのようなシーンを見せ付けられると、つくづくオーストラリアは物質的には豊かなんだと僕は考えてしまう。
彼らのような所得税を納めず、国から失業手当てを貰い続けている人がろくにエクササイズもせず不健康な体型で、タバコやアルコールを止めず、結局はオーストラリアの厚い国民健康保険制度の恩恵をより多く受ける。

逆に「富組」は仕事で忙しいのにジムなどに通って、体型に気を使いタバコは吸わず(オーストラリアはすごい禁煙率です)、酒を飲むにしても常識の範囲で楽しみ、と言うことは健康を損ねる率が減るので、医者にかかる回数も減少する。
医者にかかる回数が減ると言うことは、政府の医療費への負担が減るということである。

失業手当が少ないと言うなら(オーストラリアでは)異常なまでに高額のタバコを止めるなり、普段の食事にしても宅配のピザなんかよりも自分で作った方がうんと安上がりにでき、「栄養のバランスも取れた」美味い食事ができるはずなのに、失業中で「忙しい???」から手料理を作る時間が無いのでしょうか。

なんか狂ってるな〜と思いながら見ていたのです。
しかし、昨年までは完全に勝ち組みの国といわれていた「米国」の中でも確実に貧富の差がはっきりし始めていて、貧はどんどんと貧になっていっているようです。
で、米国では少なくとも自分の健康は自分で守るべきという考え方が強いために、国民健康保険制度についてはオーストラリアほど手厚くありません。

確か米国ではほとんどが民間の健康保険会社に加入することで、自分の身を守っているはずです。
つまり民間の健康保険に加入する金すら払えない人間は、病気になったら高い治療費に苦労したくないから、普段からの自分の健康を自分で管理すべきだという考え方なのでしょう。

IT革命が進むと確かに失業率は上がるでしょうが、これはもう避けて通れない部分で、しかし職種によっては依然人不足という状態にもなっていくようです。

オーストラリアでは最近の好景気で失業率がかなり下がって来ているといえ、ずっと10%あたりを続けていた国なのですが、そんな時でもちゃんと探せばいくらでも仕事が有った。
つまりこれは日本でも同じ現象でしょうが、3Kと呼ばれるような仕事をやるくらいなら、国から失業手当をもらい続けて、ビーチでサーフィンをやっている方が良いと考える若者も多い国です。

サーフィンで有名なボンダイビーチやマンリービーチへ出かけると、平日でもかなりの数の若者が波の乗っていて、彼らは若者同士ビーチの近くの安アパートに何人かでシェアーをし、まったく仕事をせず国から失業手当をもらいながら毎日波に乗っているのですから、これは一種の「プロのサーファー」かもしれませんが。

じつは先週の木曜日に我が家の「洗濯機」が突然壊れてしまって、修理をメーカーに依頼したのですが、いまだ来てくれません。
メーカー(MIELEというスエーデンのメーカー)の話では、我が家のある地域には3人の巡回修理サポートがいるそうですが、人手不足で忙しく、すぐに人を送るわけにはいかないという。
いくらでも仕事は有るんですよね。


2003年7月9日

オーストラリアに永年住んでいると、すっかりこちらのペースに浸かってしまうもので、職人さん達の「いい加減な仕事」というのも慣れてしまっていますが、昨日はさすがに僕も頭に来て、さてどうしてやろうかと思案中です。

事の発端は昨日の日記にも書いたのですが、洗濯機が先週に壊れてしまい、修理をメーカーに依頼したのですがいったいいつ来るのやら全く連絡が無いので催促の電話を入れたら昨日午後に若いニーチャンがやってきました。
ずいぶん若いなと思って聞いたらメーカーから下請けで修理を任されている(個人営業のようです)ところの息子だという。

その若さを見た途端に大丈夫かいなと思ったのですが、何しろ洗濯物は溜まる一方だし、若くてもちゃんと修理できれば問題ないのですぐに作業に取り掛かってもらいました。
洗濯機の修理はとりあえず水道の蛇口に繋がっている部分の栓を締めて切り離さなければならないのですが、栓を締めようとしたら永年洗濯機用に開けっ放しになっていたためか回り難く、手では簡単に回らない状態。

