2004年6月前半の日記

by tom tanabe                                         マグパイへ戻る


2004年6月1日

まずはじめに、5月27日の日記に書いた給水制限、月曜日と日曜日を取り違えておりました。
正確には「日曜日、水曜日、金曜日」の3日間だけ、午前9時前か、午後5時以降の散水が許されています。

さて、
マイクロソフト社のOS、「ウインドウズ」にはセキュリティーの穴が多いのは十分承知なのですが、以下のようなページを見ると、何だか考えさせられてしまいました。
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;827315
つまり何も考えずに(まあこれが普通のはずなのですが)ウインドウズを使って、インターネットサーフィンをしていると、いつの間にか、「スパイウェア」や「アドウェア」を仕込まれてしまう。
自分の設定した「お気に入り」のホームページアドレスが勝手に書き換えられてしまったり、エロサイトなど危ないサイトに飛ばされたり、はたまたダイアルアップで接続している場合は、高いダイアルQ2に飛ばされて、ビックリするような請求が来る。

またスパイウェアなどは、あなたの情報を勝手に収集されたり、PCは不調になったりと、ろくな事が無い。

これらの問題についてはOSを製造販売したマイクロソフトが、ウインドウズの中に対策プログラムを組み込むべきなのに、現在はまだユーザーが面倒くさい作業で削除しなければならない。
それでも効果が無い場合は、マイクロソフト社とは全く関係の無い第三者が作った「フリーソフト」で何とかしてくださいと書いてある。 
その上、それを使用して不具合が出ても責任を負いませんと言われると、何だかな〜と。 

上記のマイクロソフト社のページの下の方に「自動削除ツールを使用する」という項目があって、僕も良く使う「AD-AWARE」や「SPYBOT Search & Destroy」等の定番フリーソフトウエアーが紹介されています。 
こういうものこそマイクロソフト社が自社で開発して、無料でOSに組み込むべき物だと考えます。 
その上、紹介しておきながら「責任は負いません」って。 

またマイクロソフト社のサポートのページには元の英語の文書を日本語に機械翻訳させて、そのまま載せているのがあって、書いてある事(日本語)が、「何が何だかわけ分かんない」状態。 
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;JA;172694
↑のタイトル、皆さんは↓の日本語の意味判ります?

「何も一意のインデックスであまっちょろい同時を使用していないあるをロックします。」

↑意味判ります? 全然日本語になってないでしょ。
「あまっちょろい」なんて天下のMS社のホームページで書かれちゃうと、何だか、再び「ため息」。 
これは機械翻訳だと断ってはいるけど、ここまで酷いと最初から英語のままで載せてる方が良いのではないか、もう日本人に失礼ですよね。

そういうことで僕はウインドウズについてくる、インターネット・エクスプローラーは使わず、日本製のブラウザ「Sleipnir」を使用しています。
勿論無料「フリーウェアー」で、僕の評価ではIEの設定をそのまま受け継ぐブラウザの中では世界で最高の(タブ)ブラウザだと思っています。
それぞれのセキュリティーの設定を自分の好みで自由に設定できるので、非常に安全で、たまに危ない「オヂサン」用のサイトに遊びに行っても、安心です。
インストールでレジストリーもほとんど汚さないし、嫌ならフォルダーを削除するだけ、是非皆さんもお試しください。(興味のある方はGOOGLEでSleipnir と打ち込めばすぐに配給元が見つかりますよ)

こういう素晴らしい出来のフリーウェアーやLINUX等のOSを見ると、時代の変化は近い将来にきっと訪れるだろうと確信しています。


2004年6月2日

本日に日記は、都合によりお休みいたします。
一日中出かけていて、今(夕方6時)帰宅、15分後にまた外出という調子で書く時間有りません。
明日その分も書く予定です。
では


2004年6月3日

今朝目覚めると、久し振りに雨がしとしと。
いや〜嬉しいです。 この嬉しさはロンドンに住んでいる時にどんよりした曇り空ばかりの毎日で、時より目覚めた時に素晴らしい快晴の青空を見た時にも似ています。 
あまりにも長い事雨が降らず、水不足で苦しんでいると、全く逆の事で喜べてしまうのです。 

