2003年2月後半の日記

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2003年2月16日

本日日曜日はお休みです。


2003年2月17日

ここシドニーでもアメリカのイラク攻撃に対する「反戦集会」が大きなうねりとなっています。
昨日日曜日のハイドパークにはシドニー市民25万人が集まりました。
これはシドニーの人口を考えると大変な数です。 東京都の人口比で言ったら200万人が集まったと言うのと同等でしょう。

女房と娘もぜひ参加しなければと昼前に出かけて行きました。 交通が混雑すると予測し、僕が運転手で近くまで送っていきました。
マンリー方面から参加する人はマンリーフェリー乗り場が長蛇の列で、途中で諦めて引き返した人もいたとか。(つまり船に乗りきれない)
またハイドパーク近くまで来たのに、入れないで交通規制のために追い返された人も何万にもいたとか。

ハワード首相の「独断」でいち早く「参戦」を決めたオーストラリアでは、国民の気持ちは複雑なものがあるようです。
反戦集会に参加した人の数から判断しても、決して一部はありません。
警備に出た警察もベトナム反戦デモの時よりも数は多いのではないかと認めています。

このような反戦集会でもさすがオーストラリアと言うか、かなり平和的に集会は進行していました。
日本ではどんな動きがあるのか知りませんが、絶対に日本では考えられないような反戦集会も起きています。
どんなのだと思いますか?

数週間前にクイーンズランド州のバイロンベイで700人以上の女性が全裸で野原に人文字を作り反戦をアピールしたのです。
そう全員が、一糸まとわぬ姿で草原に横たわって大きな話題になっていました。
この全裸のアピールは偶然、ニューヨークでも行われたようですが、オーストラリアと違って真冬のために全裸で人文字を書いた人は数十人といった規模のようです。
日本でこのようなアピールをしたら、即「逮捕」なんでしょうか?

連日新聞にはオーストラリアの参戦に対する是非をめぐって多くの議論が交わされています。
しかし残念ながらハワード首相は全くそのような動きには動じない、自分の主張を貫こうとしているようです。
国民の感情を「無視」というのはどこの国の政治家も似たようなものですが、これだけ自信を持って決断するというのは、常に玉虫色の行動を取る日本の政治家とはかなり対照的とも感じます。

ところでここにきて突然のごとく「オサマ・ビンラーデン」らしき録音テープが登場して、イラクとテロ組織の結びつきを証明するような内容だと報道されました。
しかし、僕には本当に胡散臭く感じます。 なぜならそのテープの中では「フセインは宗教心が無いから支持しない」などと言っているとの事ですが、その部分は(意図的に?)報道されなかったらしい。
僕にはイラク攻撃を否定または肯定するほどの情報が無いので(僕の勉強不足もあって)どう判断したらよいか大いに迷っております。
北朝鮮とどう違うのかも含めて。

さて、話し変わって
マイクロソフト社の光学式ワイアレスマウス(オプティカル無線マウス)を取り付けたら、何と!プラズマテレビから出る電波(電磁波か?)の影響で、全く無線機能が役に立たないばかりか、その時にPC上で使用していたソフト(インターネットエクスプローラーと、書き込むためのIME2000)の一部にも支障が出るようになってしまいました。
ブラウズしていて、いつも行くHPが「表示できません」と言うメッセージが多く出るようになり、何度かリフレッシュボタンをクリックしていると表示されるのですが、他のノート型や女房のPCでは不具合が出ていないのでプロバイダーなどのほかの原因とは考えにくい。

またIME2000も、ユーザー辞書機能がおかしくなって、何度同じ字を変換しても一向に優先順位が変わらないのです。
慌てて、その無線マウスを外し、元のマウスに戻し、IEもIME2000も修復しました。
しかしなんとなく挙動がいまいち。

あるウインドウズFAQ専門の掲示板にその事を書き込んでみたら、確かにその無線の受信機部分からマウス以外の不適切な(強い?)電波が入り込んだ場合、システムにまで影響を及ぼすことは十分考えられると言う答えをもらってしまいました。
それなら、いつでも再インストールしても良いようなPCならともかく、仕事の経理(税務報告用の)ソフトまで入っているのには怖くて使えないって事ですな。

今使っている(ホームページ用の)このPCを作ってからちょうど2年が経ち、そろそろ再インストールの時期かなと思っています。
この件はまた詳しく書きます。


2003年2月28日

昔僕が勤めていた事務所(ボンダイ・ジャンクションにある)のビル一帯が大再開発の真っ最中であるというのは前に書きました。
まだまだいつ終わるか分からない大工事で埃は酷いし、混雑もすごいのでなるべくそちらの方には足を向けないのですが、工事中にもかかわらず営業を続けているデイビッド・ジョーンズ(デパートです)のフードコートが大変革をしたというので本日久しぶりに行ってきました。

僕がこのデパートが入っているビルの上にある事務所で働いていた頃には、毎日のようにそのフードコートに行って昼飯を調達していました。
レストランに食べに行くよりも手軽に安く美味しい物が揃っていたからです。
そのように馴染み深いところなので、あまりの大改造が行われたのを本日知ってびっくりしました。

今までは家具売り場などとスペースを共有していたのですが、フロアー全体を完全にフード専門の店に割り当てているためか、ものすごく広く感じその上、食品のバラエティーも増えてまるで日本の高級デパートの食料品売り場みたいです。(だから日本から来たばかりの人は別段驚かないだろな)

僕はすべての店をチェックして回ったのですが、ここまで「凝った品揃え」が果たしてボンダイ・ジャンクションという土地柄で商売になるのかしらと考えました。
例えば、あるコーナーにはオリーブ・オイルのビンが並べてあるのですが、これほどの種類のオリーブ・オイルがオーストラリアで売られていたのかとびっくりするほど。
いったい何種類のビンがあるのか数え切れないほどですが、はたしてオーストラリア人にはその違いが分かるのか。

イタリア人にとっては日本人が「米のブランド」に凝るように大いに喜ばしい事なのでしょうが。
そうそう、そのオリーブオイルの売り場から近くにマヨネーズのビンが並べてあるところがあって、何と「キューピー・マヨネーズ」も置いてあったのには思わず笑ってしまいました。

いやしかし確かに日本のマヨネーズは世界で一番美味いというのは疑う余地の無いところで、やっとオーストラリア人でも美味いと気づいた人が増えているのかもしれません。
日本では「マヨラー」だったか、何にでもマヨネーズをつけて食べる人が増えているらしいですが、日本製のマヨネーズだったら分からないでもないです。
それにしても日本のマヨネーズにはオーストラリアの食料品基準に定められている以上の卵が使われているというので、日本食料品店から日本製マヨネーズが姿を消したことがありますが、オーストラリアのデパートにまであるところを見ると規制が緩和されたのかもしれません。
というより、元々その基準が狂っていたのかもしれませんが。

