2004年9月後半の日記
by tom tanabe マグパイへ戻る
2004年9月15日
コンピューターウイルスを作って世界中にばら撒いたという少年が捕まったというニュースを読んで色々と考えさせられてしまいました。
次から次へと新種のウイルスが出てくるわけですが、僕の友人の中には「これはひょっとするとウイルス対策ソフト会社が売上を伸ばすために、わざとばら撒いているのでは」なんて言い出すのもいるほど。
ドイツ北部にある小さな田舎町「Waffensen」に住む18歳になったばかりの少年「Seven Jaschan」が逮捕されたのは今年の5月の事でした。
コンピュータウイルスとしては最も強力(悪質)な「Sasser」をはじめ、世界中を震撼させた「Netsky」系のワーム・ウイルスを作り世界中にばら撒いたというニュースは、この何も無い静かな田舎の町を一躍有名にしたそうです。
2004年度最初の6ヶ月だけでも6677種類のコンピュータウイルスが発見されたそうですが、被害の大きさのランキングで、トップの「Sasser」をはじめ10位以内にこの少年の作ったウイルスが6つも入っているとか。
彼は地元のIT関係の学校に通う、おとなしい普通の生徒で、成績は悪くは無いが飛びぬけているほどではないとの事。
つまりこれらのウイルスを製作する事はコンピューターを勉強する人間にとっては、特別な才能なども必要なくある程度簡単なのです。
ところがその被害たるや世界中に及び、被害額は計算できないほどなのだそうです。
アメリカでは航空会社のコンピューターが「Sasser」のために完全にダウンし運行が停止したり、銀行は丸一日コンピューターを使った業務が出来なかったとか、病院ではそのために緊急手術が出来なかったりなど等。
ところがこの少年には全く罪の意識が無いというのか、それが及ぼす被害などほとんど最初から考えていなかった。
とにかく仲間内で自分のウイルスが世界的に有名になるというのが「カッコイイ」って感覚なんですよね。
昔有名になった「アイラブユー・ウイルス」にしてもフィリピンのコンピューター学校の生徒が制作したわけですが、こんなに簡単にウイルスが作れてしまうというOS(つまりこの場合はウインドウズです)にも問題があるのではないか。
セキュリティーが甘いと常に指摘され続けているマイクロソフト社はその対策に躍起になっているようです。
実は今回この少年が逮捕されたのも、マイクロソフト社がウイルス製作者逮捕に繋がる情報に懸賞金を提供しているからでした。
25万ドルという大金に目がくらんだこの少年の同級生が当局にタレこんだのが、この少年の逮捕に繋がったのだそうです。
で、この少年だけではなく彼の友人(同級生)の何人かも家宅捜査を受けたらしいが、それらのコンピューターからウイルス製作用のスクリプトが入ったファイルが何千と見つかったとか。
この少年をはじめ友人達は未成年で賠償能力も無い。
コンピューターウイルスがこの世から無くなるとは思えないが、毎年毎年、アンチ・ウイルスソフトに金を払わなければならない馬鹿馬鹿しさは何とかしてもらいたいと僕は思います。
つまり金を取って販売したOS(マイクロソフト社)なのですから、アンチウイルスプログラムはマイクロソフト社が用意し、新種のウイルスにも自動アップデートで対応する責任があるのではないかと僕は考えます。
この少年のように、マイクロソフト社のアップデート情報の中に含まれるセキュリティー・ホール(脆弱性)の情報から、新種のウイルス制作の手がかりとするなんて馬鹿な事が起きているのですから。
つまりマイクロソフト社のホームページの中の情報に、新しいウイルスを作る手がかりがあるという事なのです。
2004年9月16日
日本のニュースを見ていて、どうしても判らないのが「放置自転車問題」なのです。 僕のように日本を出てから30年も経つと、日本の事情について分からない事が多くなり、かなりトンチンカンな事を言っていることも、度々あると思う。
しかしインターネットのお陰で、最近は分からない事があるとネット検索すればたちどころに判明する事が多く、僕のように海外に住む人間には、まさに魔法の箱なのです。
昔なら、日本から来たばかりの人に聞いたり、月遅れの雑誌や新聞を見たりして疑問が解決されたのですが、今や全く日本にいるのと変わらない情報を手に入れる事ができる。
しかしこの「放置自転車」に関しては、昔からの事情を知らいないためか良く分からない事が多い。
今日もNHKのニュースで放置自転車対策を自治体でやるのか、放置してある所が駅なのだから鉄道会社が費用を払うべきか、または国が面倒を見るべきかなんて事をやっていたが、僕にはそもそも何が問題なのかが良く判らない。
今から書く事は僕の想像なので間違っている事があるかもしれませんが、まずこの問題は「駅前に放置された自転車が多すぎて邪魔である」という事だと判断する。
何しろ僕が日本を出た1974年にはこの問題は無かったと思う。
僕がロンドンに引っ越す直前まで住んでいた最寄の駅は地下鉄日比谷線の「六本木駅」だったので、これは多分いまだにこの問題が起きない駅だと思うし、また生まれて育った田園調布駅にも1974年までは放置自転車の問題があったとは考えられない。
で、まずなぜに「放置」が起きるのかが判らない。
駅まで自転車に乗って出かけ、そのままずっと帰って来ない人もいるかもしれないが、普通はまたその駅に戻ってくるはず。
ではなぜ放置するのかこれが全く判らない。
次にいつまでたっても取りに来ない自転車が有ったら、駐車違反のようにどんどん張り紙でもして取り締まり、それでも名乗り出なかったら、撤去しセリにでもかけて処分してしまえば良いと思うのだが、しかしこういう事はもうとっくに行われていますよね?
それでも放置自転車が一向に減らないんでしょうか?
つまりうっかり忘れて放置しておいて没収されてしまった自転車の持ち主は、再び自転車を購入し同じ間違いを繰り返しているという事なのでしょうか?
この辺から良く判らなくなってきます。 つまり自転車を「使い捨て感覚」でしょっちゅう買い換える人がいるという事なのでしょうか。
しかしいくら自転車が安くなったといえ、何百円単位で買えるものだとは思えない。
オーストラリアではスーパーで思いっきり安い自転車でも日本円で1万円くらいはすると思う。
いや金額の問題ではなくて、自転車を使い捨てにするという感覚がだいたい僕にはわからない。
オーストラリアのように放置どころか、ちょっと停めて置いても盗まれてしまう事が頻発するような国に住むと、何日も置いておいて盗まれないという状況が摩訶不思議である。
つまり日本って豊か過ぎるのではないか。
不景気で深刻な失業問題なんかのニュースと一緒に放置自転車問題を報じられると、本当に日本は不景気なのかって疑ってしまう。
実際、日本はぜんぜん不景気ではないと僕は前から思ってるんですけどね。
駅前の放置自転車が全て盗まれてしまうほどになったら、日本の景気も深刻な状態になったと認めてあげたいと思う。
地球環境にどうのこうの、グリーンな環境を目指してどうのこうのと言う前にこの「使い捨て文化」こそ最初に治さなければならないのではないかと考えます。
で、当面の間この放置自転車はアフリカ等の貧しい国にどんどん安く売るか寄付してしまえば良いのではないかと。こんな事は簡単に出来そうなのですが、没収する放置自転車かどうかの見きわめが難しいんでしょうか?