水源地の水量が増えるほどの雨脚ではないけれど、少なくとも我が家の庭の木々には多少の潤いを与えてくれると期待しております。
何しろ、本日は散水禁止の木曜日だし。
と、ここまで書いていたら雨はすっかり上がってしまい、また青空が戻って来てしまいました。(ため息)

さて、
今日の朝刊、シドニーモーニングヘラルド紙を見ていたら、新たに「ECO」というページが加わった事に気が付きました。 
時代の流れなのか、環境問題を考えるためのページのようです。 
そして本日の特集は古紙処理の問題等が取り上げられていました。 

で、ECOのページをめくり始めた僕は、小さな写真に目が止まったのですが、最初それが何の写真なのかすぐに気が付かなかった。 
写真が小さかったせいもあるのですが、あまりにも奇怪な形だったので。その写真がこれ↓です。(クリックすると大きくなります)


 TURTLE_edit_01.jpg (34404 バイト)

Text: Carol Hester, Audobon Institute and Audubon Zoo. Photos: © Dino Ferri (sideview) and hospital staff at the Aubodon Zoo hospital (x-ray image)

最初にこの写真を見た時に、「亀」かなとは一瞬思ったのですが、しかし胴体の「くびれ」で、「えっ」となった。
これはこの亀がまだ子供の頃にプラスティックの輪が体に巻きついてしまったためのようです。
人間が「ポイ捨て」したプラスティックの輪(ベルト?)がちょうど胴体の所に絡んで取れなくなり、亀はずっと水中で生活していたから、そのプラスティックも強度が落ちずに切れず、哀れこんな残酷な姿になってしまったわけです。
詳細は↓のホームページに出ています。
http://marine-litter.gpa.unep.org/framework/en_turtle_New_Orleans.htm

人間が撒き散らすゴミのために、このような残酷な事は随分起きています。
釣り針が刺さってピアス状態の野鳥、水中に捨てられたつり用の錘(おもり)を、食べてしまい鉛中毒を起こして死んでしまう水鳥。
釣り道具といえば、テグスや漁業用の網に絡まって死んでいく野生の生き物は多いです。
確か日本で話題だった「タマちゃん」にも確か釣り針が刺さっていたんではないでしたっけ?(僕の記憶違いだったかな?)

オーストラリアで販売されているミルクのボトル(ペットボトル)のキャップの色は中身のミルクの種類(フルクリームや低脂肪とかの)を見分けるために色がついているのですが、ブルーの色は鳥達が好む色だとかで間違って飲み込んでしまわないように他の色に変えようという動きもある。
特にプラスティック系のゴミというのは、中々自然に戻らないので多くの問題を引き起こしてるでしょ。

この新しく始まった環境を考えるECOというページを見ながら、地球環境の事を色々考えさせられました。
この亀の写真、僕にとってはイラクの捕虜虐待の写真以上にインパクトありました。 


2004年6月4日

SBSという「マルチ・カルチャー」テレビ局で、放映された「KT」という映画を見ました(録画で見たために一日遅れ)。
2002年作品 原作は中薗英助の小説「拉致」
日韓合作映画(ポリティカル・サスペンスというらしい)
阪本順治監督 李鳳宇プロデュサー。

一体どんな映画か全く知らずに録画しておいたのですが、これがかなり傑作でした。
大して印象に残らない作品なら僕の日記では取り上げないわけで、僕の評価では「星4つ」かもしれない。
皆さんの中には「金大中」という元韓国大統領をご存知の事でしょうが、彼が日本滞在中にKCIAに拉致された事件は(1973年)、知らない人が多くなっているでしょうな。
この映画のタイトル「KT」というのは、「金大中」のイニシャルと言うか愛称。 よく韓国人の中には、ニックネーム的にKTとかKJとか呼ぶ事が多い)とも、またこの拉致、暗殺計画のコードネームとも言われているらしい。

1973年といえば、僕が英国に移り住む前年でした。
この映画では「三島由紀夫」の市谷自衛隊乱入、割腹自殺事件も登場するが、当時すでに日本の大学に留学していた我が女房も、この両方の事件の事ははっきりおぼえています。
ですから、女房にとってもこの映画「KT」とても興味深い作品だったようです。