食べ物の話を書いたついでにオーストラリアの「回転寿司」の話を。
オーストラリア人にはすっかり寿司は定着して、ボンダイジャンクションにある回転寿司の店もかなり繁盛しています。
僕も手軽にさっと済ませることができるので結構行くのですが、ほとんどの店員は日本人ですがお客は現地(オーストラリア)人。
日本人のお客は僕だけということがよくあります。 

それにしてもなぜお客が入ってくると日本の寿司屋のように大きな声で「いらっしゃ〜い」って日本語で言うんでしょう。
ほとんどのお客は、何言ってるか、分からないと思うのですが。

それはともかく、僕は同じ日本人という特権を使って色々自分の食べたいものを「日本語」で注文して作ってもらう。
日本語でのやり取りなので他のお客は何を言ってるのか分からないわけで。 

で、まさにここは外国、絶対に日本ではないという光景をよく目にします。
日本は知りませんが、こちらの回転寿司では例のベルト・コンベア(?)に載って寿司以外の物も回ってきます。
「うどん」も回ってくるのですが、ドンブリの中身はプラスティック(ロウだったか)でできた見本です。 ですから「うどん」を食べたい人はそれを見て注文するわけです。
「うどん」以外にも「鶏のから揚げ」、「餃子」、「たこ焼き」、などなど寿司とは全く関係ないものが回ってきます。

で、先日その寿司屋で食べていたら、横に座ったオーストラリア人の中年の女性、入るなりすぐに店員を呼んで「きつねうどん」と注文。
で、うどんが来ると同時に彼女は回ってきた「やこ焼き」と「鶏のから揚げ」を取ってうどんと一緒に食べ始めた。
で、この「鶏のから揚げ」には醤油かソースの代わりに、マヨネーズがついて来るのです。
僕はから揚げにもマヨネーズで食べる時代になったかと思いつつ見ていたら、その女性「から揚げ」一つずつに思いっきりマヨネーズたっぷりつけて食べ始めたので途中で足りなくなり、「このマヨネーズもっとください」って頼んでいるのを見て、オーストラリアにもマヨラーがと。

で、彼女その後餃子にもマヨネーズをつけておいしそうに食べて出て行きましたが、考えてみるとなぜ彼女は寿司屋に来たのか良く分からないんですよね。
何しろ彼女が食べたのは「うどん、から揚げ、たこ焼き、餃子」だけ、寿司の皿は一皿も取らなかったのですから。 回転寿司屋で。 
う〜ん、さすがオーストラリアでしょ。

さて、話は戻って本日行ったデイビッド・ジョーンズのフードコートの野菜果物売り場で不思議なものを見つけました。
名前は「ドラゴン・フルーツ」とあります。
随分色んなフルーツや野菜は知っているつもりなのですが、初めて見ます。
好奇心大せいな女房と僕はさっそく一つ買って帰ってきました。
下に写真をつけました。 実の赤いのと白いの2種類があるらしい。

DRAGON_ed_01.jpg (24446 bytes) DRAHAL_ed.jpg (63391 bytes)

左は切る前、右は半分に切って大きさを比較してもらうためにスプーンと、ライムも半分に切って置いてみました。
中は何と白に黒い小さなゴマのような黒いツブツブが入っています。
なんとも不思議な組み合わせです、白と黒。
じつはこのライムは絞ってドラゴンフルーツにかけて食べると言われたのです。 
で、味のほうは、、、、。
食感はゼリーか水羊羹のようにやわらかい。
しかし香りは全くなく、その上、甘さも酸味も少なめで、なんか印象の弱いもんですな。
これでキロ35ドルは絶対に高い。 
物珍しさで買ってしまったが。


2003年2月19日

なにやら世の中が騒がしくなってきました。
世界中から不幸なニュースはどんどんと飛び込んでくるは、イラク攻撃についてオーストラリアの世論もメディアも、その是非をめぐって議論が白熱しております。

韓国の地下鉄のニュースは日本のテレビ局の方がより正確なのではないかと、久しぶりに母の部屋に入ってNHKを見ていました。
確かに死傷者の数などではオーストラリアの報道とは大きく食い違っていますが、しかし多数の死者が出ていることには違いは無いようで。

偶然反対側のホームにも電車が入って来たという事で被害を大きくしているようですが、それにしてもなぜあんなに激しく燃えるもんなんですかね?
非常に不思議な気がします。 排気口から出ている煙の量や、残骸の車体を見るとすっかり焼けてしまっていて、犠牲者の中には骨だけになってしまっているのも有るようですが、これは驚きです。

電車ってそんなに多くの可燃性の物が使われているのでしょうか? 
車体は鉄製のはずだし、中で犠牲になってしまった方がそこまで酷く焼けてしまい身元の確認にDNA鑑定が必要になるのではという報道見ると、なぜそこまでと僕には理解できません。
列車のシートなどにしても不燃性の(多少座りごこちは悪くても、どうせ短距離列車なのだから)素材で作れると思うのですが。
その点、日本の地下鉄はどうなっているんでしょうか?

サリン事件も地下鉄でしたが、やはり地下というのはかなりリスクが増えるものだと覚悟しておかなければいけないのか。
昔ロンドンに住んでいた頃には地下鉄の駅は(場所によってですが)かなり深いところにあるので、大型の爆弾が落とされても、地下鉄構内に逃げ込めば助かるというような話を聞いたことがありますが、逆に出火元が地下の場合は逃げるのに非常に困難になるということなのでしょう。
ちなみに日本の地下鉄でも六本木駅(何線のだったか忘れた)は地下42メートルビルの7階分の深さだそうで、エスカレーターが止まった場合には、健康な人でも一気に地上まで駆け上がるのは大変な距離だと思います。

さて、先週の日記に書いた娘の陪審員のお勤め、無事終了したようです。 運良く長引くこともなく先週末で終わったのですが、話を聞いていると、陪審員の意見の一致が無い場合には翌週も仕事休んで出廷しなければならず、面倒だから他の陪審員の意見に同調したというような人もいたらしい。
これは陪審員制度の欠陥の一つでもあります、確実に。

被告はまだ30歳前の現地人(アボリジニー)の女性で、レッドファーンという現地人が多く住む地区にある小さなスーパー(というよりコンビニの方が正確かも知れません)でそこのアジア人の店員を「刺し殺して」しまったのです。
この地区にはかなり貧困な家庭が多いために、スーパーで買い物をしても金が足りなくなるという客は結構いたらしいです。