しかしそんな事は最新のテクノロジーでいくらでも解決できると思うのです。
例えば生産時に自転車のフレームにバーコードのような認識できる物を打ち込んでおけば、その自転車が何一放置されているかなんて係員一人が携帯のバーコード読み取り機を持って巡回しコンピューターに入力する方法など誰でも簡単に出来ると思えるんですけどね〜。
その経費は放置自転車を売り払った金額でカバーできると思う。
僕にはよく判らないことが沢山有る最近の日本です。
2004年9月17日
「デジタルがコダック(オーストラリア)の600人分の職を消し去る」というような見出しが本日の朝刊に出ていました。
つまりデジタルテクノロジーの「デジカメ」の普及で、オーストラリアに有るイーストマン・コダック社はアナログ・フィルム(銀板・フィルム)の生産を今年一杯で終えると発表したのです。
それに伴い600人が職を失うという事らしいが、僕は何だ今更って感じながらその記事を読んでいました。
デジタルカメラが開発された時にすでにアナログ写真の将来というのは見えていたはずで、コダック社にしてもデジタルへの切り替えはやっていたはず。 僕はこの業界の内部事情には詳しくないのだが、同じフィルムメーカーでも富士・フィルムなんかはずいぶんデジタルで頑張っていると思う。
コダック社の場合、デジタルの技術においてライバルに遅れを取ってアナログで余る人材をデジタル部門で吸収できなかったのだろうか。
いやしかし考えてみると、まだアナログ写真が全盛の時にすでに世界のシェアーを富士フィルムに食われ始め、それに面白くないコダック社は「ダンピング」であるとアメリカや欧米で訴訟を起こしたりしていましたよね。
ですからべつにデジタルにならなくとも、どっちにしろ経営状況は下り坂だったはずなのですが、オーストラリアにおいてはコダック社の生産工場があったために、オーストラリア政府も随分と資金的に肩入れをしてきたようです。
資金的だけではなく、日本から安く入ってくる質の良いフィルム(富士だけでなく)に特別な関税をかけて価格的な競争力を失わせようとした事もあったと記憶しております。
しかし根本的な問題は経営陣の「質」にあったと僕は見ていました。
「コダック」という名門企業が「名前」に胡座をかいて企業発展のための努力を怠っていたのではないかと。
アメリカにあるコダック本社にしても2006年までに世界のコダック関連企業で12000〜15000人分の職をカットすると発表しているらしい。
考えてみると1998年に日本へ旅行をした時にデジカメを購入して以来、僕はアナログフィルムを購入した事は一度も無い。
円盤型のレコードと同じように写真用フィルムにとっても今日のような日が来るのは当然の事なのだが、新しいテクノロジーへの対応の仕方というのは企業によって大いに異なるものです。
ヴィデオテープレコーダーにしても完全に過去の物になる日がもうそこまで来ているわけですが、そのような記録型製品だけでなく、デジタルによる変革があらゆる面で起こりつつあるわけで、その最大の物のひとつが流通でしょうね。
日本のプロ野球を救おうと「楽天」が参加を発表したというニュースは昨日初めて知ったのだが、これもデジタルが作った新しい流通の形。
インターネットショッピングは僕もすっかり愛用しております。
すっかりはまっているアーチェリーにしても、僕の使う道具のほぼ90%はイギリスのネットショップかアメリカのショップから購入しております。
同じ物をオーストラリアで購入すると価格的に高いだけでなく、在庫が少なくすぐに入手できない場合が多い。
で、中には日本の製品で欲しい物が有るのでそのメーカーに電話をして価格を調べ母が日本に行った時に買って来てもらおうとしたら、そのメーカーのセールスの人に「オーストラリアにお住まいならアメリカのネットショップ Lancaster から購入された方がお安いですよ」なんて言われてしまったことも有る。
そのメーカーの物はオーストラリアでも販売している店があるのだが、値段が馬鹿馬鹿しいほど高い。 だから母が日本へ行った時と考えて電話をかけたわけだが、つくずく「そういう時代なんだ」と悟り、以来欲しい物があるとまずは英米両方の店のホームページに同時にアクセスし値段を比較しながら検討し、安い方の店でオーダー、早い時には月曜日に注文するとその週の内に届いてしまう事さえある。
イギリスのショップはユーロで価格が表示されていて、アメリカのは当然米ドル。 しかしオーストラリアドルでの価格表示もクリック一つで出きるので常に安い方で購入ができる。
一般的にはアメリカ製の物はアメリカのショップの方が安くヨーロッパ製品はイギリスのサイトから買うと安い。
しかし価格的にはほとんど差が無い。
つまり世界中の店がお互いの価格を睨みながら価格を設定しているのが良くわかる。 こんな事一つとってもいかに時代が変わったかが判りますよね。
ちなみに個人的に海外から物を輸入する場合(これはスポーツ用品に限ってかもしれませんが)オーストラリア500ドル以下の物には輸入税や消費税はかかりません。
だから一回の注文に500ドルを超えそうな場合は二回に分けたりしています。
アーチェリーに興味を持ち始めて以来、日本の弓具をオーストラリアにも紹介したいと考えているのですが、このような流通を考えると今更僕がこの業界に参入しても海外の大手ネット販売ショップに太刀打ちできっこないと考えちゃうんですよね。
写真用フィルムで言えばまさに今更アナログフィルムの販売を考えているようなものではないかと。
では皆様良い週末を。
2004年9月20日
ソニー(ソニー・ミュージック・エンタテイメントいわゆるSME)がCDにつけていたコピー禁止機能を全面的に廃止する方向で検討に入ったというニュースは大変興味深く感じました。
特に廃止の理由がアップルコンピュータの「i-Pod」などの携帯型デジタル音楽プレーヤーの人気に関係があるとの事。
つまり禁止機能がついているとCDからデジタル音楽プレーヤーに取り込めないので売れ行きが鈍る、どうしても取り込みたい人間は違法でネット上からダウンロードするようになる可能性も有るということらしい。
これは、とうとうソニーがMP3フォーマットに屈した事を意味します。
まるで昔のヴィデオテープレコーダーのフォーマット争いで、ベータ方式のソニーがVHS軍団に破れたのを彷彿させてくれますな〜。
僕は何度も日記で書いているように、最初にMP3というフォーマットが出た時、コピーに危機感を抱いたソニーを先頭とする日本のメーカーが揃って無視する方向に動いた。
確か韓国のメーカーがいち早く製品化したのだが、一部の日本のメーカーを除き大手はMP3プレーヤー製品を出す動きが全く無かった。
僕はMP3に大変興味を持ったので、MP3を扱う数少ない日本のメーカー「IO-DATA」の最初の製品を購入した。
今から4年以上前の事だったと記憶しています。
しかしその製品は、あまりにもメモリーが小さ過ぎて、MP3なのにアルバム一枚分の全曲が収まらず、結局、引出しの中に放り込んだままになってしまった。
しかしMP3はジワジワと広がり始め、アップルの「i-Pod」の登場で爆発的な人気に発展した。
いまや「i-Pod」は電化製品の量販店にまで置いてある時代になってやっとソニーや日本のメーカーは重い腰を上げ、似たような製品を出し始めた。
で、当然矛盾が生じるのですよね。 つまりソニー製のデジタル音楽プレーヤーを購入し、ソニーミュージックのCDを取り込もうとしてもできないと言う事になってしまうのです。
と、ここまで書いて、じつはMP3について数ヶ月前に書いたが日記にしていなかった分が出てきたので以下につけます。
少々古いニュースになってしまうのですが、今日を予測させるような内容なので以下につけます。(多少ダブってしまう部分はご勘弁ください)
・・・・・・・・・・・・・・・・・
ソニーがやっとというか、今頃になって、アップルコンピュータの爆発的ヒット商品「i-Pod」対抗商品を発表したようです。
ウォ−クマン以来、携帯オーデオ製品では世界をリードしてきたこの会社がなぜ今までこのような製品を出していなかったのか不思議でしょ。
変だと思いませんか?