「金大中」拉致事件の後、僕は日本を離れてしまったためも有って、事件の真相やその後の展開などほとんど知らなかった。
今回、あらためてこの映画を見て、なるほどと思う事も多く、はたまた想像はしていたものの、これほど闇の部分が複雑に絡み合っていたのだと知って、複雑な気持ちでもあります。
多分、この映画のストーリーはかなり真実に近く、まさにドキュメンタリーといっても良いほどだと思う。
ちなみに、インターネットでこの映画について検索したら、金大中自身がこの映画を観賞した後、「この映画を見ると、拉致事件の真実はまさにこれではないかという気がする程でした」とコメントしているそうである。

しかしそこは政治家、本当の真相は金大中自身の口からも発表されず、彼はこの事件を政治的取引の材料にさえしているのではないかという話も有る。
また、劇中佐藤浩市演ずる、「富田満州男という日本人自衛官」、これもフィクションかもしれないが非常に微妙ですな。
想像するに、日本政府もしくは自衛隊の一部がこの拉致事件に荷担していたという可能性は大いに有りうると。

結局この事件によって主権を侵害されたと(建前上)主張する日本は、韓国に厳重抗議して国際問題に発展しました。 
現場から駐日韓国大使館一等書記官・金東雲の指紋が発見されたことから、事件に対する韓国政府の国家関与は明白になったというわけです。 
しかし結局、日韓双方が政治的に妥協して「金東雲の個人的犯行」ということで真相はうやむやになってしまったのです。
考えてみても、大使館の一等書記官が誰にも命令されずに、このような事件を起こすわけ無いでしょ。
つまり裏取引で、金東雲に全て被らせたわけですけど、一体彼は今生きてるんですかね。(この映画を見ると彼がなぜ現場に指紋を残したかが判ります)

それにしても、この映画日本では成功したのでしょうか?
何しろネットで検索していたら、日韓合作映画なのに、韓国ではたった一週間で上映打ち切りと、興行的には惨敗だったそうです。
日本だけでなく、韓国の人達にも本当に大事な内容が含まれているのに、「一週間で打ち切り」なんて、とても残念ですな。

こういう映画を見ると、今の北朝鮮と日本政府の「交渉」なんてのも、どこまで信じて良いのか非常に懐疑的になると思いますよ。
所詮、政治の世界なんてそんなもんなんでしょうが。

では皆さん良い週末を。


2004年6月7日

この日の日記は事情により削除いたしました。
理由は6月8日の日記に説明してあります。
オーストラリアの著作権法を詳しく調べてから、またアップするかもしれませんが。


2004年6月8日

昨日の日記に書いた、コピーコントロール付きのCD件について日本の友人からメールを頂きました。
自分が購入したCDのバックアップを作るために、コピーしても著作権法違反になるとの事です。
ですから昨日の日記のように公に書くことはまずいという指摘を頂きました。
そこで昨日の日記は削除いたしました。
昨日の日記には娘が車に載せて置くために大事にしているオリジナルのCDのバックアップのために、コピーを作って欲しいと僕に頼んできたという内容です。

日本からもらったメールには日本の事情が書かれているのですが、ここはオーストラリア、著作権法も多少の違いは有ると思います。

じつはオーストラリアでは著作権については非常に厳しい。
何と(いまだに)テレビの番組をビデオで録画しても、著作権法違反になるのです。 たとえ個人が自分が見るために録画したとしても。
そんな厳しい法律なのですが、録画したからいって捕まった人は誰も
いません。
もし捕まえるなら、オーストラリア人ほぼ全員が「お縄」になってしまうでしょうな。
ではなぜ捕まらないのか。
それは、ある特定の理由の場合には、「セーフ」という「穴」がちゃんと開いてるからです。
その「理由」には何種類か有って、裁判での証拠として使うというのから始まって、アカデミックな比較検証のために使用する、他にも色々有ったのですが(すぐに思い出せない)とにかく、例えアホな内容のバラエティー番組でも、自分の研究で比較検証するなどと言えば「OK」ということになってしまうのです。

まあ昨日の日記のCDコピーと録画は違うけれど、とりあえず著作権侵害という意味では同じかと。
とりあえずこの件はもう少し良く調べてから書きます。

さて、
さて、洋弓にすっかりはまってしまっている僕ですが、とうとうそれをビジネスにしようと動き始めてしまいました。
思いっきりマイナーなスポーツ、ましてやオーストラリアの人口なんて日本の8分の1程度、このビジネスで儲かるなんて毛頭考えていないのですが。
先般、日本から全豪大会に出場した選手と一緒にブリスベンに行って、日本のアーチェリーのメーカーの話などを聞かせてもらっているうちに、それらの世界に誇れる良い商品が、当地ではほとんど知られていない事に気が付いたのです。