で、このオニーチャンいきなり大きなプライヤー(ペンチのようなもの)を取り出してそのプラスティック製の蛇口の栓にかまして無理やり回そうとしたのです。
もちろん結果は「バキッ」という音とともにその栓(というか取っ手というか)が割れてしまった。
で、ニーチャン今度はまた別のペンチをかまして蛇口の鉄の部分を回そうとしている。

もう見ていられないほど幼稚なことをやっているのです。
全く素人以下。 で、僕はすぐに止めさせて、僕自身の工具、と言ってもただの「モンキーレンチ」を持って来て簡単に栓を回して止めてやった。
その時のニーチャンのセリフがふざけてて「僕は水道工事屋ではないから、そういう工具は持っていない」と。
洗濯機を修理するのには当然水道の蛇口に繋いだりはずしたりはやるはずで、その上僕の「モンキーレンチ」を見てそういう工具は持っていないからと言い訳をする。

「モンキーレンチ」と言うのは工具箱の中にある定番ツールでそれさえ持っていないというのは全く言い訳にもならない。
しかし永年このようなスキルの無い職人に慣れてしまっている僕は心の中で「我慢我慢」ここで壊してしまったことに文句を言って揉めて帰られたら、また違う修理屋が来るのを待つ羽目になる。

で、洗濯機の問題はモーターの「ブラシ」がただ磨り減っているだけと分かり、そのニーチャン30分もかからずにその部品を交換した。
その時には僕は忙しく、女房にそばについているように言っておいた。
で、ちゃんと洗濯機は作動することを確認の上、その場で請求書を書くニーチャンに女房が小切手で支払った。
その時に「この壊れてしまった蛇口の取っ手はどうしよう?」と女房が聞いたらそのニーチャン「ソーリー」の一言で、しっかり工賃や部品代を受け取って帰ってしまった。 

で、ニーチャンが帰った直後にそのインボイスを見たら、何と足し算を間違えて「多め」に請求し、女房が小切手を切ってしまっているのに気がつきすぐに門の外に追いかけたのだが、修理屋の車は出たばかり。
全く「馬鹿者」で、物は壊すし、50ドル+70ドルの計算も130ドルと書いております。(全くトホホでしょ)
修理に来たやつが、まともな仕事をせずに壊したわけで、その壊した部品代を請求額から引いていくならまだしも、何と逆に必要に取って帰ってしまった。
しかしこの時点でもまだ我々は「我慢我慢」で彼の携帯に電話を入れて間違いを指摘し、戻って来いと言ったら(たった3分後に電話を入れているのに)「忙しいから次の仕事が終わった後で行くから」と言う。

で、その次の仕事というのは我が家から歩いても行ける距離のところだと言っていた。
しかし、戻って来なかったのですな〜。
今日は遅くなったから行けないとかの電話も無く、翌日になっても全く何も言ってこない。

何の連絡も無いのでとうとう僕は「業を煮やし」本社に電話をして事情を説明しました。
この「MIELE」というメーカー、オーストラリアでは最も高級品ということで販売されていて、値段もオーストラリアで買える洗濯機の中で最も高額。
ですから本社に話した時に「MIELE」は非常に気に入っているし確かにとても良い製品だが、このようなレベルの修理屋と契約して修理させていたら「MIELE」の名前が泣くのではと言ってやった。

担当者はすぐにその修理屋に連絡して調査しますと言ったきりこれまた連絡が無い。
とうとう頭に来た僕はすぐに銀行に電話を入れその小切手をキャンセルしました。
つまりニーチャンがその小切手入金しても、支払い拒否と言うことです。

で、これからどういう事が予測されるかと言うと、多分誤りにも来ないでしょう。 つまりそのまま二度と戻ってこないと言うか。
しょうがないから僕がハードウエアーの店に行き、壊れた取っ手を買って自分でつけました。

これがオーストラリアなのです。

2003年5月8日の日記に書いた「水の濾過装置」取り付けで、部品が足りなかったのでまた戻って来ると言ったきり何の連絡も無い件も今回とほとんど同じでした。
ところが2週間ほど前だったかに突然その濾過装置を取り付けた会社の経理から電話があり「いったいいつになったら支払いをしていただけるのでしょう」とむっとしたような調子の電話があったのです。