小型ハードディスクドライブ内蔵の携帯オーデオ製品なんて、今の日本の会社の技術なら「あっという間」に作れてしまうのに。
これこそが僕が何度も言っている日本の官僚主導の「横並び」体質に根ざしているんですよね。
つまりレコード会社も傘下に納めるソニーにとってはMP3というコンピューター上で簡単にコピーが作れてしまうファイルシステムには非常に神経を尖らせている。
ですからそのMP3を広めてしまうような機器(この場合は携帯オーデオ機器)はそもそも作らないって態度だったのではないかと僕は考えています。
で、不思議なのはソニー以外の、レコード会社なんて所有していないメーカーまでも横並びで、そういう機器には無関心を装っていたわけです。 笑ってしまうのは実はその昔、ソニーがヴィデオテープデッキを開発した時に、簡単に録画できてしまうというので、当時のMGMだったか映画会社が、「著作権違反を引き起こしかねない製品」であると、ソニー相手に訴訟を起こした事があります。
そしていまや時代は変わって、そのソニーはレコード会社や映画会社を所有し、著作権侵害問題でファイル共有システムを提供する会社や個人相手に訴訟を起こしています。
またプレイステーション2(以下PS2)に組み込む事によって、海外で購入したゲームソフトもオーストラリアで販売されているPS2でプレイできることになる「チップ」を販売しているオーストラリアの会社相手にも提訴していました。
じつはマイクロソフトが販売する、ゲーム機器「XBOX」でもその手のチップは販売されているのですが、マイクロソフト社はレコード会社を所有しないためか、そのチップを製造販売する会社を訴えてはいません。
つまり著作権どうのこうのというより、ただただ「利害」で企業はどうにでも動くという典型例かもしれない。
今オーストラリアでは著作権問題で一番やかましいのは「ソニー」と相場が決まっている。
もちろん会社の利益を守ると言う事では、ソニーの一連の行為は「当然」なわけで、別に後ろ指を刺されるようなことではない。
しかし僕が言いたいのはソニー以外の日本の企業までがなぜ同じく横並びで動くのかと言う事。
これが日本の国内だけの市場を考えているのなら、コントロールしやすいから判らないでもないが、いまや世界という「何でも有り」の土俵の上で生き残っていかなければならない時代に、甘すぎはしませんかと。
戦後復興時の官僚主導の護送船団方式ではないが、確かにその時代には効果があった政策も、今は時代が違うわけで、もたもたしてたら気がついた時には日本の得意な分野もほとんどが「中国」に占領されてしまっているって事になるでしょうな。
MP3だけでなくDVDのフォーマットにしてもどんどんと新しいのが出てきているのに、なぜか日本の製品(DVDプレーヤー)は非常に慎重ですよね。確かにDVDの新しいフォーマットの中には圧縮の凄さで、映像のMP3化というような面もありますからね。
・・・・・・・・・・・
この文は大分前に書いたのだが、今日のニュースに偶然繋がっていたので加えました。
2004年9月21日
中国、山東省では裁判の量刑をコンピューターで決める「電脳量刑」が盛んらしい。
「電脳量刑」とは、短時間のうちにコンピューターが量刑をはじき出してくれるのだそうだが、それに不服として控訴するケースはゼロなのだそうだ。
つまり中国では人間が裁く場合は、不正が入り込む余地がかなりあるという事なのか。
その点オーストラリアは、裁判官に賄賂を贈ったりして手心を加えてもらうなどという不正は少ないはずだが、違った意味で量刑に大きな差が付くことがあります。
つまり貧乏人は国選弁護人しかつけられず、金持ちは有名弁護士を雇う事により量刑に差が出ることは明白な事実です。
これを不公平というのか、または今の裁判システム上起こりうる事で、致し方ないと考えるのか。
また刑事事件でなくとも例えば交通違反のような場合でも、交通裁判所での弁護の仕方によっては判決にかなりの差が出ます。
これがあまりにも酷いので、とうとうニューサウスウエールズ州では飲酒運転に関しては一切の情状酌量を排除すべきであるというガイドラインを最近出したほど。
つまり酒酔い運転の場合、血中のアルコール量にもよるのだが、免許を失ってしまう可能性が高い。
で、情状酌量を求めて色々な言い訳を使うらしい。
「肉親の葬儀の後ちょっと一杯引っ掛けてしまった」とかの理由は(それが事実かどうかはともかく)、かなり効果があったらしい。
かれこれ20年近く前、今のポルトガル人のオバサン、「ファティマ」が我が家に掃除に来る前の事です。
ニュージーランド出身のグレッグという筋骨たくましい青年が毎週我が家の掃除に来てくれていた。
好青年で仕事もしっかりするので大変満足していた。
3年近く経ったある日、彼から突然電話があり、残念ながらもう仕事は続けられないと告げられた。
ビックリして事情を聞くと、週末に友人とラグビーの試合を見に行き、贔屓のティームが優勝したので大喜び、皆と近くのパブへ行って祝杯をあげた。
で、少々飲みすぎたのは自覚していたのだが、車を運転して帰宅途中に飲酒運転で捕まってしまった。
血中のアルコール量が規定以上に多かったので、即免許取り消し処分になってしまった。
免許が無いということは当然車は運転できない。 車がないと各家庭へ掃除機などを持参で掃除に行く仕事ができなくなるという事になってしまったわけです。
つまり、突然にそれまで築いてきたお得意を全て失い失職してしまったのです。(その後彼はすぐに他の職も見つからず母国ニュージーに帰ったらしい)
彼は裁判で情状酌量を訴えたのかどうか知らないが、やり方が下手だったのか、免許を失ってしまった。
このようなこともあるので、うっかり飲んで運転していきなり免許を失ってしまってから事の深刻さに気がつく人もいるはず。
だから交通裁判でできる限りの言い訳(嘘)をしてでも何とか免許証の失効だけは避けたいとするわけですが、結構オーストラリアの裁判官によって量刑に違いが出る、その差が大きいというか。
グレッグのように本当に失職してしまった人間がいる一方、うまく言い訳をして何とか逃れてしまった人間もいるような不公平は、人間が人間を裁く限り当然起こりうる。
だからオーストラリア政府も業を煮やして今回のガイドラインになったのでしょうが、交通裁判などは中国のようにコンピューターに任す「電脳計量」が良いかもしれませんな。
少なくとも不公平はなくなると。
こんな事を書いていたら、確か昔の僕の日記に書いた小野君の事を思い出してしまった。 彼は危うく交通違反で刑務所入りになるところを、僕が雇った弁護士の腕(というより思いっきり大嘘のストーリーを作る事によって)で何とか防いだのを思い出しました。