で、とても人の良いこの店員は金が足りないと「今度でいいよ」と待ってやることも有ったそうです。
被告もこの店で購入金額を借りていたらしいのですが、何かのことで喧嘩になり、ナイフでこの店員を刺し殺してしまったのです。
この被告には前科は有るし、麻薬使用者で、また子供の時には家庭問題もあったらしい。
で、逮捕以来まともに供述をしておらず、精神的不安定であると弁護側が主張し、今回の殺人事件の裁判を受けられる状態ではないと裁判開廷阻止を申請しているのです。

多くの精神科医が彼女を診断し、それぞれの意見書を提出したそうですが、精神科医同士でも意見の食い違いがあり、陪審員に彼女をすぐに裁判にかける是非を問うたのです。
結局陪審員の中でも意見が大きく分かれ、意見の一致があるまで終了はしないので、娘の場合も翌週に延びる可能性は十分あったようです。

結局土壇場で「彼女はまだ裁判の受ける状態ではない」という判断に陪審員の意見は統一されたのですが、わが娘も最後まで大いに迷っておりました。
金曜日にその決定とともに陪審員のお勤めは終わったのですが、その晩の夕食の時にも自分の決定は正しかったのだろうかと、自問自答しておりました。
ちなみにこの被告は法廷には出廷していましたが、一切の発言はなく、毎日の裁判中も長い髪の毛を前にたらしてうつむいた状態で微動だにしなかったそうです。
わが娘は(たぶん陪審員全員も)被告が(意識的に?)長い髪の毛を前に垂らしている為に、最後までこの被告の顔を見ることができなかったそうですが、どうもいつも泣いているようだったそうです(肩が震えているなどから)。

僕はそれを聞いて、被告の顔や表情さえ一切分からないで決定しなければならないのなら、出廷させる意味は無いのではないかと思いました。

ちなみにこれで彼女が無罪になったわけではなく、また特別精神病院で回復を待つということになるそうです。
もちろんいつ裁判が始まるかはその彼女の精神状態によるのでしょうが、その時にはまた陪審員を呼び、精神科の専門家を何人も集め、レポートを提出してもらいということになるわけで、この話を聞いていて、つくづく金がかかる(国費)ものであると複雑な気持ちにさせられました。

僕から見たら、もう「有罪」は決まっているのですから、もっと簡単にできるはずだと思うのですが。(人道的な立場から、そうは行かないというのは百も承知で書いていますが、本当に税金の無駄遣い)
今回の韓国の地下鉄事件の犯人も精神的な障害を持っているとオーストラリアでは報道されていましたが、同じような事(娘の裁判と)が起きるんですかね?


2003年2月20日

先週に多少雨が降った日があったのですが、チョロチョロ程度で相変わらず干ばつは深刻のようです。
リンゴなど値段が高くなっているだけでなく、果肉もジューシーではなく、物によっては多少茶色ぽかったり。
ところが面白いもので、桃などのSTONE FRUITS 類は今年は豊作、とても美味しいです。

白桃が大好物な僕はオーストラリアに来てから日本の「白桃」を食べたいと思うことがあったのですが、今年のオーストラリアの白桃は日本並に美味しいしまた安いです。
なぜ今年はこんなに美味いのかと不思議に思っていたら先日の新聞に干ばつの時には「STONE FRUITS 類」が甘くなると出ていました。
不思議ですね。

同じようにブドウもこのような時には非常に出来が良くなるために、今年のブドウからできるワインは「ビンテージ」ものになるだろうとの事。

さて、先日の日記に書いた無線マウスのトラブル、すでに外しているのですが、何かPCの調子がいまいちです。
こういう事があるとつくづく自分はオヤジに似ていると感じる時があります。
昨年他界した我がオヤジの一生を見るに、かなり運の良い人生だったとは思うのですが、機械類(車、電化製品、カメラなど等総て)には本当についていない男でした。
絶対故障は無いはずの高級品を買っても、いつも「ハズレ」を掴んでしまうというか。

確かにオーストラリアでは安かろう悪かろうという後進国製の製品が氾濫していますから、我がオヤジだけでなく似たような経験をしている方は結構いるとは思うのですが。

しかしだからこそ我がオヤジはブランド品にこだわっていたのかも知れませんが、やはり見事にハズレを引いていました。
オーストラリアに来てすぐに購入したベンツにしても堅牢の物のはずなのに、新車で来たその月からエンジンが突然かからなくなるという原因不明の故障が延々と続いていました。
それも「Sクラス」という「手抜き」で生産されてはいないはずの種類なのに、この故障には本当に参りました。

出先で突然エンジンがかからなくなる。 で、置いて帰ってきてディーラーに電話をする頃にはなぜかかかる。
特に暑い日に外の駐車場などに置いておくと(何時間も停めておいてエンジンは完全に冷えている状態でも)エンジンがかからなくなる。
いや、正確に言うとセルを回すと一発でエンジンは1秒ほどかかる。
で、かかった途端「ストン」とエンストしてしまう。 
アイドリングが不安定でエンストするというのとは全く違って、ぜんぜんアクセルに反応しないのです。

まるでエンジンがかかった瞬間、キルスイッチが働いてエンジンを停止しているような。
この問題はディーラーでも半年以上原因がわからず、何度修理に出したことか。
随分経ってから(1年近く)ある日突然ディーラーから電話があって、「例のトラブルの件で、一日車を預かりたい」と言って来た。

で翌日担当のセールスマンが車を返して来て以来その問題が突然消えたのですが、詳しい内容は結局説明してもらえませんでした。
後にしつこく僕がサービスマネージャーに聞いたところでは、どうもダッシュボードの温度が上がると(つまり炎天下に駐車していて)回転計に繋がっている線が(ハンダ処理が悪いのか)切断状態になり、エンジンがかかっても回転計が(つまりタコメーターの針が)ちゃんと反応しないと、安全装置が働いて、エンジンを止めてしまうというような不具合だったらしく、初めての経験ですと言っておりました。

もっともそれでこのベンツの問題が解消したわけではなく、2年目に入ってからもかなり色々なところがおかしく(主に電気系統ですが)なって、ほとんど使わない状態が長く続きました。

これはほんの一例で、電化製品なども四六時中同じようなトラブルを経験していたのですが、電化製品なら車と違って出先で突然帰れなくなるというような問題ではないので、慣れもあってあまり気にしなくなっていました。

で、僕も我がオヤジに似てるんですよね。
最近の例で言うと。(他にも沢山あるのですが)
昨年の12月だったかに日立のヴィデオ・テープ・レコーダー(ヴィデオ・デッキ)の調子が良くないので修理に出したと書きました。 
その後何度も修理屋と我が家を行ったり来たりしていていっこうに直らずとうとう業を煮やして日立オーストラリアに電話をして事情を説明し、他のと交換してくれと言ったら驚いたことに「日立はオーストラリアでVCR(オーストラリアではヴィデオ・デッキのことをこう呼ぶ)の販売は止めたので、取り替えてあげるのが無い」と言われてしまったのです。 