「ハア??? 足りなかった部品を持って戻ってくるからと言ったきり一ヶ月以上も何の音沙汰も無く、いまだちゃんと部品が取り付けられてないのに払えって言うの?」と言ったら、この経理のオネーサンかなり慌てたらしくすぐに「取り付けの担当者のボス」を直接送って来た。

これがオーストラリアのペースで、いちいちカリカリ来ていたら快適にオーストラリアでの生活をエンジョウイできないわけです。
限度というものは有りますが。

残念ながら移民の国の特徴というのか、特にこのような職人さん達のレベルが非常に低い。 
つまり100年も前から移民でオーストラリアに来た人達の技術レベルが低かったためにこのようなスタンダードが出来上がってしまったのではないか。
イギリス系オーストラリア人の友人曰く「イギリスで腕が良ければいくらでも仕事が有ってわざわざオーストラリアに移民で来る必要ないわけで、本国でまともに仕事をもらえなかったからオーストラリアに来たなんてタイプがかなり多くて全体のレベルを押し下げてしまっている」ってのもあながち誇張ではないかもしれません。

日本でも3Kを嫌うためにレベルが落ちなければ良いのですが。


2003年7月10日

昔の日記で書いたことがいったいどこにあるのか、いつの日記だったか忘れてしまい、今やページ数も増えて見つけるのに一苦労する事がしばしば有ります。
友人からも僕のHPの中に「検索機能」をつけたらというアイデアもいただいていたのです。
いろいろ考えているうちに、何と僕のHP内のほとんどのページが検索で有名な www.google.co.jp で見つけられる事を発見したのです。
僕の場合自分のドメインネームを取得して、ネット上で公開しているせいか、びっくりするほどGOOGLEのロボットが各ページを網羅しているのです。

これなら自分のHP内にそのような機能を付けなくとも、もっと簡単に検索できると知って、僕自身が自分のサイト内を調べる時に使うようになったほど。
例えば昨年に友人から古いポルシェを購入した時に日記に書いたのはいつだったかと調べる場合、その車の事を「例の彼女」と呼んでいたのでキーワードに「例の彼女」、そして日記の中に書いたので「日記」そして「ポルシェ」の3つのキーワードを打ち込む(三つのキーワードは繋げないでそれぞれスペースを空ける)と、見事にその日記が出ているページのリンクをGOOGLEは示してくれるのです。
試しに打ち込んでみたら最初の二つは僕の日記へのリンクです。
いや素晴らしい。

もし皆さんも何か調べたい場合には自分の調べたいキーワードを打ち込んでみてください。 ただしあまりにも共通するキーワードだけだと何千ページも表示されてしまいますので、他にも「日記」やもう一つほど打ち込めばかなりの確立で僕のページへのリンクが表示されるはずです。
で、もっと確実に僕のHPだけを表示させるために今後の「過去の日記」のページには必ず「by tom tanabe」というのも付けますので(2003年7月前半の日記を見てもらえば、トップにそう書かれているのが分かると思います)、GOOGLEに打ち込むキーワードに「tom tanabe」も入れたら余計確立が上がると思います。

だたし、GOOGLEに保存されている「キャッシュ」はすぐに変わらないと思いますので、昔の日記のそれぞれのページにこの「by tom tanabe 」を今から付けても意味が無いと思いますので、今後アップするものから順次付けていくという事で「2003年7月前半の日記」から始めた次第です。 

さて、
インターネットのアダルト系サイト利用した料金を銀行の口座に振り込まないと法的処置を取るというメールを送りつけ、金を騙し取る被害が結構増えているのだそうです。 
身に覚えのあるオトーサンが多いのか、じつは全く払う必要が無いのに、慌てて払ってしまう人が結構いるそうです。 

また、自分の銀行口座を勝手に使われて、知らない間に突然入金が始まって、何百万円も振込みがあり、びっくりして警察に届け出て、振り込んだ人に返金をした事件もあるとの事ですが、中には銀行間振込みではなく、現金で振り込んだ人もいて返金先が分からないとか。

この手の詐欺行為は本当に該当するアダルトサイトを訪れた人でなく全く関係ない人にまで、手当たり次第にそのようなメールを送ることによって、勘違いして振り込んでしまう人を目的にしているのだと思います。 
アダルトサイトに関係した「法的処置」と言われただけで、ビビってしまうと言うのもなんだかと思いますが、それだけ後ろめたい(と自分で思っている)事をやっているということなのか。 