あの日記はいつ書いたのだったやら。
2004年9月22日
数多く送られてくる「ジャンクメール」に混じって、「録画ネット」という会社からメールが来ました。
すぐに気がつかず危うく捨ててしまいそうになったのですが、これは海外に住む日本人のために日本のテレビ番組を提供する会社です。
http://www.6ga.net/2ki3ji_hoketsu.php
早速どんなお知らせだろうとそのHPへ見に行ってみたのだが、やはりと言うか僕の想像したとおり「日本のテレビ局数社がサービス停止を求めた仮処分」が申し立てられているんですね。
で、何が問題かを説明するために、この会社のサービスの内容について少々書いてみます。
まずお客はこの会社からコンピューターを購入する事から始まります。
お客は海外に住んでいますが、このコンピューターは日本に置かれ、この会社が管理します。
コンピュータにはテレビ番組を録画できるようにキャプチャーカードが含まれていて、見たい番組を海外に住むお客がインターネットでその「自分の(これが大事)コンピューター」にアクセスし予約録画などをします。
で、録画が終わったら見たい時にそのコンピューターから自分のコンピューターに転送して見るわけです。
全ての操作は客自身がやるわけです。
つまり考え方によっては、日本の自宅または友人宅に自分のコンピューターを置いてもらい海外からアクセスしてテレビ番組を録画し転送するというのと同じなのですが、友人に迷惑をかけるより、コンピューターの調子が悪くなったりした場合、保守点検もやってくれるし、また送受信も営業用の高速回線を使っているはずですから、海外に番組の大きなファイル(何百メガバイトから数ギガバイトと考えられる)を送るのもスムーズになるわけです。
ここのどこが問題で、仮処分が申し立てられているのか僕にはさっぱり判りません。
例えば海外には(僕の住むシドニーにも当然)日本のテレビ番組が録画してあるビデオをレンタルする会社があります。
日本で録画して航空便でまとめて送りレンタルしているのでしょうが、こっちの方がよっぽど著作権違反などに抵触するはずだし問題があるはず。
しかし今まで(少なくともオーストラリアで)この手のレンタルビデオ屋が摘発されたなんて聞いた事が有りません。
まして自分のコンピューターで録画したものを自分が見るのですからこの仮処分申し立てが認められるのかどうか僕には大いに疑問です。
ここまで読んでもうお判りになると思いますが、テレビ局は何が何でもこの会社に儲けさせたくない、つまり自分のところで製作した番組は自分のところで儲けたいと考えているから、このような行動に出ているのでしょう。
で、僕ら海外に住む人間にとっては誰が儲けようと「見えれば」良いわけでテレビ局がやってくれるのならそれに越した事が無い。
ところが日本のテレビ局は一向にこのようなサービスを始めようとしないんですよね。
テレビ局が独自にやればもっと簡単に安く配信できるはずなのにやらない。(放映権の問題があるのは判ってはいますが)
自分のところでやらないのに他の会社がやろうとすると、妨害する。
随分了見が狭いと僕はいささか頭に来ております。
この「録画ネット」にしても毎月50米ドルもかかるのでちっとも安くない。 その上今の僕にとってはどうしても見たい番組がほとんど無い。
まあこれは日本から親切な友人が番組を送ってくれているからと、NHKは衛星放送で見ているからでもあるのですが。
日本のテレビ局もこんな事をやっていないで、新しいデジタル放送の時代に向かってもっと魅力的なコンテンツを創るなどに力を入れてもらいたいと考えています。
何しろ日本でもデジタル地上波放送が始まったのに、画質以外はほとんど何も変わっていないように見えるんですけど。
2004年9月23日
我が女房が先生業から引退してちょうど1年が経ちますが、文部省の依頼で、HSC(Higher School Certificate)の試験及び採点は継続しております。
HSCは高校卒業前に受ける全国共通試験で、大学進学時にその成績が反映されます。
で、この時季がその試験の始まりで女房も試験会場に出かけ試験や採点をしているわけですが、もう先生をやっていないので久し振りのお仕事、なんだかうきうきとしてやっているように見えます。
長年この仕事をやっているので今は試験官の先生たちをスーパーバイズする役割で、今年は文部省の方から事前に色々な注意事項を受け取ったのですが、その中に「カンニング」つまり不正行為についてあったようです。
「カンニング」、なんだか懐かしい響きでもありますが、最近はこれが新しいテクノロジーで行われているらしい。
いわば「ハイテク・カンニング」で、すでに何人かの生徒がこの問題で捕まっているらしい。
その1。
試験会場には携帯電話は持ち込み禁止になっています。
しかし試験会場に入る生徒のボディチェックを行う事は出来ないので、隠し持って入場する人間も出てくる。
で、オーストラリアでも最近はカメラ付きの携帯電話があるのですが、これで不正を行うらしい。
先日試験中に捕まった生徒の場合、まず答案用紙が配られてからその携帯で撮影して送信、それを受けた人間が回答を文字(メッセージ)で送り返すという方法です。
その生徒の不正をどうやって試験官が見つけたのかわかりませんが、最近の携帯はとても小さいので手のひらの中に隠せるほど、かなり見つけるのも大変になっていくでしょうね。
その2。
僕は見た事は無いのですが、腕時計型のもので時間以外に電話番号などデータを入れる事ができるのがあるらしい。
それに数学の公式をすっかり入力して「カンニング」をしていたらしい。
試験官はその生徒が何度も何度も腕時計を見るので、なぜこの生徒は試験が始まったばかりなのに時間をそんなに気にするのだろうと不審に思い、その生徒の挙動に注意していたらしい。
両方の生徒とも即会場から出され、試験は零点と言う事になったようですが、この手のハイテク・カンニングは将来もどんどん出てくるでしょうな。
何しろ日本の携帯電話会社は自分の腕(手)を受話器とするテクノロジーはとっくに開発している。
確か腕時計型の携帯電話で電話がかかってきてもいちいちポケットから取り出して話さなくとも、自分の手首から腕の中を電流が流れて手のひらを自分の耳に当てると相手の声が聞こえたりするらしい。
そんなのが一般化したら、「頬杖」をついているような動作で電話を使った不正が簡単に出来てしまうわけです。
こんな事を書いていたら大学時代の同級生の事を思い出しまた。