で、その時に「部品がオーストラリアには有るから、待ってくれたらそれで修理してみて、駄目なら購入代金を返金する」と言われたのです。
最初に修理に出した時には、「調べたがどこもおかしいところは無くただヘッドにゴミがついていたから」と言われて、ちゃんと録画出来るようになったと言うのを信じて引き取って来て録画してみたらちっとも直ってなかったのが昨年のクリスマス前。 

だいたい買ったばかりの時からおかしくてほとんど使っていなかったのに、ヘッドにゴミが溜まっていてなんて最初から言うことが変だと思ったのです。 
で、またハーバーブリッジを越えてニュートラルベイにある店に(日立の指定販売修理店)預けたのですが、いつまでたっても連絡が無い。 
どうなったのか電話をすると「交換するヘッド(壊れている部品、VCRではこれが一番大事な部分)がまだ届かない」と言う返事から始まって、「ヘッドは届いたが、届いたヘッドも壊れていたので送り返した」、その後また電話をすると「次のヘッドはまだ届かない」、というような返事のやり取りが延々と続いていたのです。 

先週の土曜日にやっと修理できましたと連絡があり取って来ました。 今のところチャン度作動しています。 しかし僕は随分と我慢強くなったものだと思います。 これは海外に長く住みすぎてこの手のことに慣れっこになってしまったのか、歳とともに気が長くなったのか、寛容になったのか定かでは有りませんが、今回にしても最後まで非常に穏やかに(一度も声を荒げることなく)やり取りに終始しました。

やはり自分はオヤジに似て「ハズレ」を引く運命にあるのだからと考えるようになっているので余計寛容になれるのかもしれませんが。

VCR(ヴィデオデッキ)なんか今ごろ買うのが馬鹿なんですけどね。
LPのターンテーブルやカセットテープデッキのようにもうすぐ誰も使わなくなるのは分かっているのですが、先日設置したパラボラアンテナで見るNHKは日本方式(NTSC 3.58)で今我が家にあるデッキでは録画できないのです。 で、オーストラリアで売っているデッキはほとんどがマルチ方式ですがじつはそれは再生のみで、録画までNTSC(それも3.58のほう)でできるのは非常に少ないのです。
この日立のがそうだったので購入したのですが、見事にハズレでした。


2003年2月21日

昨日に雨の事を書いたら本日は朝から「本格的な雨」で、嬉しさのあまり心の中で、子供の頃に歌った「雨雨降れ降れ母さんと、、、」という歌が出るほど。
今朝起きた時に雨が降っているのを知ったのですが、どうせすぐに降り止んでしまうと期待していなかったのですが、昼を過ぎても雨脚は弱まらず、本当に久しぶりの雨になっているようです。

アパートなどに住んでいる人にとってはこの気持ち、あまりピンと来ないかも知れませんが、我が家のように芝生や木がある家に住んでいると長い干ばつ(ここ100年で最悪とか)で放水制限もあるため、少しずつ庭の木々が枯れたり弱っていくのを見ていると気が気ではなかったのです。
すでに完全に枯れてしまい切り倒した木も有るのですが、大木は根が深いためか大事には至っておらず、しかし「ツツジ」などの木は半分は枯れてしまっております。

もちろん放水制限を無視してバンバン水をやれば生き残ったのでしょうが、エチケットとして(放水制限は個人の自覚に任されているので)スプリンクラーなどを無制限に使うのは控えていたのです。
しかし朝女房と散歩に出ると、家によっては全くそのような制限を無視して道に流れ出てくるほどの水を庭に撒いている(それもスプリンクラーなどで)ところも有ります。
水道局に報告してしまおうかと思うほど酷いところもある。

このようなエチケットの欠如というのは僕が思っている以上に多いようで、我が家のある地域にはかなりエゴの強い人種も多いということかもしれません。
何しろ朝の散歩に出ると、犬を連れた人も多いのですが、かなりの割合で犬の糞を始末するもの(ポリ袋など)を用意せず、目の前で排泄していても知らん振りというのを良く見かけます。

愛犬がいた当時は近所の公園に散歩に連れて行き、そこに集まる犬を連れて来る人の中で、糞の始末をしない人を公園の常連である友人と一緒にバンバン取り締まったものです。
その甲斐あって、その公園では後始末をしない人間はほとんどいなくなったのですが、最近は散歩場所を家の周りに変えて以来、まさか歩道の上に落とした糞を平気で無視する人間が目につくようになったのです。

で、女房と僕は毎日の散歩時にそのような粗相を見つけるたびに「注意」をしております。
僕らが注意をすると反応は千差万別、「あ、すいません今日袋持って出るの忘れてしまったもので」という言い訳から、一言も反応しない人まで。
多分「あの中年のカップル(つまり僕らのこと)は、うるさいやつらだ」と思われている可能性も有りますが、そういう不始末が少しずつ減っているようで、非常に気分良いです。

僕がはじめてロンドンに行った時に一番驚いたのが道(歩道)に落ちている犬の糞の多さでした。
全く慣れない僕はロンドンの店(ショウウインドウ)への興味も有って、道に落ちている犬の糞の方をよく見ずに踏んでしまう事が多かったものです。
ロンドンに住むようになり、犬の糞をよけるというのが習慣になると、全く自覚無しに「よけて歩ける」ようになるもので、ロンドン在住の長さと、犬の糞を踏まなくなるのは比例していたような気がします。

確か今のロンドンでは犬の糞を始末しないとかなりの罰金がかかるはずで、数年前に訪れた時には1974年当時とは随分減っていると感じました。
ロンドンでの長い経験のある僕は、家の近所を散歩しても踏んでしまうことは無いのですが、とにかく歩道に落ちているのを見るだけでも不愉快なので、見つけると必ず「注意」を与えています。

じつは昔、上記の公園で家の近所の奥さんが僕の目の前を通った時に彼女の犬が糞をしてそのまま通り過ぎようとしたので注意をしたら、全く無視して行ってしまいました。
逆に「注意された」ということに対して非常に不愉快な顔をして。
偶然その日また帰りに鉢合わせしたので、「この公園には犬の便所が用意されていて、例えポリ袋を持ってくるのを忘れたとしても、そこに用意してある専用の小さなスコップで糞を「すくって」掃除するようになっています」と注意したのです。

この奥さん元教師だとかで、学校や友人達の前ではエチケットや道徳などについては特に厳格なタイプというのが、何ともこの手の金持ちの奥さんの「ヒポクリット」の典型というか。

そのような注意にも一切無視でそのままその奥さんは行ってしまったのですが、次の日僕は何と!「警察官」の訪問を受けました。
何と、その奥さんから「僕が公園で脅迫」したと訴えが出ているというのです。
この奥さんは非常に変わり者で僕以外の近所の人ともトラブルを起こしたことがあるのですが、警察はそんなことは知らずに僕のところに尋問に来たのです。

