2002年9月後半の日記

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2002年9月16日

先日の日記(8月31日)に書いた、建築家「ディーノ」の家の売り出し。
その下見の時には家にあったイタリアからの家具や調度品が総てどこかへ運び出され、ガランドウの状態でした。

そのとき女房とも一体どこへ行ったのだろうと話していたのです。
借金のカタに、金融会社が総て持って行ってしまったのだろうと想像していました。
先週の週末に新聞を読んでいた女房が、その家具や調度品がオークションにかけられるという告知を見つけました。
やっぱり、総て差し押さえられてしまったんですね。
で、女房は興味津々土曜日に下見に行ったようです。 
あのような家に住んでいただけあって、全く封さえ切られていないような、調度品や食器などがふんだんにあり、娘のために先日家を購入したので、買いたいと思っていた物も何点かあり、全く未使用(メーカーのシールが付いたまま)の物を買いたいと言い出したのです。

僕は持ち主の境遇を知っているので、乗り気ではなかったのですが、娘を連れて昨日、日曜日のオークションに行くと言うのです。

黙って行かせていたら、使いもしない物まで買ってきそうな女房と娘なので、僕も付いて行きました。
昨日はシドニーでマラソンが行なわれる日で(オリンピックマラソンと同じコース)ひょっとしたら車でシティーにある会場まで行けないのではないかと心配したのですが、幸い裏道で行ったためか無事到着。

ところが着いてみると、そのマラソンが影響したのかオークション参加者が予想以上に少ないのです。
また新聞に出ていたオークションの告知公告が小さく、普通の人は多分見もしないでしょうし。

オークションにかけられた品物は計300点以上。
僕は下見に行かなかったので、オークションが始まってからはじめて見る物ばかり。
女房と娘はしっかりオークションカタログを片手に欲しい物に印をつけたりしています。

オークションが始まるとカタログに出ている予想価格をほとんどが下回る価格で落札されています。
コレクターがオークションに出している場合は実際の価値などをちゃんと把握しているので最低落札価格などを設定しているのですが、このような差し押さえられた品物のオークションは、もうどうでもいいから叩き売ってしまうという事なのでしょう。
ラリックやドームの花瓶や食器類など市価の20%も行かないような値段でどんどん落札されていくのです。

奢れる者久しからずではないが、あれだけの栄華を極めた家の調度品類が二束三文で売れるのを見ると、家の下見に行った時に感じた「悲惨さ」が蘇ってきます。

オークションで落札している人達を見ていると、どうやら90%以上が業者なんです。
ラリック、ドーム、などに混じってWalter Moorcroft などが投売り状態。
多分日本での価格で比較したら10分の1以下の値で売れていくのです。

家具にしても95%がB&Bで数百万円単位のものが10〜20万円で落とされているのをあっけにとられながら見ていました。

娘のために行ったので、女房たちはそれらの高級なガラス製品ではなく普段の生活に使える食器を4点買ったのですが、それでもあまりの安さに気が引けてしまうほどでした。

娘は欲しかったものがメチャクチャ安く買えたと大喜びしておりましたが、僕は最後まで複雑な心境でした。


2002年9月17日

日本では「タマちゃん」というアザラシがえらく人気を集めているようです。
このタマちゃんて、方向音痴なんでは?
いや〜それにしてもこのアザラシ、日本だからこそ注目集めるんでしょうな。
当然のようにタマちゃんのHPとか、タマちゃん関連の商品も一杯出てくる事でしょう。
タマちゃん饅頭なんてのも観衆のところへ売りに来たりするのではないかと。
この大騒ぎの方が僕には興味深いです。

シドニーなら誰も何も言わないと思います。 チヤホヤされない。
僕がシドニーで釣りを始めた当時、まだ最初の船を買う前の事です。
フェリーが行き交う湾内の岩場から釣り糸を垂れていたら、目の前をビックリするほど大きな魚が横切るのが見えました。
何と、King Fish(ヒラマサの一種、ブリ系です)!

こんな浅瀬に、それも外洋との出入り口からは程遠い釣り場なのにこれほど大きな魚が泳ぎまわっているというのに驚いたのですが、その翌週には今度は僕の釣った魚を追いかけてくる黒っぽい物体が水中を通り過ぎ、よく見たら小型のペンギンでした。

その後このスポットではアザラシ(オットセイとの違いが良く分からない)もいたのですが、その話をオーストラリアの友人にしたら、何か当たり前の顔をしてるんですよね。
そんなのはこの辺にはゴロゴロいるみたいな話でした。

しかしさすがに鯨ともなると話は別で、これはテレビのニュースでも取り上げられて、そのことは僕の日記にも書きました。
で、その鯨のについての日記を書いたら、「日本では鯨を食べる」って話題を日本からメールもらいました。
すごく美味いとか、今は増えているから捕鯨は禁止しなくても良い、等など。

ちょうど今回のタマちゃん騒動が良い機会なので、鯨について書いてみます。
数年前に僕の甥が日本から英語の勉強に来て、オーストラリアの家庭にホームステーさせようとしたら、そこの家のオバサンに「鯨を食べるような日本人は我が家には置きたくない」と断られてしまいました。
そのオバサン別段人種差別主義者ではない(そのときにもタイからの留学生を置いていた)のですが、きっぱりと断られてしまったのです。