今から35年以上も前の事なのですが。
その「U君」は夏休みにアメリカに行って「すごいもの」を手に入れて来たのです。
それは何の変哲も無い筆箱に見えるのですが、カンニング用に特殊なデザインになっているのです。
簡単に説明すると二重底なのですが、しかし簡単には見つからないほど精巧に出来ていました。
彼は全く隠すことなく、友人達にその筆箱を見せたりしていただけでなく、大学在学中全てそのお陰で良い成績を取り、希望していた一流企業に就職していきましたっけ。
大学では試験官は生真面目に生徒の間を見回ったりする事が少ないので、もう思いっきりその筆箱の隠し底には公式等が書かれていたものです。
不思議なもので彼一人が不正をして良い成績を取っていても、誰一人として告げ口などもせず、結局彼は卒業までバレなかったのですが、我々同級生もけっこうナイーブだったんでしょうな。
ああやってうまく(というか不正に)立ち回って無事卒業し、一流企業で働き始めた彼ですが、今頃どうしているやら。
彼のように若い時に不正でうまくやった人間は、その味をしめてしまい、結局企業の存続を危うくするような事をしでかしてしまうのではないかと。
彼は建設関係に進んだのだが、手抜き工事なんかしてたりしてと色々昔の事を思い出してしまいました。
彼の筆箱は今のハイテク・カンニングと比べたら随分アナログでしたけどね。
2004年9月23日
いよいよ今週はF-1の中国グランプリが始まります。
僕がF−1を見始めてから30年以上経つが、中国で開催されるってのが非常に感慨深いです。
共産主義の国、ましてや実利主義的な考え方の多い中国人にとっては、モータースポーツってどうも馴染まないって僕は考えていた。
モータースポーツっていうのはいかに金を「どぶ」に沢山捨てられるか、つまり無駄の競争みたいなものだからこそ、金に厳しい関西人は関東のやつらにどうしてもかなわないんだと、その昔関西でレースをやっている人間に言われた事がある。(まあ全てが当てはまるわけではないが、モータースポーツの本質を突いているともいえる)
だから中国F-1の開催はモータリングの発達とか、モータースポーツの人気に支えられてというより、中国の経済的発展を世界に誇示する道具としてそれはモータースポーツであろうと、オリンピックであろうと何でも良いのではないかと。
それにしてもこの上海のレース場(サーキット)、その規模や設備には度肝を抜かれますな〜。
http://www.crash.ne.jp/individ/sawada/gprpt/index.html
上記のHPに有る中国GP上海の項の「凄いってか」を見ると、グランドスタンドの写真なんか、凄過ぎてコンピュータグラフィックスではないかとさえ思ってしまう。
ちなみにこのサーキットは上海の「上」の字をモチーフにデザインされているとかで、上空から見ると確かに「上」の字の形をしております。
初めて開催されるサーキットでの戦いは、チームの実力とドライバーの腕を判断するのには良い材料なわけで、特に佐藤選手と同僚のジェンソンバトン選手のタイムが大いに気になりますな。
この中国と次戦の鈴鹿(日本GP)そして最終戦のブラジルと残るところたった3戦、僕はどうしても佐藤選手に優勝をしてもらいたいと願ってるんですけどね。
でもこの中国での僕の予想は佐藤選手、エンジン・トラブルかなにかで完走できないような気がしています。(予想が外れる事を願っているんだけど)
鈴鹿では2位だとも予想しております。 2位でも歴代日本人ドライバーの歴史の中では初めてになるのですが、僕はそれでも満足できない。
それほど可能性が有ると感じているからですが。
このような規模のサーキットを作ってしまう中国の事、北京五輪の時にはすごい事になっているんでしょうね。
話ではもう北京五輪建設は着々と進んでいて、建物などもかなり出来上がりつつあるんだと。
予定よりも早く進んでいるとかで、この辺もさすが中国と感じさせられます。
なにしろアテネ五輪では水泳会場が間に合わないでとうとう屋根をつけるのを諦めたために、青空会場になっていたわけで、やっぱり「ギリシャ」と感じたものです。
ちなみにそう感じていたのは僕だけではないようで、オーストラリアのテレビコマーシャルで、アテネ五輪会場の建設が遅れて選手が建築資材がまだ積み上げられて置かれたままにしてある競技場の中を選手が走っているというのがあった。
これはオーストラリアのポテトチップのテレビコマーシャルなのだが、陸上競技場建設にかかわっている工事人達が、あまりにもポテトチップスが美味しいので、いつもサボって皆でポテトチップスを食べながらお茶してばかりで、ちゃんと働かないからというような内容でしたが、随分失礼な話ではある。
さて話は変わって、シドニー・モーニング・ヘラルドという新聞を発行するフェアファックス社が新しいビジネスを始めたようです。
それはレンタルDVD。
女房のオバサンテニス仲間の一人(中国系オーストラリア人)にそのサービスで最初の一月は無料だから申し込んだら良いよと勧められたらしい。
サービスの内容は、まずその新聞社のHPにアクセスし、メンバーの申し込みをする(自分のクレジットカード等の入力が必要です)。
そしてそのHP内に有るカタログから見たいタイトルのDVDを選び申し込むと、それが郵送されてくる。 届いたDVDを見ると、そのDVDを新聞社に返送するための封筒も同封されている。
原則的に何枚(何タイトル)申し込んでも良いし、在庫が切れない限り何枚でも送ってくるのだそうです。
その上いつまでに返送しなければならないと言う規定も明記されておらず、我が近所のレンタルビデオ屋のように新作は翌日返済なんてけちな事も言わない。
早速女房はそのウエブサイトにアクセスしてカタログを見たら、約6000ものタイトルがあるとか。
で、女房が申し込んだDVDが届き始めたのですが、最初の一月はお試し期間で無料、2ヶ月目から有料になる仕組みですが料金は色々なコースが有るようです。
レンタルビデオ屋で借りたら一本7〜9ドル位してしまうのですが、このサービスだと料金的にはかなりお得のようです。
このサービスが定着したらレンタルビデオ屋は随分と打撃を被るのではないかと心配してしまいます。
日本でも新聞社やソニー等の大手がこのようなサービスを始めたら街のレンタルビデオ屋は厳しいでしょうね〜、と書いてそうだ!日本ではネット配信がと思い出した。
日本ではネット網の充実と「光」等の高速ネットが着々と進んでいるので、ネット上で「オン・デマンド」で、郵送さえ必要ないわけですから。
(多分このサービスもう日本では始まっている事と想像しますが)