これには驚くというよりもむしろ僕は笑ってしまったものです。
もちろん公園で注意した内容などを警察に話し、当日他にも公園に来る常連の友人が何人かいたので、彼らが証人になってくれるはずだと話しました。
その後警察からは全く何も言って来ませんでしたから、警察も調査してみたらあまりにも馬鹿馬鹿しい事がわかったのでしょうが。

ちなみにその奥さんはその後、旦那さんと大喧嘩を始め双方弁護士を雇って裁判をやっていました。 当然今は離婚したそうで、旦那はまだそこに住んでいますが、奥さんはその後見かけません。

たとえ警察がどうのこうの言おうが、僕は相変わらず糞の後始末をしない人達に「イエローカード」を与え続けています。



2003年2月22日

昨日の日記に書いたように、ニュー・サウス・ウエールズ州は待望の雨で「干ばつ」との戦いも(ほんと、「戦い」と言う言葉がぴったりと感じます)もちょっぴり一息と言ったところ。
昨日のニュースを見ていたら、ハワード首相がどこかのパティーに出席して、「本日の雨に拍手をしましょう」と言って全員で雨に向かって拍手していました。
それほど待望の雨だったのです。 この気持ち、日本の皆さんにはなかなか分からないでしょうな。 何しろ去年の10月以来の「まともな雨」なのですから。
しかし、本日も雨は続くはずだったのに、我が家の近辺は青空が出てしまっています。 もう少し続いてくれないと。

さて、
娘の家に住んでいるテナントさんが引っ越し先を探すのに四苦八苦していると先日の日記に書きました。
皮肉なものでその事を書いた途端に「次のところが見つかった」との連絡があり、3月1日が引き渡しの日なったので女房と娘は週末になるとほとんど一日中買い物に出かけております。
本日もモアーパークにあるスーパーセンターに、電化製品を見に行っております。 
(それにしてもモアパークのビン・リーという店は安いです)

冷蔵庫や洗濯機などなど買うべきものは沢山有るのに、娘はダイニングチェアーなどすぐに揃えなくとも(我が家にも何点か余っているのもあるし)良いような物はとっくに買ってしまっているのに、生活必需品はほとんど何も揃えていない状態です。
で、なぜか娘より女房の方が「入れ込んでいる」ようで、まるで娘が「嫁入り」をするみたいに、あれも必要これも足りないと、うきうきしながら出かけております。

僕にとっては「子育て」という仕事が完結するような気がします。 
「仕事」と言う表現は適切でないかも知れません。 自分の人生を双六のゲームで例えると、「子育て」という部分を「通過した」といったところかもしれません。
また女房と二人だけで色々行動できるようになると考えるとウキウキしてきます。 
旅行でも娘は20歳を過ぎているというのにいまだに一緒に付いて来ようとするし、少しは我々だけにしておいて欲しいと思う事しばしばだったので。

どうせ出て行っても突然遊びに来て、(それも夕食直前とかに)「私も食べたい」なんて言い出すのは、目に見えているのですが。
自活したいというのは娘の希望だったのですが、今の彼女を見ているとまだまだ「子供」で、本当に一人で生きていけるのか、確かに心配では有ります。
一人娘ということで我々が手取り足取りし過ぎたために、基本的な事がスポっと抜けている部分があったりして、愕然とすることが有ります。

僕自身は何度か日記にも書いているように、我が親の所を飛び出した(大喧嘩の果てにでしたが)日が「我が人生最高の吉日」だったと確信しているので、娘が独立するのは大賛成、むしろ娘の歳(24歳)では遅いくらいだと考えています。
これからはお互い客観的に見えるようになると期待しております。 

さて、韓国の地下鉄の火災事故は火をつけた犯人以外にも業務上過失致死容疑などで数名の逮捕者が出るようです。 乗務員の適切な対応や処置が無かったために被害の拡大を招いたとか。 
「狂人」が起こした犯罪で想像も出来ない事態が起きた時に、適切な処置を取らなかったからだそうですが、複雑な気持ちではあります。 

ガソリンに火がついて燃え広がる様子のヴィデオ(駅の構内に設置されているカメラで撮影された)を見ても、瞬間的に燃え広がっているようです。 短時間のうちに起きた非常事態では人間はパニックに陥りやすいものです。 
アメリカのクラブでも数日前に多数の死者を出す事故が起きたと思ったら、本日のニュースでもまたクラブのステージから火が燃え広がって95人も亡くなっているようです。 人間パニックになると冷静な判断というのは困難になるもので、被害を拡大するようです。 

その「狂人」の犯人以外、どこまで鉄道関係者が責任を負うべきなのか、非常に気になるところでは有ります。


2003年2月24日

日本の(NHK)スポーツニュースを見ていると、今年アメリカでプレーすることになった松井選手のことを毎日のようにやっています。 
一方オーストラリアではクリケットのスター選手選手、シェーン・ウォーンのことで持ちきりです。 
クリケットと野球、内容は割と似ているのに両国の間でこれほど距離を感じるものは無いです。

オーストラリアでは野球は全くのマイナーだし、日本ではクリケットなんてスポーツだと知っている人さえ少ないのでは。 
で、このシェーン・ウォーン選手の話題というのが残念ながら、ドラッグ問題なのです。 
といってもマリファナを吸って捕まったとかではなく、筋肉増強剤を治療に使ったという疑い。 

彼は今年のある試合でボールを飛びながらキャッチした時に肩から地面に落ちて肩を脱臼し、筋も切ってしまったのです。 
オーストラリア代表の選手として大事な国際試合を控えていた彼は、治療に長く時間をかけるわけにはいかないと、ステロイドなどの使用禁止の薬物を使用してしまったようなのです。 
で、彼は驚異的な短時間で試合に復活してきたのですが、当然疑いをもたれ尿検査を受けさせられたのです。 

検査の結果彼が「DIURETIC」を使用していたことが明るみに出ます。 
このDIURETICは一種の排尿剤(利尿促進効果)というか、体内に残っている他に使用した薬物(この場合は筋肉増強剤)の反応を隠す役目を持つものなのです。 
ですから、尿検査の結果にはステロイドを使用した痕跡は残らなかったのですが、だいたいこの利尿剤を使うというのが何らかの証拠を隠す(マスク)物だということで、この薬自体の使用が禁止されているのです。 

で、再度の精密検査でもこの薬物(DIURETIC)が体内から検出されたので、12ヶ月の出場停止の裁定が昨日出て、オーストラリアの新聞には一面で大々的に取り上げられていました。 
そう「トップニュース」なのです。 
彼自身の「言い訳」を聞いていると、プロのスポーツ選手としての自覚が足りないという以前に、あまりにも子供の時からスポーツ以外のことは全く目を向けていなかった、常識の無さに悲しいものを感じます。
日本でいうと「野球馬鹿」、さしずめ「クリケット馬鹿」というか。 