で、このようなサイトに行かないのが一番良いのですが、中にはどうしても行ってしまうという「オトーサン」もいるはず。 
いやひょっとすると「オトーサン」ではなく、親に隠れてこっそりと未成年者がアダルトサイトを見ていて、親にバレてしまうのを恐れてお小遣いの中から払ってしまっている「坊や」もいるのかもしれません。

そこで僕の一番のお勧めは、ブラウザをインターネット・エクスプローラーではなく「タブブラウザ」と呼ばれるものにしてセキュリティを強化するということです。 
僕は一年以上も前からそのタブブラウザの中でも最も急成長の「Sleipnir」 というのを使用しています。 
この日本人が製作した無料(フリーウエアー)のブラウザ、本当に素晴らしく皆に勧めているのですが、何と先週のシドニー・モーニング・ヘラルド紙のITのページに紹介されていました。 

そうか何と外国にまで知れ渡るようになったのかと、僕はすごく嬉しかったです。 
いまやオリジナルの日本語版だけでなく英語版や確か中国語やハングルのもあり、これから世界中で普及するのではないかと思います。 
というのもマイクロソフト社は自前のブラウザ(この場合はインターネットエクスプローラー)の開発を数年後には止めるらしいとどこかのニュースで見たので、よけいこの手のタブブラウザが役に立つようになるのではないかと。 

興味がある方は「Sleipnir」のキーワードか「タブブラウザ推奨委員会」というワードで検索したらすぐに見つかると思います。 
タブブラウザ推奨委員会の方にはこのSleipnirだけでなくDonutなど他の(日本以外のも含む)タブブラウザが網羅されていて、その中から自分にあったのを使うとよろしいかと思います。 
とにかく一度使ってみたらすぐにその素晴らしさが分かると思います。 

PCへの負担は軽くなるし(特にウインドウズ98やMeを使っている方はリソースが減りにくくなるのでフリーズしにくくなるし)セキュリティーはバッチリだし、怪しいサイトに行くときには設定を変えて身を守ることもできるのです。 
またいつも行くサイトは専用のホルダーを作ってそこにお気に入りとして入れておけば、クリック一つで全てのサイトが同時に立ち上げることもできるように、自分の好みにカスタムし易いのが特徴です。 
またインターネットエクスプローラーから乗り換えも(お気に入りなどのブックマークなど)簡単に引越しできるのです。
で、インスト−ルといっても非常に簡単で、気に入らなければクリック一つで削除できてしまうので試しに使ってみるということもできます。 

Yasuyuki Kashiwagi というまだ21歳の若者が製作者のようですが、世界中で使われるようになると良いと思っています。


2003年7月11日

今日はPCの話です。
皆さん「モーバイル・ラック」というのをご存知でしょうか?

最近どうも僕のPCの挙動が不安定で、いろいろ調べていたら組み込まれているHDD(ハードディスクドライブ)が怪しい。
僕はこのPCを自作する時に、PC屋のジョンが他のHDDの方が良いと言うのを聞かずに、IBM社のDTLA-307045を選んだのが一昨年の事。
これは当時(2001年2月)日本のPC雑誌などを見ても「お勧めのHDD」ということで一番日本でも売れていたシリーズだったのです。

ところがそれから半年ほどして日本やアメリカで多くの不具合が報告され、アメリカの場合は消費者がIBMを訴えるという動きも始まったのです。
ただ僕のHDDは全く問題が無く、また同じ型番の製品でも生産地が違ったりして「当たり外れ」があるというようにも受け取れたので、あまり気にせず使い続けていました。
しかしHDDの寿命というのはPCの中に組み込まれている他のハードウエアーと比べても短い方なので、常に注意を払っていました。

最近になってPCがブートアップしてくる時になぜか固まってしまったり、どうもあまり今まで経験したことの無い怪しい動きを見せるようになっていたのです。
ところが偶然あるFAQ系のサイトで、僕のと同じIBMを使う人のHDDに問題が出ていて、「ファームウエアーを更新すべき」とアドバイスを受けているのを見て、僕はビックリしてしまいました。