先日の日記にも書いたように(オーストラリア・コダック社のアナログフィルム生産中止)、まさに産業革命のごとくITが流通構造や商品内容を大きく変えつつあるようです。
2004年9月27日
シドニーはすっかり夏らしくなってきました。
日中は30度を越える日もあって、屋外でアーチェリーをしていると、かなり汗ばんできます。
昨日の日曜日は友人の披露宴へ行ってきました。
場所はVaucluse(ヴォウクルーズ)に有るヨットクラブ。
初夏の昼下がり、カジュアルな雰囲気の中、とても楽しいパーティーでした。
パーティは苦手な僕ですが、今まで呼んでもらった披露宴の中で一番エンジョウイできたのは、素晴らしいジャズの演奏があったから。
というのも新郎がジャズ・ミュージッシャンなのでミュージッシャン仲間が大勢集まってセッションが始まったのですが、ヨットクラブのテラスでシドニーのハーバビューを眺めながら、ジャズをBGMにおしゃべりするなんて最高でしょ。
新婦は女房の先生時代の同僚で、フランス語の先生。
2人が知り合ったのは、新郎がカナダへ演奏旅行に出かけた時との事。
そう、彼女はカナダ人なのです。
彼女がオーストラリアに引っ越して来て10年。 てっきり彼らはもう結婚していたと思っていたのですが、同棲だったんですね。
カナダからいらしたご両親、特にお父さんはとても嬉しそうでした。
やっぱり娘が10年間も同棲していたら心配になるのかもしれませんね。
さて、このホームページの読者の方から頂いたメールに、僕のカタカナ表記に付いて書かれていたのですが、自分でも気になったのでちょっと書いてみます。
(なんか僕の表記が面白くて楽しんでいられるようです)
この日記の中で英語をカタカナ表記する時に、どうやら僕は日本で通常使われる表記と違った書き方をするらしい。
全く自覚が無い場合が多い。(判っていても直さない場合も多い)
多分これは僕自身の性格によるところが多いのだと思います。
つまり、他人がどう書いていようと全然気にしないと言うか、気が付かない。
長年英語圏に生活をしていると、どうも日本の実情からかけ離れてしまう事が多いのも事実。
例えばこの日記を書くときに僕はローマ字入力をしています。
つまりカタカナと入力するにはアルファベットの「K・A・T・A・K・A・N・A」キーを押して、変換キー(カタカナに変換する場合はほとんどF7キーを押して変換してしまいますが)で「カタカナ」という字にしますよね。
で、例えばVIDEOを日本でカタカナ表記をする時は「ビデオ」でしょ。
「ビデオ」と表記するには、「BIDEO」と押さないと、「ビデオ」になりませんよね。
でも、どうしても僕は「Bキー」ではなく「Vキー」を押してしまうんですよね。
だって本来の英語は「VIDEO」だから。
で、「VIDEO」と入力、変換すると「ヴィデオ」になるでしょ。
これが「おかしい」っていうか日本ではそう書かないって自分ですぐに気が付かないことがある。(後で気が付いて直すときもある)
こういう性格って実は英会話上達には大いに障害になっていると思う。
つまり自分の耳に入ってくる回りの(オーストラリア人の)英語を気にせず、自分風(自分訛りと言うか)に喋ってしまう。
だからいつまでたっても僕の英語は現地人と間違えられるほど発音がうまくならない。
僕が大学に入学した時に同じクラスには地方出身の学生が何人もいたが、入学後1年もしないうちにすぐに東京弁になってしまう同窓生と、卒業まで全くお国訛りのままってのがいた。
べつに東京に来たから東京弁にする必要は無いのだが、直したくとも直らないのもいる。
「コテコテ」の関西弁を卒業するまで貫いた友人は、多分彼自身が関西弁に「誇り」を持っていて最初から直す気が無かった場合もある。
しかし東北出身で、東京弁に直そうと頑張ってすぐに訛りの取れてしまう人と、どうしても訛りが残ってしまう人っているでしょ。
多分自分の耳から入ってくる音と、自分の口から出ている音の違いに気が付かない、または判らないからではないか。
これはカラオケなどにも言えると思う。
つまり耳から入って来たメロディーを、同じように自分の口から出す事ができる人は歌のうまい人で、僕のように「超オンチ」は、結構自分ではそれなりに歌っているつもりでも、かなり外れているというタイプ。
しかし、それはその人の才能だけによらず、性格によるところも大きいのではないかと僕は考える。
僕自身の性格を考えると、もし僕が関西出身で東京に住みに行ったとしても、すぐに東京弁にならないタイプなのではないかと。
だから僕の英語は英語圏に住んで30年も経つのにいまだに訛りの強い「僕風の英語」なんですよね。
で、これがちっとも気にならない。 移民の多いオーストラリアでは、僕みたいに訛りの強いのは一杯いる。
我が隣人で65歳になるブルーワーさんは10代の時に親と一緒にハンガリーから移民してきた。
普通10代で新しい言語を覚えると、バイリンガルと言うのか、全く現地人の発音と区別がつかないほど上達するはずなのですが、彼の場合もう思いっきりハンガリアン訛り。
かなりビジネスで成功している人で、何人も従業員を使っている会社の社長だが、その英語で全く問題ない。
つまり必要な事がちゃんと通じれば良いわけで、オージーと聞き間違えるほど滑らかな英語を喋る必要など全く無いと考えているわけ。
逆にお国訛りが自分のアイデンティティーだと思っているふしもある。
何か僕のカタカナ表記の話から飛んでしまいましたが、僕のHPを見に来られる方の中には、英会話の上達を目指している方もいると思いますが、大事なのはボキャブラリーであると僕は言いたい。
発音なんて、そりゃ〜うまいに越した事無いが、相手に迷惑がかからない程度にちゃんと通じればいいのですよ。
昨日の披露宴で新婦のお父様のスピーチもあったのですが、これがもうコテコテのフィリピン訛りの英語。
新婦のご両親は、母親がカナダ人(白人)で父親はフィリピン出身。
子供達の年齢を考えると、少なくとも40年近く英語圏(カナダ)に住んでいるはずですが、やはり訛りは抜けていない。
何か聞いてて嬉しくなってしまいました。
2004年9月28日
シドニーの学校は春休みに入ったようで、学校が近くにある我が家の前は行き交う車も少なくとても静か。
陽気はすっかり初夏らしくなっているのですがまだ9月、シドニーは春なんですよね。
朝女房と散歩に出かけたら、歩道に新品同様の真っ白なベイビー・コットが置いてるのが目に入った。
ベイビー・コット(COT)とは生まれたての赤子を入れておく籠(カゴ)ようなベッドです。
一瞬僕は「赤ちゃんが捨てられている」なんて思って、そのコットに近づいてみたら中身はカラ。