彼曰く「一切、筋肉増強剤などは使っていない」 
なぜ体内から利尿剤が検出されたかについては「テレビインタビューなどで人前に出る時に、少し痩せて見えるように使用した。」(確かに彼は少し太り気味だという批判は受けていたが) 
「その薬は母親からもらった。」そして今回の処置に対しては「不当であるし、大変不満である」というものです。 

その利尿剤を使ったら、一生選手生命を危うくするという処置を受ける規定があるのはアマの選手でも知っているのに、テレビのインタビューなどで太って見えないようにその薬物を使用したと言い張る子供っぽさ。 
真に残念ですな。 周り(親やマネージャー)達もしっかりしていなかったとも思うが、もう彼は33歳にもなるのですから、ただのスポーツ馬鹿というか。 

先日「サンデープロジェクト」という番組を見ていたら引退した「貴乃花」が出ていました。 彼はこのクリケットの選手ほど馬鹿ではないと思うが、司会の田原総一郎に「今の川口外相の話を聞いていてどう思いますか」なんて、多分予想していなかった質問を受けて、可哀相なほど返答に詰まっていました。 
聞く方も聞く方だとは思うが。 

そういえば、日本ではこのような薬物使用というのはどうなっているんでしょう。 野球ではそのような薬物使用には厳しくないと聞いたことも有るし、相撲においてもどうなっているのか全く知りませんが、この貴乃花の引退の理由は膝の怪我だったわけですが、もしそのような薬物で治せたのならまだ若い貴乃花引退する必要もなかったという仮定も成立つのかなとも思いますが。 
(相撲協会では薬物使用の規定はどうなっているのだろうか) 

さて今回12ヶ月の出場停止処分を受けたシェーン・ウォーン選手、我が女房は12ヶ月は短すぎると言っております。 
僕はクリケットは全く見ないのでよく分かりませんが、この選手天才的なボーラー(野球で言うとピッチャーです)らしいが、こんな馬鹿なことをするのは自業自得だと。 

たった12ヶ月なんてすぐに復帰出来るしと。 それなら水泳の大選手だった「ドーン・フレイザー」の「10年間出場禁止」てのは何なんだと。 
ほとんどの皆さんはこの「ドーン・フレイザー」の事は覚えていないと思います。 
あまりにも昔の事なので生まれていなかった方も多いかともいます。
「ドーン・フレイザー」はオーストラリアの女子短距離自由形の選手で、メルボルンオリンピックに続いて、ローマオリンピックでも100メートル自由形で金メダルを獲得後、東京オリンピックにも出場し見事優勝し三大会連続金メダルの偉業を達成した選手です。 

で、東京大会決勝直後嬉しさ余って彼女は皇居のお堀の飛び込んで泳ぎ、飾ってあった日の丸を故郷の土産に頂こうとしたところを、警備の警察の捕まります。 
警察はそれが「ドーン・フレイザー」だとすぐにわかり厳重注意後に釈放したのですが、収まらないのは時のオーストラリア政府とオーストラリア水泳協会。 
国の恥であると10年間の出場停止処分を発表してしまったのです。 
つまりそこで彼女の選手生命は終わりを告げたのです。 

当時彼女はベトナム戦争反対などの意見をスポーツ選手には珍しく堂々と表明していましたから、体制べったりの水泳協会は異例なまでに厳しい処置をしたと言われています。 
東京オリンピックで、女子短距離水泳では前人未到の3大会連続金メダルを獲得し、嬉しさのあまり勢い余ってやってしまった行為ですが、その極刑のために彼女は引退を余儀なくされました。 

その時に出場停止処分を受けなければ4大会連続金メダルという可能性は大いに有ったそうです。 
その後彼女は後輩の育成だけでなく、民主運動(女性の地位向上などを含む)に活動の場を広げていったのです。 
いまだ彼女はオーストラリアのオピニオンリーダーとして活躍しています。 
出場停止処分というサブジェクトで色々書いてしまいましたが、ドーン・フレイザーの事を書いたら昨日のシェーン・ウォーン選手とは随分、選手の中身が違うものだと痛感しました。

 


2003年2月25日

昼過ぎに学校から戻った女房が、ロックス地区にあるコンテンポラリー・アート・ミュージアム(www.mac.com.au Museum of Contemporary Art  Sydney )で Ron Mureck の(彫刻)展示をやっているから見に行こうと提案。
僕はこのオーストラリア生まれ、主にロンドンで活動している彫刻家には全く知識が無く、予備知識無しで展示場に入って行った途端に最初の作品で息を呑んでしまいました。
この「息を呑む」という表現、あまりの芸術の素晴らしさに感動したという意味とはちょっと違うのですが。

彼の作品は「ハイパー・リアル彫刻」として有名らしいのですが、最近「老眼」の進んだ僕の目には、いくら傍まで行って見ても、それが彫刻であると信じられないほどリアルな裸の人間が最初に目に飛び込んできたのです。
それはこの彫刻家自身のスケールダウン(等身大ではないという意味)したもので、真っ裸で古い朽ち始めた手漕ぎの船に座っているのです。
その展示物にはかなり至近距離まで近づけた(30センチくらいまで)のですが、動き出すのではないかというほどのスーパーリアルでした。
(粘土で作った後にグラスファイバーで型を取り、シリコンとファイバーグラスで製作するらしい)

展示されている作品の多くはほとんどが全裸で、子供を出産したばかりの女性の像なんて、多分日本では出展できないでしょうな。
何しろあまりにもリアルな、今胎内から出たという赤子が母親の腹の上に置かれ、へその緒はまだ繋がっていて、その女性の性器から出ているといった図で、僕の書き方が下手なので、これを読むとすごくグロテスクな感じを想像されるかも知れません。

実際には(特に僕のように女房の出産時に白衣を着て分娩室に入り、医者と一緒に分娩に立ち会った経験を持つ者にとっては)ものすごく感動的に見えます。

残念ながら作品はそれほど多くなく、それほど気に入らなかったのも(特に大きな作品)有るのですが、とにかく強烈な印象でした。
これが「芸術か」と言われればちょっと迷ってしまうのですが。

さて、昨晩いつも見に行く日本のあるHPで、フリーのソフトの製作者のことが書かれていました。
このソフトはゴミ箱などに捨ててしまったファイルなどのデーターを、間違ってゴミ箱からも削除してしまった場合でも、サルベージできるというものです。
有料のものでは聞いたことはあるのですが、フリーのソフトだというので
僕もダウンロードしてみました。
じつはなぜこのフリーソフトの作者の事がそのHPで話題になっていたかというと、この作者がそれを製作した意図が変わっているからです。