例えば、AREというアローレスト(矢を「つがえる」時に受けとめるもの)はとても良い製品で、オーストラリアのオリンピックティームも全員がこれを使用しているほど。
というかナショナルティームの方でこれを使用するように指定されているらしい。
しかし僕も周りにいるオーストラリア人のアーチャー達でAREの事を知っているのはほとんどいない。
シドニーに何軒かある洋弓のショップでも、これを扱っている所は無い。
そう、シドニーでは買う事も出来ない。
オーストラリアで購入するには通信販売しかないが、だいたいその商品知らないのでは、誰も注文しない。
また、知っていても実際に見て買いたい人も多いはずなのに、と言う事で僕が輸入してやろうかと考えたのが発端です。
しかし多分、オーストラリア人のアーチャー全員に売ったとしても(そんなことは不可能ですが)その儲けなど全く高が知れていると思っています。

ではなぜそんな事をするのか。
まあ趣味が嵩じてというのも有るが、日本とオーストラリアのアーチャーの交流を目的に、その足がかりにしようかなと。
つまり先日の全豪大会に出場した選手のように、もっと日本の選手もオーストラリアの試合に出場してもらいたいと。
オーストラリアでは日本以上にアーチェリーはマイナーなスポーツですが、しかしオーストラリアを代表してオリンピックに行くような選手のレベルは非常に高いです。
2000年のシドニー五輪でも金メダルはオーストラリアの「サイモン・フェアーウェザー」選手でした。
そのサイモンでさえ今回のアテネに行くのに「やっと」3人の枠に入れたという状態。
それほどレベルが高いので、是非世界を目指す日本の選手にもオーストラリアに来てもらいたいと。
海外でトップアーチャーと対戦なんてとても良い経験になるのではないかと。
同じような事は僕がカートでレースに出ていた当時にもやってたんですよね。
日本の若い選手が世界の強豪相手に戦うために日本からオーストラリアへ来るのを援助してました。

そんな事で、これから長い事僕の趣味として付き合っていくつもりのアーチェリー、その交流を広げるためにも、ここはひとつビジネスも含めてと。ですから、上記の「アロ−レスト」以外にも色々良い商品をオーストラリアに紹介したいと考えております。

さて、下の写真はそのシドニー五輪金メダル獲得のサイモンの「お道具」です。
ブリスベンの全豪大会で休憩時に彼が僕の前に置いていったので、持ってたデジカメで「スナップ」。
手前の三脚の脚にかけてあるのが、彼の矢の入ったクイーバ(矢筒。これも日本製)と、チェストガード(日本製)。 ベルトには彼の名前が入っています。
この写真ちょうどテントの紐等と重なってしまい、かなりゴチャゴチャしてしまっていますが、彼のホイットせい弓には彼特製(?)のセンターロッドに常設されたサイドスタンドが。 そう、そのサイドスタンドでこのように立てて置けるのです。 
で、このサイドスタンドつけたまま彼は射ってるんですよね〜。

それにしても、洋弓に興味のない方にはつまらない写真だろうな〜。

SIMONF_edit_02.jpg (43417 バイト)



2004年6月9日

本日の日記は都合によりお休み致します。

 


2004年6月10日

このところ大分落ち着いてきたシドニーの不動産ブームですが、我がご近所でも相変わらず売買は盛んに行われているようです。
我が家のお隣さん(正確には斜め前に当る)の家も半年ほど前に売りに出てすぐに買い手が付き、現在は賃貸として借家人が住んでいます。
偶然その家を買ったのは、我が娘の幼稚園から高校までずっと一緒だった同級生の親でした。

それを知った時に一瞬「これはまずい事になる」のではないかと思ったのですが、現実の物になったのです。
なぜ「まずい事になる」と考えたかを説明します。
実はその同級生の父親は有名な不動産開発の会社を経営していて、オフィスビルのような大きな物だけでなく、個人用住宅などを購入しては再開発し、価値を上げて売るという仕事をしているのです。