粗大ゴミの日ではないし、こんなに新しい籠を捨てる人がいるのかと不思議に思って女房に「誰か赤ん坊を捨てたのかと思った」と言うと、女房は笑って「赤ん坊を盗む人はいるけど、今時赤ちゃんをもらってくださいと、置き去りにする人は少ないんでは」と言う。
確かに考えてみると、オーストラリアではフォスター・ファミリーというのが親のいない子供や、何らかの障害で子供を育てるのに問題のある親から子供を引き取って育てると言うのが結構多い。
そういう話をしていたら女房が「先日メルボルンで赤ちゃんを盗んだ女性の話憶えている?」と言う。
先月だったか、テレビのニュースで、メルボルンのショッピングセンターで、お母さんが店の前に乳母車を置いてちょっと店に入っている間に、乳母車ごと乳飲み子が盗まれ、それがショッピングセンターの防犯カメラに写っているというのを何となく思い出した。
その後どうなったか知らなかったのだが、なんだか事件は思わぬ方向へ発展していたのだそうですが、結構笑ってしまう内容だしハッピーエンドで終わった事件だったので書いてみます。
赤ちゃんを盗んだのは麻薬患者の女とそのボーイフレンド。
で、その女は何度か出産をしたのだが、麻薬患者で子供を育てる資格が無いと、取り上げられて(上記の)フォスター・ファミリーに出されてしまったらしい。
女としては子供が欲しくてたまらない。 せっかく産んでも取り上げられてしまう。
で、その日ショッピングで乳母車に入った可愛い赤ちゃんを見つけた女は、思わず乳母車ごと盗んでしまったんですよね。
ところが、、。
盗まれた赤子の家族は何と!メルボルンでも有名な「マフィア」だったのです。
そして今メルボルンではこのマフィア同士の抗争が激化していて、何人も撃ち殺されたりしているのです。
アメリカマフィアを扱った映画なんかで、レストランで食事中のボスがいきなり頭を撃たれて殺されてしまうっていうようなのが現実にメルボルンでも起きていた。
ですから、この赤子の誘拐もマフィア同士の争いの一部ではないかという事になり、大騒ぎになった。
一方、女はテレビのニュースで自分の盗んだ赤子が、何と有名なマフィアの孫だとわかり震え上がってしまった。
麻薬のやりすぎで頭はいい加減ボケていても「事の重大さ」はしっかり判ったみたいです。
ショッピングセンターの防犯カメラにも赤子を盗むシーンが写っているし、
バレるのは時間の問題、しかし出て行ったら殺される、警察よりもよっぽど怖いと言う事になってしまった。
で、赤子を人気の無い倉庫に捨てに行った。
運良く早朝散歩している人が赤子の鳴き声を聞き、警察に連絡を取り赤子は親の元へ。
で、結局この女も捕まってしまったのですが、いや〜怖かったでしょうな〜。
それにしても、赤子を盗むほど切実に「子供が欲しい」っていうこの女も可哀想ではあります。
何しろ子供を作ろうにも作れない体と言うわけではなく、実際に何人も作っているのにその度に取り上げられてしまっているという。
多分この女はヘロイン中毒か何かで、リハビリセンタへ入退院を繰り返しているような人間なんでしょうが。
しかし子供が欲しくてもできないという人は養子を取るという方法がありますが、オーストラリアでは一時期東南アジアや南米などから見つけてくるのが多かったですな。
最近はどうなっているのか判りませんが、我が娘の同級生にも一人いました。
笑ってしまうのは初めてその同級生とその親、そして我が娘と女房4人で一緒に食事に行った時、その親が女房に「うちの娘は南米のチリからだけど、お宅はどこの国からですか?」と聞いたらしい。
一瞬女房は「???」となったが、すぐに我が娘がハーフなので女房に全く似ておらず、うちも養子だと勘違いしている事に気がついた。
確かに我が娘は僕(日本人)とオーストラリア人の混血なのに全くどちらにも似てないんですよね。
子供の時から外でテニスばかりやっていたために、肌の色も濃い目でまるでタヒチとかの方から来たみたいに見える。
ですから、その話を女房から聞かされた時に僕は思わず吹き出してしまったのを思い出します。
その娘ももう26歳、まだ未婚ですが将来彼女に子供が出来たらどんな顔になるやら。 何かちょっと見てみたい気も。
2004年9月29日
今日は検索について書いてみます。
インターネットの楽しみの一つは、色々な質問や疑問を検索エンジンを使って、瞬く間に回答を引き出せる事。
昔だったら百科事典を引っ張り出したり、図書館に行って調べたりと時間が掛かった。
しかし今や、クリック一つで自分の知りたいことが見つけられるなんて、たった10年前でさえ考えられない事でした。
さて、その検索ですが皆さんは、どのサーチエンジンをお使いですか? 僕はもっぱらGOOGLEで、一時期はブラウザ(インターネットエクスプローラー)にGOOGLEからサーチ・バーをダウンロードして組み合わせ、使っていました。
最近はSleipnirを使っているので、その機能の中にある検索で全てが足りています。
何度も書きますが、このSleipnir本当に優れもので、使い出したらインターネット・エクスプローラーは見向きもしなくなってしまった。
特に組み込まれている検索エンジンはほとんどが網羅されているので、GOOGLEで見つからなくとも同時に何個ものウインドウを立ち上げて同時検索できたり。(これがいわゆる「タブ・ブラウザ」の最大の利点です)
超お勧めの「逸品」ですので、時間が有ったらこのHPサイトを覗いて見てください。↓
http://sleipnir.pos.to/software/sleipnir/
さて、話がちょっとブラウザにそれてしまいましたが、次に検索の仕方を書いてみます。
僕はこのHPの日記を書く時も含めて、サーチエンジンを活用する事が多いのですが、特に自分のホームページの中で昔書いた事を思い出そうとする時、一体何時の日記に書いたかすっかり忘れていて、捜すのに苦労する事がしばしば。
何しろご覧のように、日記のページはかなりのページ数になるので。
そういう場合にもこの検索エンジンが大いに重宝します。
で、この場合どういう風に検索するかというと、例えば僕の日記の中で「ヤカン」について書いたページを捜すとします。
「ヤカン」なんて単語で検索したら、もう何百万ってページが出てきてしまうでしょ。
いくら「ヤカン」以外に「日記」だ「マグパイ」だと打ち込んでも、他のホームページが出てきてしまい何ページもある中から見つけるのは大変。
そんな時には「ヤカン site:grandeegranite.com
」という風に打ち込むと賢い事に僕のホームページの中だけを捜して出してくれるのです。