ダウンロードした後にこのソフトを開くと、使用に関する説明とは別に、彼がなぜこのソフトを製作することになったかが出ています。
それは「A社」という日本の一部上場企業(IT関連らしい)で働く彼が、その会社に対する不満、会社を良くしようと悪戦苦闘している様が書かれているのです。
そして、もはやこの会社の硬直した状態には見切りをつけて、転職も辞さないということで「求職」内容がこのソフトと同梱されているのです。
で、多くの人に見てもらいために無料のソフトを作ったと。
確かにヴェクターではダウンロード2位(部門別)になったと書かれています。

僕はそこに書かれている「彼の言い分」を読んで、日本の会社が僕が日本にいた30年前と全く変わっていない、(特にIT関連の会社なのに)ビュウロクラテイックな内容に愕然としてしまいました。

そこで彼が書いている事を、そのままここに載せる事は出来ませんが、何か彼の「ひたむきな姿勢」に協力できたらと感じさせられました。

興味ある方は「復元」というキーワードで、VECTORのサイトで探せばすぐ見つかると思います。
一端ダウンロードしたものを解凍して開くと中にこの「求職」についても書かれているのが見つかります。

このソフトはレギストリーを汚さないタイプのアプリなので、気に入らなければ、簡単に削除できます。

プログラミングには全くの素人の僕には、この作者の実力が判断できません。 この程度のソフトを作るのは簡単で、このソフトを作ったからといって、日本では簡単に転職など出来ないのか、僕には全く分かりません。

ちなみにこのソフト試してみたら、だいぶ前にゴミ箱から捨ててPC上では全く見えない昔のファイルなども総て表示されて、びっくりしました。
またこのソフトはゴミ箱から削除しても、サルベージされてしまうのを防ぐ機能もあって、完全にそのデーターをHDDからなくすことも出来るようです。


2003年2月26日

昨日の日記に「Ron Mueck」の個展の事を書きました。
デジカメを持っていたのですが残念ながら撮影禁止(まあエキジビションは、普通どこも禁止ですが)で、そのリアルな(僕の一番気に入った)作品を皆さんにお見せすることはできません。

その会場から車を駐車したところに戻って来たら、なぜか景色を撮影したくなって数枚パチパチと。
ここはロックス地区といい、昔は船着場のための倉庫が並んでいたところ。
いまやすっかり整備されて昔の面影をとどめながら、中身はレストランなどの店が入っています。
なんか昔はじめてパリに行った時に思い出に残る道に似ているので。

もう一枚(右)の写真はその道の反対側(振り返った)の風景。
そこはシドニーはー場ブリッジの袂(たもと)に通じる道なのです。
上に通る「高架」が橋へ通じるのです。 二つの橋のパイロンが右の建物の向こうに見えます。

rocks_ed_01.jpg (36468 bytes) rocks_ed_02.jpg (37353 bytes)

さて、
今週我が家にはメルボルンから甥っ子が遊びに来ています。
彼は我が娘と同年齢、しかし学生時代からやっていたディスクジョッキーの仕事の収入が悪くないので、卒業してもちゃんと就職せずそのままディスクジョッキーの仕事を続けているのですが、義姉夫婦にとっては心配の種。

つまりディスクジョッキーなんてのはまともな仕事ではないと思っているわけで、確かに定期的な収入があるわけではなさそう。
つまりクラブなどと契約して(フリーランスで)やっているようですが、一応家を出てアパートを借りて独立しているのですから、そこそこの収入はあるのでしょう。

彼がやるディスクジョッキーの仕事というのは、相変わらずレコードを使うらしく、シドニーに来たのもそのレコードでレア物を探すためらしい。
本日も話していたら、昼間街に出かけて古いレコードを扱っている店で、ものすごいレアなのを見つけ、しかしその店はその価値がわかっていないのでとんでもなく安い値段をつけていたとか。

ほとんど総てのメディアがデジタル化してる時代に、LPレコードが相変わらず取引されている、それも中にはとんでもない値がついて。
彼の収集しているミュージックのカテゴリーは僕にとって全く興味の無い分野なので、よく分かりません。
彼はデジタルのメディアに入っている音楽には全く興味示さないのというの何か妙に興味はあるのですが。


2003年2月27日

日本の雑誌やテレビ番組を見ていると、日本の景気についての記事や番組が非常に多いです。
もちろん早く不況から脱出したい、経済が立ち直るのを願っての事なのですが、最近どうも何か違うのではないかと僕は思い始めたのです。

僕は経済学を勉強したことも無く、全くの素人。 理工系だった僕は文科系は大いに苦手の上に、日本を離れて30年も経つと僕の書く日本語はおおいに怪しく、表現は稚拙で、えらそうな事を書くと誤解を招きかねない。
そう自覚しているので、この日記に書く内容において、サブジェクトによっては避けている場合もあるのです。
しかし、今日はなぜか「不況」というトンネルから抜け出せないでいる日本について書いてみたくなったのです。

日本のテレビ番組(サンデープロジェクトなど)を見ていると、著名な経済学者を招いて、なぜ日本はこれほど長い不況から脱出できないでいるのか、どうしたら良いのかなどという議論を続けています。
で、その手の番組はすでに何年にも渡って続いているのに、そういう先生方の議論が少しでも役にたっているのかというと、とてもそんな風には見えないのです。

偉い先生方の議論が日本を不況から脱出させる原動力になるようには見えないのです。
なぜだろうと僕は自分なりに考えた。
で、日本の不景気はどうも政府による経済政策が正しいからとか間違っているからというよりもむしろそれ「以前」の問題ではないかと思い始めたのです。 
確かに日本が好景気の時に将来の展望をしっかり見据えた長期的経済政策が無かったというのは、今の不況の原因の一つではあると思いますが。

では何か。 僕は最大の原因は「日本人根性」だと考え始めたのです。
「日本人根性」なんて書き方をすると、大いに誤解を受けそうですが、他に語彙の少ない僕にとっては、思い当たらない。
日本人独特の考え方、行動の仕方、反応の仕方、文化、、習慣、風習。ここでは随分ブロードな意味であえて「日本人根性」と書きます。

敗戦後日本が復興する時はこの「日本人根性」大いに活躍したのです。
西欧に追いつけ追い越せと「安く、良い製品」を生産して海外に輸出し、外貨を稼ぐ、これが日本を豊かにするという時代には、まさにぴったりの「日本人根性」だったのです。
横一線並んで一人も勝手に飛び出さない「日本人」は、個性や独創性よりも、調和やチームワークを重んじ、生産性の向上へとまい進していったのです。