いや別にビックリする必要は無いのですが、今までHDDのファームウエアーをアップデートするなんて考えてもいなかったからです。
CD−RWドライブ等は、ファームウエアーのアップデートが必要なことは度々聞きますし、実際に僕もリコーのはやっているのですがHDDは全く知らなかったのです。
早速PC屋のジョンに聞いてみたら、何と彼も知らないという。
「HDDのファーム・ウエアーを更新するの?」なんて逆に聞き返された。
で、ひょっとするとこの怪しい挙動が改善されるのではないかと、IBM社のHPから二つのツールをダウンロードして更新してみました。

ひとつはユーザーのPCの中にあるIBM社のHDDがこのファームウエアーアップデートが必要な機種かを判定するプログラムで、もう一つの方はDOSで立ち上げてインストールをするためのプログラムです。
この方はフロッピーに入れて、PCをフロッピーからブートさせファームウエアーを書き換えるものです。
簡単にアップデートは終わり、結構動きが軽くなったようにも感じますが何か決定的に違うというわけでもない。
しかし我が家には一応「富士通」を除く全てのメーカーのHDDが有りますが、今までファームウエアーの更新など聞いたこともやったことも無かったのです。

このようなファームウエアーが出されていることは、IBM側も改善する必要があるということを認めた訳ですが、当時アメリカで訴訟が起きた時には絶対に欠陥品ではないと主張していました。

で、今回このIBMのを引退させて(バックアップ用には取っておいて)「ウエスタンデジタル社」の80GbのHDD(キャッシュが8Mbのやつです)が安くなっているので購入し思い切って全て再インストールすることにしました。
と、同時にもう一つモバイルラックを購入し、今までのIBMのも繋ぎ計2台のHDDにしてみました。

じつはもう1年以上も前からモバイルラックを使っていたのですが、今回のように2台を上下に入れて使うのは初めてです。

プライマリーIDEケーブルに、2台のモバイルラックを繋ぎそれぞれのHDDのジャンパーセッティングを「ケーブルセレクト」にすることで、2台のHDDがモバイルラックに入る位置(上と下ということですが)でマスターにもなりまたスレーブにも変化するので、これはまことに重宝です。
こうすることで新しいウエスタンデジタル(以下WDと記す)のHDDに今まで使っていた重要なファイルなどがクリック一つで全て移動でき、もしIBMがおかしくなってしまっても全く困らないですむのです。

また音楽ファイルや動画編集などで大量のデータを扱う必要が出てきた時には、そのスレーブ側に繋いだIBMを他の大容量HDDに入れ替えれば良いだけなので、これもとても簡単。
値段も非常に安くケースと中のカセット(HDDを入れる)のセットでも$30ドル弱(2000円くらいか)スペアーのカセットなら1200円ほどですので、大いにお勧めです。

ハードディスクが古く容量不足を感じて新しくする時にもこういう風に使えば余計お得ですし、大事なファイルはその方にバックアップしておけばより安全、両方のハードディスクが同時に壊れない限り、リカバリーも簡単に行えます。
これがそのモーバイルラック、カセットごと引き出して他のPCに繋ぐことも出来、大容量のファイルを移すのにも便利です。

pc_2HDD_ed_01.jpg (20063 バイト)   pc_2HDD_ed_02.jpg (18636 バイト)

左の写真が上下に収まっている状態。 上から3番目と4番目です。
グリーンのアクセスランプが両方点いています。 カギがかかるようになっていて、間違って引き出してしまう事も有りません。
右の写真はそれを引き出しつつあるところ。 まるで引き出しのようでしょ。 上に入れるとマスターになり、下のはスレーブになります。
で、下のケース(引出し)に入っているハードディスクにOSがインストールされていれば、それを上に入れればマスターとして使えます。

今新たにPCを買えばUSBも2になって早くなっているので、外付けのハードディスクケースを買うという手も有りますが、なぜか外付けのタイプは安くないし、マスターとスレーブの自動入れ替えが効かないので、僕はこれがお勧めです。 


2003年7月14日

今日は陸、海、空の生き物の話。
小説メルヴィルの「白鯨」(または映画のグレゴリーペック主演「モビーディック」)は皆さんご存知ですが、その「白い鯨」がグイーンズランドはゴールドコーストの海岸に出現、地元オーストラリア人を大いに喜ばしております。