甥はそれはただの口実だと思ったようです。 当時僕は甥に国民感情の違いなどを説明したのですが、なかなかぴんと来なかったようです。

しかし、今回のタマちゃん騒動で見物に押しかけてくる日本人にアザラシは美味いし、沢山いるから食べてみようかなんて言ったら、どう反応するのか興味深いところです。
そうそう実は日本ではイルカも食べてるんですよね。
これは「鯨肉」として売られているようです。 味は近いらしいがかなり鯨と比べて水銀などが多く含まれているようです。

今回のタマちゃんのようにオーストラリアでも鯨を見て大喜びしているオーストラリア人は沢山いて、わざわざ鯨見学ツアーなんてのも有るほど。
甥のホームステーを断ったオバサンも鯨が大好きなんでしょう。

で、一つ疑問が。 
ひょっとすると日本人は「可愛い」とか思っても「それを食べてしまえる」のではないかと。
昔パリに留学していた「Sagawa君」という人が恋人を殺して食べてしまった事件がありました。
フランスでは彼は精神異常という事で罪を償う事無く日本に帰されました。
で、彼は日本に帰って精神病院にずっと入れられているかと思ったら、評論家(まあ結構アングラのですが)として、メディアに登場したりしてるんですよね。

これはやはり日本人が愛するものは食べてしまっても異常だと思わない「なんか」があるのではないかと疑っているのですが?
どんなもんでしょう?


2002年9月18日

昨日の日記の書き方が悪かった、と言うより僕の日本語が「ヘン」なので、多少誤解されたかもしれません。
「可愛いものを食べてしまう」と言う書き方が良くなかった。

パリに留学していた「Sagawa君」が愛する恋人(パリで知り合ったオランダ人だったかな)を殺した後「食べてしまった」と書いたように、「愛するもの」を日本人は食べてしまえるのでは?と書きたかった。

つまり、オーストラリア人の多くが「鯨」を愛している(という表現の方が正確)、だからこそ「食べてしまう」という事など彼らにとっては不愉快である。
もちろん鯨を食べる習慣があった(わざと過去形。 またヨーロッパでは鯨は食べるよりもむしろ他に利用)のは知っているが。

ところがこの「食べてしまう」という行為の中に日本人(だけとは特定するべきではないが)の特異性があるのではと書きたかった。
だから「Sagawa君」が恋人を食べてしまったのを知っていても、日本国民はそれほど驚かないで、マスコミに登場させたりしていた。

もっと具体的な「例」を日本の友人からメール頂いたので引用させてもらいます。
タイトルは「犬を食う」です。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
前の会社の女の子(といっても30半ばですが)が言っていました。
彼女は秋田県の「XX」が田舎なのですが、以前、久しぶりに家に帰ったら犬がいない・・
どうしたのって父親に聞いたら食った!死んだから鍋にして食ったとのこと。
結構かわいがっていたらしいです。???

そういえば南の島の原住民は昔、愛する人が亡くなるとその肉を食べ、故人の魂が自分に宿るとかいう伝統が有ったとか。
では。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

上の「XX」は実際の地名が書いてあるのですが、プライバシーを考えて伏字に。

でしょ?
日本人(だけではないが)にはそういうバックグラウンドが有ると僕は睨んでるんですよ。
僕自身の経験でも、新潟出身の友人が「家で大事に飼っていた緋鯉が死んだら、ほとんど食べちゃいますよ」って言った時には、ビックリしたものです。
もちろん鯉は料理に使うのは承知だが、可愛がっていた鯉、ましてや真赤な「緋鯉」なんて色からして僕は絶対に食欲わかないです。

犬を食うといえば、香港からの友人曰く「チャウチャウ(犬の種類です)が一番美味い、香港では食用チャウチャウの養殖をやっているところがある」との事。
この場合は愛犬ではなく「食用犬」なので「愛している」対象を喰うのとはちょっと外れますが。

さて、日本行きは明後日に迫って、明日に娘のために買った家のセトルメント(売買契約完了)の予定で、支払いのための銀行小切手の準備などをしていたら、我が弁護士から電話が今朝あり「明日のセトルメントは無理」といきなりのドタキャン。

僕は明日のセトルメントに合わせて、日本へ行く日を決めたのに、さすがここはオーストラリア。
売主がのんびりしているというか、その家の固定資産税を滞納していて、それがクリアになってないので、いま残り全額払って所有権が移ってしまったら、我々がその固定資産税を払う義務が生じるからとか。

我々が頭金を払ってから6週間も有ったのに、売主は今週になってバタバタとやり始めたようで、ずっと滞納していたからか(なぜ滞納してたかというのも不思議なのですが)税務当局からなかなか書類が出ないようです。

来週中には何とかなるからと言って来たが、僕はもう日本。
そんなわけで本日はバタバタと、女房が僕の代わりに支払いなどが出来るように、委任状などの作成をしたり、必要も無い雑用が増えてしまいました。

また支払いのための金にしても、金利の高いオーストラリアでは、普通預金に寝かせておくなんて、金をどぶに捨てるようなものなので、慌てて短期の「バンクビル」を購入したりと。
他にもやらなければならない事が山積みなのに。
いまだ荷造りの用意などまだゼロです。


2002年9月19日

明日の出発のために、雑用に追われて日記をアップできず。
夜も女房、娘と3人で食事に出て、帰宅が遅くなり、それから荷造りを始める始末で今もうすでに夜12時を回って20日に。

日本からの日記アップは多分出来ないと思われますので、10月22日の帰豪まで、日記はお休みさせていただきます。

それでは皆様また来月に。


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