で、多くの日本人が時代が変わったと自覚し、新しい時代に対応した日本のあるべき姿を模索し、政府にはそれに対応した政策を期待しているのでしょう。
ですから構造改革を旗印に掲げる小泉内閣の支持率がいまだ高いのだと思います。
しかし日本は一向にこの不況から這い出す糸口が見つからないようです。
なぜならこの「日本人根性」がちっとも変わっていないからです。
つまり、時代は変わったと自覚している(と思っている)日本人自身が、じつは全く変化していないのです。
個性のある人は頭を抑えられ、独創性などが育ちにくい(日本という)社会が現実としてそこにあるのです。

ですから、世界相手に経済的自由化をして同じ土俵で戦わなければならなくなっている時に、国民の意識は僕が日本にいた50〜70年代とほとんど変化していないのです。
良い物を安く作って豊かになる「日本の」時代はとうに終わって、中国などの国にとっくにシフトしているのに、いまだ新しい時代に対応できる、新しい「日本人根性」が見えてきません。

個性を伸ばす教育に力を入れようという動きもとっくに日本で議論されているのは知っていますが、しかし実らない。 独創性を育てる環境がちっとも生まれないのです。

雇用における男女不平等も(もちろん先進国の中にもゼロとはいえないが)他の国と比べて強く残っているし。
そしてその男女差別の原因を作っているのは悲しいかな男性側(も勿論だが)の責任というよりむしろ同じ同姓の女性がお互いの足を引っ張るような現状だと思います。

他にも多くの「日本人根性」のことに触れたいのですが、限りなく出てきそうで今日の日記終わりそうに無い。

ですからせっかく今までの政治家とは一味違う「小泉内閣」が誕生したところまでは行ったのに、自分達が変わらなくともその新しい内閣が日本を変えてくれると、勘違いしている国民が大勢いるのではではないかと僕には思えるのです。

なぜこのような事を突然書いたのかはいずれまたの機会に詳しく書きますが、ある日本のウエッブ・フォーラムで(ほとんどが20歳から40歳前の年代の日本人)そこに集まる日本人の考え方(というか反応の仕方)に僕は大いにがっかりしたのが原因とだけ書いておきます。


2003年2月28日

ニュージーランドのオークランドで日本人が殺されたというニュースを見ていたら、犯行に及んだのも日本人との事。
その犯人が複数で全員日本人らしい。
事件の詳細はオーストラリアではほとんど報道されていないので、不明な部分が多いのですが、外国まで来て日本人同士で固まって(その家には複数の日本人が住んでいたようですが)殺人事件を起こすっていうのも、なんだかなあと感じてしまいます。

どうも日本人は(東洋人にこの傾向が強いが)外国に来ても結構つるんじゃうんですよね。
もちろん言葉の問題が大きいのでしょうが、英語を習得しようとオーストラリアに来ても、やっぱり日本人同士で行動して、日本語ばかり喋っているってのは良くあるパターンですな。

さて、今日は娘の家のテナントさんが引越しを終えるので、朝インスペクションに行ったら、もう「完璧」というほど綺麗になっていました。
確かに中年の夫婦だけが住んでいたので痛みも少ないのでしょうが、本当に9ヶ月以上もいたのかと思うほど汚れていないのです。
この家を購入し、前の持ち主からこのテナントさんごと受け継いだので、賃貸契約の内容は後から知ったのですが、契約を終えて出る時にはカーペットのシャンプーと、フローリングの床は再ポリッシュを(テナントさんの経費で)する事と書かれているのですが、あまりにも綺麗なので必要ないと言ったほど。

もちろん総ての家具を運び出した後に、しっかり掃除されたのでしょが、これはある意味でアングロサクソン系のテナントだったからとも言えます。
僕はかねがね美味い料理と台所の汚れは比例すると思っていて、イギリスの料理が不味いように、台所はちっとも汚れないと。

逆に昔ワーキングホリデーの若い人のお世話をする仕事をしてた時には、この点が一番の頭痛の種でした。
というのも料理好きの日本人の場合、炒め物や揚げ物はしょっちゅうで、調理台の周りだけでなく、換気扇にも油がべったりというのは良くあること。
しかしオーストラリア人の不動産屋にとっては調理台の回りにこびりついている油というのは大問題で、「こんなに汚したなら、プロの清掃業者に頼まなければ」ということになって、敷金から多額の掃除代が引かれ、借りていた日本人としばしば揉める原因になっていました。

日本人にとっては台所は調理するところだから、多少の油が飛び散ってもしょうがないという感覚、方や野菜なんて茹でるか蒸かすくらいしか料理方法を使わないアングロサクソン系では随分と開きが出てしまうのです。(野菜は茹でるより炒めるほうが美味い)

しかし今回僕らが「大家さん」の立場になってみると現金なもので、これほど台所が汚れていないと、「不味いものしか作っていなかったのでは」何てとても失礼で言えません。 もちろん大家さんにとっては嬉しい限り。
これが当たり前なら、日本人が出る時には揉める訳だわと変に納得してしまいました。

明日から娘の荷物運びが始まります。
我が家のステーションワゴンで運べるような物ばかりなので、運送業者を頼むほどのことは無いと、しっかり僕がやらされそうな羽目に。(トホホ)

そんなわけで、明日の日記はたぶんお休みする事になりそうです。

追記。
本日やっと、デジタルチューナーの新しいファームウエアーがウエッブ上で公開されたので、早速ダウンロードしてインスト−ルしました。
ほとんどの不具合が直っていて大喜び。
こう書くとまるで、コンピューターの話みたいでしょ。
これは例のデジタル地上波放送を受信するためのチューナー(セットトップボックスSTBと言う)のことなのです。

日本でもデジタル放送が(今年からだったか)開始されるようですが、今日僕がやったことを考えると、今までテレビの操作と言えばスイッチを入れる、チャンネルを切り替える、くらいの物だったのですから、本当に一般に普及するには随分と大きな壁があるようです。

今日アップしたファームウエアーにしても、自分のPCをインターネットに繋ぎ、そのチューナーを作っているメーカーのHPに行って、新しいファームウエアーが公開されているのを確認し、自分のPCへダウンロードした後に、チューナーとPCをRS-232ケーブル(NULL MODEM Cable)で繋ぎ、ダウンロードしたインストール用アプリをまず開き、最新ファームウエアーのファイルを指定して、チューナーに読み込ませるという手続きが必要なのです。

PCどころか、ヴィデオデッキの録画予約さえ出来ないというお年寄り(わが母もまさにこのタイプ)には、完全に別世界の事になってしまうのです。

近々、僕のホームページの中に「デジタル地上波放送」に関するページを増やす予定です。
日記にデジタル放送の事ばかり書いてもしょうがないので、別にページを設けて、そこで集中的に書く予定です。
僕にとってはPCとテレビの融合の時代が来たとすごく興味シンシンなので。

 


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