ですから、僕は「彼」が買ったと知った時に、すぐに再開発のプランが最寄の区役所に出され、またまた建築工事の騒音が始まるだけでなく、我が家の部屋から見えるシドニーハーバーの見晴らしの一部も失うような事になるのではないかと考えたからです。
その予感は不幸にも100%当ってしまい、区役所から「建築申請が出ていますが、それに対して不服とする方は申し出てください」と言うような手紙が我が家にも来たのです。
手紙はその家の両隣など前後も含め隣接する5軒に出されていました。

さっそく区役所に出かけて設計図面を見ると、モロにその見晴らしを失ってしまう設計なんですよね。
その上、もう一軒のお隣さんも日陰は増えてしまうし、我が家よりももっと影響が大きい。
間もなくそのお隣さんが僕らに連絡してきて、「建築反対」を一緒に申し立てましょうということになった。

我が家とそのお隣さんそれぞれが、区役所に「Objection(異議申し立て)」を文書にして提出しました。
それに対して区役所の担当官が検証のために我が家を訪れたのが2ヶ月ほど前の事です。
区役所では我々の異議が正当であると判断をして、その建築申請に対して不許可の裁定が出されました。
もし僕が、その申請を出している人間がディベロッパーであると知らなかったら、区役所の「不許可」決定を単純に喜んでいたと思います。

しかし、この手の再開発を商売としている海千山千の連中というのは、区役所の裁定なんて「屁でも無い」ですよね。
それを知っている僕は、さて次にどのような手段に出てくるだろうかと考えていました。
こういう連中というのは例え何百万円の費用がかかろうとも、区役所の裁定(建築不許可)に異議を申し立て、裁判で闘うであろうと考えていたら、これまた僕の予想は見事的中(いやはやため息出てしまうんですけどね)、彼はお抱え弁護士を使い、Land and Environment Court (日本でなんて言うのか判りません。 とりあえず「土地」と「環境」専門の裁判所です)へ、区役所の裁定を不服として異議申し立てをしたのです。

ということは、今度は区役所(我々側と言っても良い)も土地及び環境裁判所で行われる裁判のために弁護士を雇い、本格的に裁判闘争が始まったのです。
だいたい、この手のディベロッパーでなければ、異常なまでにかかる費用を使って裁判所に訴えるなんて普通の人はやらないわけです。
で、本日その裁判所の裁判長(? 環境裁判の場合はジャッジではなくコミッショナーという)が自ら現場に来て検証が行われました。

つまり僕らの建築反対の主張である「見晴らしを失ってしまう」や日陰になってしまう(お隣さんの主張)などは、現場を実際に見なければ判断できないでしょ。
ですから「裁判」といっても、この手の裁判は建築等を専門にしているコミッショナーと呼ばれる人が実際に現場に来て、双方の弁護士、それに建築を設計した事務所の人間や測量士、また我々のように隣接する家に住み建築反対を申し立てている人間を一堂に集め、その場でそれぞれの建築反対理由を元に検証を行うのです。

そして下につけた写真のように、実際の設計書に沿って「木材」でその部分を仮設し、どの程度のインパクト(影響)が有るかを判断するわけです。

実は本日まで僕らはあまり勝ち目がないと考えていました。
何しろこの手のディベロッパーの建築申請に対して区役所が許可を出さないと、この裁判に持ち込まれる可能性が高く、区役所としては弁護士などを雇わなければならないし(その経費は区民の税金から)万が一負けたら、区民の金を無駄にしたという批判さえ起きかねない。
区役所の担当官達の時間も取られるし、経費も掛かるので、今まで区役所はその迷惑を被る隣接する人間達だけが泣き寝入りをすれば簡単に丸く収まるという、とても消極的な考え方が支配してきたのです。

ところがここ数年、不動産ブームもあってこのような必要以上の再開発が盛んに行われるようになり、多くの批判が出るようになってきたので、区役所も多少考え方を変えたようです。
ですから最初に我々が異議を申し立て、区役所が建築申請不許可の裁定を出したした時には結構ビックリしたのものです。