オーストラリアは今真冬で、鯨は南極から暖かい潮を求めて北上してきているのです。 日本語で北上なんて書くと、余計寒いところに行くイメージですが、南半球では北へ向かうという事は暖かくなるという事。
もう何年も「白鯨」が通ると地元では話題にはなっていたらしいが、今回のようにゴールドコーストの海岸付近に留まって、遊んでいるのは初めてで、多くの人達が見物に出かけているようです。
見ると本当に真っ白で、イルカなどでもたまに見かける全く色素が無い「白子」のようです。

日本では「タマちゃん」というアザラシが大人気を集めていたように、珍しい「白鯨」のニュースはオーストラリア人の心を和ましておりました。

さて、「海」の次は「陸」のお話。
カンタス航空の国内便の機体内にネズミが一匹いるのを見かけたのだが、いくら探しても隠れて出てこない。
ネズミが貨物室などに隠れてしまっているのだが、中の配線などをかじってしまったら、操縦不能になる可能性もあり一大事。
ところがあらゆる手段を講じたが一向に見つからない。 
凄腕の猫を雇ってきてそのネズミを退治させるという手は使ったのかどうか分かりませんが、とうとう航空会社では最後の手段に出た。

それは機体を完全に密閉して中に二酸化炭素を充満させしばらく置いておいたそうです。
結果は大成功で、あれだけ見つけるのに苦労したネズミが息を引き取っていたそうです。
それにしてもネズミ一匹にずいぶん時間と費用がかかったものです。

最後は「空」のお話。
昔の日記にシドニーは自然が残っているのはよいが、日によって野鳥の鳴き声がひどく早朝に起こされてしまう事が度々あると書きました。
これは季節にもよるのでしょうが、冬は比較的静かではあります。
野鳥の種類もカラス、鳩、クカバラ、マグパイ、ワライカワセミ(これがカラスと並んで一番すごい鳴き声です)他にも多くの種類の鳥が。

で、先日終わったテニスのウインブルドン大会を見ていたら、常に試合の邪魔をして困っていた鳩をテニス会場から追い払う事にしたのですが、その方法とは何と「鷹匠」を雇う事だったのです。
つまりトーナメントの時だけ、鷹匠に駐在してもらいウインブルドンテニス会場を「鷹」にパトロールしてもらうというもの。
これがもう効果「バツグン」、今までならセンターコートの一部に常に何百羽と群れていた鳩が一羽もいないんですよね。

僕は即座に「鷹を飼う!!!」って女房に言ったのですが、どうやらオーストラリアではこのような野鳥は個人で飼育を認められないらしい。
ウインブルドンのテニス会場で鷹匠の腕に乗っている「鷹」を見たらすごくかわいいし、頭も良さそう。
う〜んなんとか、手に入れる方法はとマジで考えてしまいました。


2003年7月15日

女房は「オバサン・テニス」のコンペ(という言うかリーグ戦です)に毎週熱心に参加してます。
個人戦でなく1チーム4人のチーム対抗戦なのですが、女房は今のチームに入れてもらってから、チームのメンバーと非常に馬が合い、テニスばかりでなく、いろいろ付き合いが有って大いに楽しんでいます。

チームの4人全員がほぼ同い歳のオバサン達なので余計違和感が無いのか。
そのチームのメンバーの一人に「ケイティー」がいます。
彼女にもわが娘と同い年の一人息子がいて、大学でコンピューターを専攻しアメリカに本社のあるサンマイクロシステム社に就職したのですが、最初の仕事が日本への出張でした。

サンマイクロシステム社に就職が決まってすぐにアメリカに呼ばれ、シカゴ本社(?)でのトレーニングを終えオーストラリアに戻って間もなく、日本にある「メ○○リンチ」のシステム構築のために約一ヶ月の出張を命じられたのが先々月の事。
ガールフレンドをオーストラリアに残しての単身赴任で、日本語も全く分からず最初の一週間はかなり寂しがっていたようですが、少しずつ日本での生活のペースにも慣れ、最近は大いにエンジョウイしているようです。

何しろ会社が用意してくれたアパートが「麻布十番」に有るようなので、彼のような若い人にはとても魅力的なんでしょう。
ちなみに僕が1974年に日本を出るまで住んでいた六本木からも近いが、当時とはずいぶん変わってしまっているでしょうな。