いや〜本当に便利です。
次に、調べたい単語があまりにも一般的な場合。
例えば「自動車」なんてのはもう無数にあるでしょ。
で、「電気自動車」を調べたいと思った場合、そのまま「電気自動車」と打ち込んで検索かけても「電気」という単語と「自動車」というのが両方別々に検索されてしまう。
つまり電気自動車については全く関係ないが、たまたまそのページに「自動車」という単語と「電気」という単語が有った場合もそのページも表示されてしまうわけです。
で、その場合は「電気自動車」の単語の前後に「"」マークをつけて「"電気自動車"」というようにして検索をかけると、「電気自動車」だけに絞り込まれる。
今やってみたら「電気自動車」だと68万件検出されてしまうが、「”電気自動車”」の方法だと69200件と約10分の一に減る。
また僕のHPの中を調べる方法と反対に、特定のHPを除外して検索する方法も取ります。
これは「2Ch(ちゃん)」という巨大サイトのお陰で、検索かけるとその「2ちゃん」のページばかりだ大量に出て来て、全く役に立たないばかりか非常に手間が増える事がよくある。
そういういう場合には
「調べたい単語(上記の場合はヤカンでしたが)-site:2ch.net」と打ち込むと、うざいページが表示されなくて良い。
僕は女房と知り合ってから(いや子供の時から)しょっちゅう「なんで?」や「どうして」と聞くのが癖になっていると言われた事が有る。
普通の人はあまり疑問に思わないようなどうでも良い事でもなぜか非常に興味を持って知りたくなってしまう性格で、ネットを始めて以来、この僕の欲求が大いに満たされてしまうのもこの「検索」のお陰なのです。
明日はその検索で知った南の海に浮かぶ世界で最も小さな独立国家
Nauru(ナウル)共和国について書いてみます。
2004年9月30日
今年ももう4分の3が終わってしまった。 残り3ヶ月、何でこんなに時が速く流れていくのか。 恐怖感すら感じます。
さて、
南太平洋に浮かぶ「Nauru
ナウル」という島をご存知ですか。
先日ABCテレビの番組でこの島の「財政危機」に関するドキュメンタリーをやっていて、遠い記憶が蘇ってきました。
「カウラの暴動事件」を取材するために、今から20年程前に日本で何人かの生き残りの元日本兵にインタビューをした時に、この島の名前が出たのです。
この島は第二次大戦中は一時期日本軍の統治下にあったのです。
しかしそのインタビュー後はすっかり忘れていて、その島の存在すら記憶の片隅から消え去ろうとしていた。
だいたい、そのインタビューの時にも「島」のことは詳しく調べる事も無かった。
で、たまたまそのABCのドキュメンタリー番組を見て想像もしていなかった内容なのでビックリしたのです。
まず、この島はたった約20キロ平方(大雑把に縦4キロ横5キロっていうと大体その大きさが判ると思いますが)の本当に小さな島なのですが、ちゃんとした独立国なんですよね。
1968年に独立し、1999年国連にも加盟し 独立国の中では世界で最も小さな国なのだそうです。
しかしなぜか通貨は豪ドルだったりします。 地理的にそれほどオーストラリアから近いとは思えないのだが。
実はこの国はメチャクチャお金持ちだったのです。 その理由は島から大量の「燐(りん)」が産出されていたから、いや島自体が「燐」で出来ているというようなものなんですね。
で、この「燐」は肥料として世界中に輸出され大変な外貨を稼いでいた。
豊かな国だから、オーストラリアがほうっておかなかったと言う感じがしないでもない。
どのくらいリッチだったかと言うと、まずたった12000人(2004年7月現在)ほどの人口なのですが、所得税が無い。
失業者がゼロ。 正確に書くと職を求めている人がいないから「失業」が無い。 働いているのは外国からの出稼ぎ者くらいなもの。
国民医療も充実していて、複雑な治療は国費で患者をオーストラリアに送り、そこで長期治療療養などをさせている。
医療だけでなく教育もオーストラリアから先生を雇っていた。
国民の誰もがこの「燐」のお陰で働く必要が無い。
周りは海なのに漁業も誰もやらない、だからこの国で売っている海産類はオーストラリアの会社が、この島の近くまで来て漁をしてオーストラリアに持って帰り、それを輸入しているというありさま。
島で働いている人間は政治家か外国からの出稼ぎ者だけという始末。 ところが、この政治家がまた思いっきりアジャパーだったのが運の尽き、燐の需要が減り、また生産コストもかさみ、その上島の燐がほぼ掘り尽くされ、埋蔵量も底を尽き始めて大変な不況を向かえることになった。
この燐だが、20世紀の初頭にはすでに英国とドイツのコンソーシアムがこの燐の採掘を始めていたらしい。
こんな事になるのは最初から判っていて、打つ手は色々有ったはずなのだが例によってドジな政治家が私服を肥やすのに一生懸命で、やる事なす事うまくいかなかった。
一応燐の輸出で儲けた金は海外投資に使われたらしい。
オーストラリアや近隣諸国はたまたグアム(ホテル)やアメリカ本土にまで不動産を取得していったらしいが、これがほとんどちゃんとした利益を出していない。
グアムのホテルの場合、実際のオペレーションは全日空がやっているらしい。
その収支は良く判らないが、メルボルンにある「NAURU HOUSE」というメルボルンでも有数な高層オフィスビルにしても、テナント獲得がうまくいっていないらしい。
「燐」で食えなくなった時のために海外の不動産を取得し、家賃などで国の経済を支えていこうというのが狙いだったわけだが、コンサルタント達に食い物にされてしまっていたようです。
すでに政府予算も赤字で今までの蓄えを食い潰し始めている。
現在オーストラリアは経済援助を始めているようだが、僕の睨むところ随分オーストラリアはこの国で今まで儲けてたのではないかと。
(食い物にしていたとはいわないが、なんだか胡散臭い面が多分に見受けられます)
いったいどんな国なんだろうと僕は興味が湧いてきた。
長年の間豊かで失業者もいない、当然スラムも無い、「燐」以外産業も無い。
なぜか僕は行ってみたくなった。 一応空路はある。 景気の良かった時代に航空会社まで設立し(NAURU航空)、今も一機(!)所有しているらしい。
笑っちゃうのは国土が狭いのに飛行場のために滑走路が必要なので、一般道路と滑走路が共有している部分があって、飛行機が滑走路に出入りする時には「赤信号」になって道行く自動車がストップする事。
僕はこの国には観光等(スクーバダイビングを含む)の可能性は大いに残されていると思うんですけどね。
なんだか不思議な国ですな〜。