で、本日の結論を書くと我々の全面勝利の終わり、結局環境庁もこの建築申請を却下したのです。
まさか本日コミッショナーが現場に来てその場で裁定が出されるとは予想もしていなかったので、ビックリしてしまいました。
結局我々が失う「見晴らし」と言うのが、却下決定の最大の理由でした。
我が家も我が隣人達も大喜び、午後には皆で「シャンペン」を抜いて祝ったほどです。
環境庁も大分、企業よりから州民(個人)寄りに考えるようになってきたようです。
Build_ed_01.jpg (27716 バイト)

この写真ではアングルの関係で、失う見晴らしの部分がほとんど見えません。 PCにダウンロードしてみたら、ハーバーの見晴らしが良く判らない。
で、もう一度撮影しようとしたら、裁判で負けたディベロッパーは即座にこの仮設の木材を取り去ってしまったのです。

実は部屋から撮影した方がもっとはっきりわかるのですが、部屋から撮影するとガラス(その部屋は湾曲ガラスなので)に反射してしまって、画像が綺麗に出ません。
とにかくこの写真で見ていただきたいのは、現場検証のために材木で仮の屋根などをつけて屋根に乗せている部分。
その部分を2階建てにする計画だったわけで、この部屋からはもろにシドニー湾が見えなくなってしまいます。

まあ我が家の場合は屋上に上がればシドニー湾は一望なのですが、部屋からの見晴らしの方が大事だと主張しました。

一応「めでたし」の結果でほっとしておりますが敵はディベロッパーまたまた新たな手を考えている事でしょうな。


2004年6月11日

先日僕のアーチェリーの先生、イタリア出身の「トニー」と、リバプールにあるアーチェリークラブの「のどかな」フィールドで練習をしている時の事、最近の雨不足で芝がすっかり赤茶けてしまい、枯れかかっている話になった。

もうシドニーでは「永遠に雨は降らないよ。 そのうちシドニーは砂漠になっちゃうよ」と冗談ともつかない調子でトニーが言う。
水不足の話題はこの日記で何度も触れているけれど、そのトニーの言葉を聞いた時に、先日のヘラルド紙に出ていた記事を思い出しました。

「Tim Flannery」博士(サイエンティスト)の発表では「パース」のある西オーストラリア州では地球温暖化等の環境の変化で深刻な水不足が始まった。 1976年頃からその兆候が始まり、このまま行くと「パース」は地球温暖化の犠牲で、21世紀中に最初のゴーストタウンになるであろうと警鐘を鳴らしているのです。

パースでは1976年以来、毎年の降雨量が減り続き、現在では貯水量が1976年当時の340ギガリットル(1ギガリットルは10億リットル)から近年の平均160ギガリッターにまで落ち込んでいるそうです。
この傾向はオーストラリア東部にも広がりつつあり、シドニーも同じ運命になる可能性を示唆していました。
これは先月にニュー・サウス・ウエールズ州議会主催の「シドニーの将来に関するフォーラム」でゲストスピーカーとして出席したFlannery博士の講演の一部です。

僕はシドニーの水不足の事ばかり書いて来ましたが、パースはオーストラリア大陸の西側、ちょうど反対側の東海岸にあるシドニーなのですが、本当に同じような気象の変化が出ているんですね。

特に人口の増加が著しいシドニーはこの水不足に拍車をかけているようで、給水制限の解除などは一体いつになるのやらという感じです。
それにしても日本のように毎年必ず台風がやって来て、大雨を降らすというのは、これまた多くの被害をもたらすわけで困ったものですが、オーストラリアのように全く雨が降る可能性が無いと、台風の一つでも来れば、あっという間に水源地の貯水量も増えてくれるだろうにとさえ考えてしまう。
農家にとっては台風で農作物が打撃を受けるのも大変だが、水不足で作物自体が作れないというのもこれまた深刻な問題です。

一緒にアーチェリーの練習をしながら、この綺麗な(練習場の)野原の緑が消えつつあるのを見て、「我が家は庭に撒く水のために井戸を掘ったよ」とトニーが言う。
確かに我が近所でも散水制限のために庭に木々が枯れていくのに耐え切れず、井戸を掘っている家が増え始めています。

最近の好景気で税収入の増加のあるこのニューサウスウエールズ州はより現実的な対策を早期に講じないと、トニーの言うように近い将来シドニーも砂漠になってしまうのではないかと。