さて、彼は約一ヶ月という限られた出張のために、日本にいる間秋葉原などへ行ってオーストラリアよりも安いパーツなども購入したりで、常に多目の現金を財布の中に入れていたのですな。
オーストラリアではほとんどがクレジットカード決済ですから、麻薬の売人かなんかで無い限り10万円単位の現金は財布に入れて持ち歩くというのはマレです。

で、先日彼は非常に混雑した駅で切符を買おうとしたら、財布が無い事に気がついた。 揉み合うほどの混雑で、「スラれてしまった」と大ショックすぐに交番に行ったのですが、オーストラリアの経験から絶対に出てこないとすぐに諦めて各カード会社に連絡、全てをキャンセルしてもらった。
中には現金以外にも免許証などが入っていたので、すっかりしょげていたのですな。

ところが帰宅した当日の夜警察から連絡が入り、財布が届けられたと。
すぐに警察に駆けつけたら、何と現金までそっくり全て入ったままで届けられていた。
これには彼は大感激し、「日本は素晴らしい」って惚れちゃったようなのです。
その話を聞いた母親のケイティーまでが、「信じられない、日本は素晴らしい」ってこちらがくすぐったくなるほどなのです。

たった一ヶ月の出張でそのまま帰ってくれば、日本のイメージはメチャクチャ良いまま彼の心の中で生き続けるでしょうな。
もちろん僕は「それは運が良かっただけかもしれない、日本だって正直者ばかりとは限らない」とは言っておいたのですが、しかし確かに出てくる確率はオーストラリアよりも高いかもしれません。

もちろん「日本」と「オーストラリア」というような比較は正確ではなく、東京とシドニーと比較した方が良いかもしれない。
地方の方が出てくる確率が高いとも思うし。

僕が若い人のお世話をしていた頃は、日本から到着したばかりの人達に僕の名刺を必ず渡していました。 名刺は英語で、シドニーの僕の住所や電話番号などが入っています。
じつは正直者のオーストラリア人は沢山いるのですが、日本語を読める人はほとんどいない。
日本から来たばかりの人の財布なんて中にあるのはお金と日本の連絡先とか日本のクレジットカードなど等ほとんど日本語で書かれている。
日本の免許証を見てもオーストラリア人が絶対にそれが日本の運転免許証だって判る手がかり全く無いです。 たしか英語はひとことも入ってないはず。

拾った人は中を見てもそれが日本語なのか中国語なのかなんて見分けさえもつかない。 警察に届けても警察でもすぐには日本語だとは判断できる人はいない。
その上、オーストラリア人はこのような場合(よっぽど額が大きくない限り)警察を信用していない。 警察がネコババしてしまうというよりも、すぐに動いてくれそうに無い、つまり落とした人がすぐに最寄の(交番は無いので)警察署に届け出ても、偶然拾った人が届けた警察署と同じでない限り、警察の書類処理が非常にとろいのか、落とした人に警察から見つかったよと連絡が入ったなんて事は聞いた事がありません。

ですから拾った人は、自分で財布の中に連絡先が無いか調べる。
そこで僕の名刺が生きてくるわけで、僕の名刺のお陰で落とした財布が僕の事務所に届けられたという事は随分有りました。
ほとんどがまず僕宛に電話がかかってくるパターン。 中にはわざわざ電車に乗って僕の事務所まで届に来たオバサンもいましたっけ。
この辺の親切さは日本以上ではないかと思った事があるほど。

しかし残念ながら、現金まで手付かずで出てくるというのは日本の方が上かも知れません。(もちろんオーストラリアだって有るが確率的に)
というのもわざわざ拾って届けてくれる場合でも、すでに誰かが中の現金を抜いてしまった後を拾ったりする事が結構あるからです。
しかしそれでも現金はそれほど入っていなくて、大事なアドレス帖などが出てくるのですからやはり大いに感激していたものです。

ケイティーの息子がどこで財布を落としたのか(ケイティーは麻布十番という地名さえ言えないので)分かりませんが、最近は六本木あたり日本人以外も沢山いて、なかなか昔の日本ではなくなりつつあるようです。
しかし今回のように外国人が短期的に日本にいて、このような経験をすると「日本」の印象は良くなるでしょうな。

日本から外国に旅行に出かける際は、英語(一応万国共通語ということで)の連絡先を書いた紙を必ず入れておく事をお勧めします。
拾った人のせっかくの好意を生かすためにも。 

 


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