そうそう僕のアーチェリーの先生「トニー」は身障者です。
子供の時の小児麻痺で右足が不自由。
しかしそのハンディを克服して国内では一般の大会にも出ています。
勿論身障者の中ではダントツなのでシドニーパラリンピックにも出場しました。 アテネは費用がかかりすぎるので行かないとの事。 
下に彼が州大会に出ていた時のスナップがあったので付けます。
右から三番目の椅子に座って射っているのがその彼です。
立って射る事は出来ません。 座って射るのはかなりのハンディだと思いますが、州内ではトップ10位以内には必ず入っています。

Archery_tony_ed.jpg (35638 バイト)

↑クリックすると大きくなります。
昨年撮った写真なので、まだ芝が多少残ってますね 本当は綺麗なグリーンなんですけどね。 ここはシドニーオリンピックのあったアーチェリー競技場です。

追記
昨晩珍しく雷と共に強い雨が降ったのですが、貯水池には全く降らなかったとの事。 現在の貯水量は40%近くにまで落ちているとかで、これは21年前の記録を抜くそうです。


2004年6月14日

本日は「クイーンズ・バースデー(エリザベス女王誕生日)」でオーストラリアはお休みです。
クイーンズ・バースデーと書くとエリザベス女王陛下の生まれた日のように錯覚しがちですが、実は6月14日は「キング・ジョージ3世」の誕生日で、この日をナショナルホリデーに制定したので、代が変わろうがこの日が祭日になっているようです。

さて、
先週と昨日の日曜日、連続で行われたバイクのGP、500cc、そしてテニスの全仏の男子シングルスの決勝戦 両方とも長い事僕の記憶の中に生き続けるであろう素晴らしい試合でした。 
友人のウォリック(元レーシングドライバー)から電話があり、ロッシが優勝したイタリア(ムジェロ)GPのビデオを貸して欲しいとの事。 
彼が面倒を見ている若いドライバー(フォーミュラーフォードだったと思う)に「ファイティング・スピリッツ」とはこういうものだと是非見せてやりたいが録画しておかなかったとからとの事。 

いや〜僕も見てて彼の走りには感激しました。
昨日のスペインGPもそうだけど、スピードの出ないヤマハのマシーンで果敢に攻め、結局優勝を手に入れてしまった。
前後輪ズルズルの状態、最近は4輪でもあまり見られないドリフトの上に加速時はスモークあげながらなんて。 
この若きイタリアの天才、マシーンのハンディをものともせず、レースとはこういうもんだという、まるでお手本のような走りでした。 

この「攻めの走り」は2輪と4輪の違いなど無いわけでウォリックがお手本として見せたいというのも良く判る。
しかしこのレースを見ていた僕は、もうこれ以上無理をしてウエィンレイニーのような怪我をしたらと、心配でたまらなかった。 
ウォリックが言い出して以来、ロッシには将来F−1に乗ってチャンピオンになって欲しいと僕も考え始めているのです。 
ですから、不治の怪我だけは絶対にと祈っているわけです。

そしてもう一つテニスの全仏、第2セットが終了した時点でもう見るの止めようかと思っていた。 
最初の2セットを一方的に失ってしまったガストン・ガウディオが5セット目を8−6で取って優勝してしまったなんて、これも長く歴史に残る試合の一つでしょうな〜。 

バイクとテニスまったく別のカテゴリーのスポーツですが、全く同じ「ファイティング・スピリッツ」を感じました。

ファイティングスピリッツといえば日本の佐藤琢磨選手も頑張っているようですが、いまいち元気が空回りしているようです。
まあそのうち結果は出てくるでしょうが、運も必要でしょうな。
F−1の表彰台の真中に立つというのは、マイケル・シュウマッハーを見ていると、まるでそこが彼の定席のごとくウンザリするほど勝ってますが、いや実は中々大変なもので、先日モナコで勝ったヤーノ・トゥルーリでも一体何戦目での初めての勝利だったか。
ジャン・アレジにしても引退するまでたった一度しか立てなかった表彰台の真中、日本人が立つ日を僕は首を長くして待っています。


2004年6月15日

僕の日記でも度々取り上げているオーストラリアのジャンクフードと肥満問題ですが、今日はなんとも興味深い映画「Super Size Me 」を見てきました。(http://www.supersizeme.com/)
Morgan Spurlock 監督、主演。
この映画は30日間毎日朝昼晩と「マクドナルド」を食べ続けるとどうなるかという「ドキュメンタリー映画」です。
で、Morgan Spurlock 自らがそれに挑みます。
毎日朝昼晩と3食、30日間食べ続けるというのは非現実的と言うなかれ、世界で最も肥満人間の多いアメリカでは、週に何度もマックを食べている人間が多い。 いや別にマックだけでなく他のハンバーガーチェーンや、フライドチキン、ピザなどなどこれらのファーストフード漬け人間はゴロゴロしているわけです。
そしてこのようなファーストフードがいかに人間の健康に悪影響があるかをこの映画は証明してくれています。

この実験を開始する前に彼は3人の医者にそれぞれ健康診断を受け、マックを食べ始める前の健康状態を記録します。
そして、マックを食べるにあたって、ルールを作ります。
1.マックで出されているメニューだけを食べる。
2.スーパーサイズは自らは注文しない。 ただしカウンターで「スーパーサイズはいかがですか?」と店員に言われた場合は拒否せず、スーパーサイズを食べる。 残さず食べる。
3.マックのメニューの中で自分の好みだけではなく少なくとも1度は全てのアイテムを食べなければならない。
この簡単な3つのルールの元に第1日目がスタートします。

彼は元々マクドナルド愛好家で、最初の日はもう生き生きしながらビッグマックやチップスそしてコーラ等のソフトドリンクを平らげていきます。
実はアメリカではソフトドリンク等のサイズが他の国と比べて一回り大きいですね。 そしてソフトドリンクの中には大量の糖分(砂糖)が入っているわけですが、このまま行くと2000年代に生まれたアメリカの子供の3人に1人は、糖尿病を発病するだろうと言われています。
何しろ現在でもアメリカの全人口の6割が、肥満なのです。

この映画の中では30日のうち最初の5日目、20日目、そして最後の30日目に健康診断を受けます。
たった5日目には5キロ体重が増え、30日目には12.5キロの体重増加となるのですが、僕が見ていて一番恐ろしかったのがコレステロール値や血圧等の増加と共に肝臓がホアグラのように肥大し始め、20日目にはドクターストップがかかるほど悪化してしまうのです。

しかし彼は30日間続けると決めているので最後まで決行したわけですが、何とこのようなジャンクフードには中毒症状を引き起こす事を発見します。
つまり肥満と共に健康状態が悪化し体調不良を感じ始めるのですが、マックを食べ始めると急に生き生きとしてくるという、完全に麻薬中毒のような症状を見せます。(ソフトドリンクに含まれる過度の糖分とカフェインなどが中毒症状を引き起こす原因らしい)
そして日にちを重ねるにつれ、非常に動きも悪くなり、頭痛がちで、不愉快そうな表情を浮かべているんですね。
これは20日を過ぎるあたりから顕著になってくる。

映画の中では当然マックを食べるシーンも登場するが、それよりも多くの問題定義がなされています。
で、最も注目すべきは、アメリカの子供達がいかにファーストフード漬けになっているいるかで、マックなどが小学校の給食にまで進出しているのを見ると、事態の深刻さがわかります。

小学校低学年の子供達を集めて、ジョージワシントンやイエスキリスト等の絵を見せても答えられない子供が結構いるのに、あのマックのマスコットである道化(ロナルド・マクドナルド)は全員が知っていると言う事実。
いかにファーストフードがアメリカ人にとっては生活の一部になっているかが判ります。(恐ろしいほどのコマーシャリズムともいえる)
アメリカ人の4人に1人にあたる人口が毎日マクドナルドに出かけ、世界中で4600万人が毎日マックを食べる。 それはスペインの全人口よりも多い。

肥満が喫煙に続く死亡原因になりつつある今、アメリカでマックを食べたから肥満になったと訴訟を起こしている人がいてももう不思議ではない時代になってきました。
なにしろタバコ会社が次々と訴えられているのを見ると、ファーストフードも同じ道をたどる可能性は大いに有るようです。

是非この映画、機会が有ったら見てください。
日本ですでに公開されているのかいまいちわからないのですが、ネットで検索したら「電波少年」的なノリで作った色物映画じゃないかなんて書いてある。
喫煙もそうですが、どうにも日本はこの手の問題に対する意識が低いようです。


 


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